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延宝七年 秋 蓬莱楼喧嘩始末 その5
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吉原の中での喧嘩の為に蓬莱弥九郎が集めた忘八者はおよそ十九人。
強面揃いだが肝が据わっていないとは、集めた忘八者を吉原近くの寂れた道場に連れて行った半兵衛に対して、稽古を引き受けた石川新右衛門が呟いた感想である。
もちろん忘八者の耳に届いて彼らの顔が強張った。
「手前共は半兵衛様に雇われた身でございまして……」
「ならば手加減してやる。掛かって来い!」
そう言って木刀を振った石川新右衛門の一撃に、忘八者は一人残らず叩き伏せられた。
剣術の腕もさることながら、石川新右衛門は彼らを叩き伏せた後でも息一つ乱れていなかったのだ。
その事実に気が付いた忘八者達は驚愕し、石川新右衛門の稽古に従わざるを得ない。
そんな彼らに石川新右衛門が最初に教えたのは正座だった。
「とりあえず、足がしびれるまで座っていろ」
そう言い残して、石川新右衛門は半兵衛を呼んで道場の外に出る。
空はまだ青く、夕方まではもう少し時間がかかるだろう。
草木も色づき、枯れるまでとはいかず秋風に揺れていた。
「石川の旦那。あれは何です?」
「ああすれば、俺の言う事を奴らも聞くだろう?
それに、付け焼刃で勝てるほど侍は甘くない」
冗談めかして言うが、その剣の道を究めた侍の一人である石川新右衛門の顔は真剣だった。
不意に石川新右衛門がわざとらしい殺気を出し、半兵衛が彼の剣の間合いから外れるのを見て、石川新右衛門がぼやく。
「それよ。奴らは今のすらできぬ。
喧嘩だから剣は使えないだろうが、棒きれ一つでも忘八者は叩き伏せられる。
あの道場には、木刀もあったというのにな。
半兵衛。お前の師は本当にお前を大事に育てたのだろうな」
「……先生は『浪人だからこそ侍から馬鹿にされぬように』と色々教えていただきました。
いなくなって恩すら返せていませんが、侍の真似事程度はなんとか」
きちんと習った剣ではないが、まだ戦国の気風が残っていた時期である。
とはいえ、初陣が大坂の陣の輩も墓に入るか白髪を晒し、その気風を受け継いだ侍の初陣は島原の乱となりつつある今、天下は本当に太平になろうとしていた。
半兵衛の言葉を聞いて石川新右衛門は笑みを浮かべる。
出てきた言葉は賞賛だった。
「お前はいい先生を持った。
それは誇っていい」
半兵衛にとって師匠こと由井正雪は誇りだ。
だが、その賞賛を聞くと同時に半兵衛の心の中に苦い物がこみ上げる。
石川新右衛門が讃えた師は、浪人の為に立ち上がり謀反人として死んだ。
その決起もいまや昔となり、この江戸の町は太平を謳歌していると考えれば胸の奥底が締め付けられる。
「ありがとうございます。旦那。
師も喜びましょう」
絞り出した声に力はなく、その心中にある思いを隠し切れない。
それを察したのか、それとも別の何かを感じたのか、石川新右衛門はそれ以上何も言わなかった。
そんなやり取りの後本題に入る。
今のままなら侍である旗本奴に忘八者が勝てる訳がない。
だったら、勝てる仕掛けを考える必要があった。
「とりあえず、身を守らせる物が必要だな。
火事場装束は手配できるか?」
「吉原だからこそ、火については気を使っている。
揃えられるはずです。旦那」
火事場装束は当然火事において着るから、火が肌につかぬような厚めの服となっている。
