一番のクズは…

蛭魔だるま

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私21

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反射的に突き飛ばそうとしたが捕まれ離してくれない。

やっとの思いで離れたとき、彼は悲しそうに微笑んだ。

「あなた、違うの、これは…」

私は罪悪感から夫の顔を見れなかった。

「顔ちゃんと見ろよ」

彼に無理やり顔を夫の方に向けられる。

夫を見ると、笑っていた。今までで一番いい笑顔で。

「…え、なんで?」

彼は私を後ろから抱きしめた。

「お前は罪悪感でこいつを好きにならなくていい。だってこいつはお前の愛を別に必要としてない」

「どういうこと?」

「お前には俺だけでいい。お前は俺だけを見ていればいいんだよ」

彼の腕に力が入る。

「いっ…」

「約束だろ…?」

「どうして、なんで…なんで笑っているの?」

私は余裕のない彼よりも、笑顔でいる夫から目が離せなかった。

「説明するから、まず中入れよ」

私たち3人はソファに座った。彼はずっと私を後ろから抱きしめていた。夫はそれを見て微笑んでいる。

「どこから説明したらいいかな」
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