刀が使えない喧嘩ならば、十二分に役に立つだろう。
問題はどうやってそれを着た忘八者を隠すかだ。
あからさまに待ち構えている所にわざわざ喧嘩を仕掛けるほど旗本奴は馬鹿ではない。
「仲之町の大通りの喧嘩に駆け付ける形にして、小道に伏せさせるか」
「まるで合戦でもしているかのような言い草ですな。旦那」
「やっている事は変わらん。戦と喧嘩の違いは、人が死ぬか死なぬか程度のものだよ。
侍にとってはな」
「……」
半兵衛はその言葉を否定できなかった。
石川新右衛門の言っている事が間違っておらず、武士同士の戦いとはそういうものだからだ。
だからこそ、半兵衛もそれは理解しつつも違和感を覚えてしまうのは、半兵衛が浪人でしかないという裏返しなのだろう。
「旦那。一つお聞きしてもよろしいですか?」
「なんだ?」
「旦那に取って戦とは何です?」
「そうだな……俺は剣客として生きると決めた時に戦いからは逃げないと誓った。
それは俺だけでなく多くの侍も同じだろう。
だから俺達は戦う。ただそれだけだ」
半兵衛の問いに答えた石川新右衛門の声には強い覚悟があった。
そして、その覚悟を持たない半兵衛ははっきりと違いを見せつけられて、自然と顔が笑顔になり、石川新右衛門にたしなめられる。
「何がおかしい?半兵衛?」
「あっしは、浪人のままで十分と思っただけで」
半兵衛の返事に何とも言えない顔をした石川新右衛門だが、それは置いておいて話を元に戻す。
防具を用意したら今度は武器である。
「それと、竹箒を人数分持たせてやってくれ。
振り回さなくていい。
持っているだけで、侍ならばその間合いから離れようとする。
怪我は減るだろう。
あと……そこで見ている奴、出てこい」
いつの間にか二人の後をつけていた男が、姿を現す。
忘八者ではないが、紅裏甲斐絹の裾縁をとった着物を身に纏った風流男は伊達顔のまま口を開いた。
「これは失礼を。
お二人の話をお邪魔せぬよう控えておりました。
唐犬権兵衛というケチな野郎でございます」
半兵衛も石川新右衛門もその名前に聞き覚えがあった。
確か、旗本奴と敵対していた町奴の頭領であった幡随院長兵衛亡き後に町奴を仕切っていた男である。
「贔屓になさっている、河村十右衛門様から今回の喧嘩の話を小耳に挟みましてね。
旗本奴の狼藉を振り払うのが町奴の役目。
どうか此度の喧嘩に一枚噛ませていただけないでしょうか?」
強面揃いだが肝が据わっていないとは、集めた忘八者を吉原近くの寂れた道場に連れて行った半兵衛に対して、稽古を引き受けた石川新右衛門が呟いた感想である。
もちろん忘八者の耳に届いて彼らの顔が強張った。
「手前共は半兵衛様に雇われた身でございまして……」
「ならば手加減してやる。掛かって来い!」
そう言って木刀を振った石川新右衛門の一撃に、忘八者は一人残らず叩き伏せられた。
剣術の腕もさることながら、石川新右衛門は彼らを叩き伏せた後でも息一つ乱れていなかったのだ。
その事実に気が付いた忘八者達は驚愕し、石川新右衛門の稽古に従わざるを得ない。
そんな彼らに石川新右衛門が最初に教えたのは正座だった。
「とりあえず、足がしびれるまで座っていろ」
そう言い残して、石川新右衛門は半兵衛を呼んで道場の外に出る。
空はまだ青く、夕方まではもう少し時間がかかるだろう。
草木も色づき、枯れるまでとはいかず秋風に揺れていた。
「石川の旦那。あれは何です?」
「ああすれば、俺の言う事を奴らも聞くだろう?
それに、付け焼刃で勝てるほど侍は甘くない」
冗談めかして言うが、その剣の道を究めた侍の一人である石川新右衛門の顔は真剣だった。
不意に石川新右衛門がわざとらしい殺気を出し、半兵衛が彼の剣の間合いから外れるのを見て、石川新右衛門がぼやく。
「それよ。奴らは今のすらできぬ。
喧嘩だから剣は使えないだろうが、棒きれ一つでも忘八者は叩き伏せられる。
あの道場には、木刀もあったというのにな。
半兵衛。お前の師は本当にお前を大事に育てたのだろうな」
「……先生は『浪人だからこそ侍から馬鹿にされぬように』と色々教えていただきました。
いなくなって恩すら返せていませんが、侍の真似事程度はなんとか」
きちんと習った剣ではないが、まだ戦国の気風が残っていた時期である。
とはいえ、初陣が大坂の陣の輩も墓に入るか白髪を晒し、その気風を受け継いだ侍の初陣は島原の乱となりつつある今、天下は本当に太平になろうとしていた。
半兵衛の言葉を聞いて石川新右衛門は笑みを浮かべる。
出てきた言葉は賞賛だった。
「お前はいい先生を持った。
それは誇っていい」
半兵衛にとって師匠こと由井正雪は誇りだ。
だが、その賞賛を聞くと同時に半兵衛の心の中に苦い物がこみ上げる。
石川新右衛門が讃えた師は、浪人の為に立ち上がり謀反人として死んだ。
その決起もいまや昔となり、この江戸の町は太平を謳歌していると考えれば胸の奥底が締め付けられる。
「ありがとうございます。旦那。
師も喜びましょう」
絞り出した声に力はなく、その心中にある思いを隠し切れない。
それを察したのか、それとも別の何かを感じたのか、石川新右衛門はそれ以上何も言わなかった。
そんなやり取りの後本題に入る。
今のままなら侍である旗本奴に忘八者が勝てる訳がない。
だったら、勝てる仕掛けを考える必要があった。
「とりあえず、身を守らせる物が必要だな。
火事場装束は手配できるか?」
「吉原だからこそ、火については気を使っている。
揃えられるはずです。旦那」
火事場装束は当然火事において着るから、火が肌につかぬような厚めの服となっている。
刀が使えない喧嘩ならば、十二分に役に立つだろう。
問題はどうやってそれを着た忘八者を隠すかだ。
あからさまに待ち構えている所にわざわざ喧嘩を仕掛けるほど旗本奴は馬鹿ではない。
「仲之町の大通りの喧嘩に駆け付ける形にして、小道に伏せさせるか」
「まるで合戦でもしているかのような言い草ですな。旦那」
「やっている事は変わらん。戦と喧嘩の違いは、人が死ぬか死なぬか程度のものだよ。
侍にとってはな」
「……」
半兵衛はその言葉を否定できなかった。
石川新右衛門の言っている事が間違っておらず、武士同士の戦いとはそういうものだからだ。
だからこそ、半兵衛もそれは理解しつつも違和感を覚えてしまうのは、半兵衛が浪人でしかないという裏返しなのだろう。
「旦那。一つお聞きしてもよろしいですか?」
「なんだ?」
「旦那に取って戦とは何です?」
「そうだな……俺は剣客として生きると決めた時に戦いからは逃げないと誓った。
それは俺だけでなく多くの侍も同じだろう。
だから俺達は戦う。ただそれだけだ」
半兵衛の問いに答えた石川新右衛門の声には強い覚悟があった。
そして、その覚悟を持たない半兵衛ははっきりと違いを見せつけられて、自然と顔が笑顔になり、石川新右衛門にたしなめられる。
「何がおかしい?半兵衛?」
「あっしは、浪人のままで十分と思っただけで」
半兵衛の返事に何とも言えない顔をした石川新右衛門だが、それは置いておいて話を元に戻す。
防具を用意したら今度は武器である。
「それと、竹箒を人数分持たせてやってくれ。
振り回さなくていい。
持っているだけで、侍ならばその間合いから離れようとする。
怪我は減るだろう。
あと……そこで見ている奴、出てこい」
いつの間にか二人の後をつけていた男が、姿を現す。
忘八者ではないが、紅裏甲斐絹の裾縁をとった着物を身に纏った風流男は伊達顔のまま口を開いた。
「これは失礼を。
お二人の話をお邪魔せぬよう控えておりました。
唐犬権兵衛というケチな野郎でございます」
半兵衛も石川新右衛門もその名前に聞き覚えがあった。
確か、旗本奴と敵対していた町奴の頭領であった幡随院長兵衛亡き後に町奴を仕切っていた男である。
「贔屓になさっている、河村十右衛門様から今回の喧嘩の話を小耳に挟みましてね。
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