君との恋の物語-mutual dependence-

日月香葉

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これからのこと

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「そっか、じゃぁこの1年間はほとんど遊びもしないで仕事ばっかりだったんだ」

すごいなぁ。私ならすぐ息が詰まりそう。

『全部じゃないけどな。それに、俺は元々そんなに遊びたいタイプじゃないから』

見た目はチャラそうなのにねw

『なんか言ったか?』

「んん、なにも。」

鋭いw

そうなんだよね。詩乃って意外と真面目っていうか、研究熱心ていうか…

いくらやっても終わらないようなことを平気でやり続けられるタイプっていうか…

なんだろう?研究者タイプっていうのかな?

それを、大学での勉強や仕事として依頼されたもの以外でも1人でやれちゃうんだよな。

これってすごいことだと思う。

少なくとも、私にはあんまり向いてなさそう。

もちろん、サークルでの活動は自分で言い出したことだけど、私の場合は1人でやりきるのは無理だと思う。

だから、サークル活動だって皆支えられてやっとできていると思っているし、私にはそうのやり方の方が合ってるんだと思う。

スタンドプレーかチームプレーかみたいな。

『どうかしたのか?』

詩乃が、急に黙り込んだ私を心配そうにみていた。

「んん、詩乃は、スタンドプレイタイプなんだなと思って。」

『あぁ、対して、さぎりはチームプレイタイプだな』

!!

「すごい!よくわかったね!全く同じこと考えてたの!」

『そうか!以心伝心だな!』

ん?なんだか詩乃の笑顔がちょっと疲れてるみたい。

「詩乃、大丈夫?少し休む?」

『ん?あぁ』

やっぱり、ちょっとボーっとしてるみたい。

『いや、せっかくきてもらってるのに…』

「そんなのいいの。すぐ帰っちゃうわけじゃないし、ずっと寝込むわけでもないでしょ?」

『まぁ、そうか。じゃぁ、30分くらいで起こしてくれるか?』


そう言って布団に入った詩乃は、すぐに寝息を立て始めた。

やっぱり疲れてるんだな。

とは言っても、引越しまでの日もそう遠くないので、私も出来る限りは手伝わなきゃ。

詩乃が眠っているので、起こさないようにキッチンの方に出た。

あまり使用頻度の高くなさそうな食器類を新聞紙に包んで箱に入れていく。

そのあとは、洗面所で私の衣類を整理しながら、カバンに詰めていく。

私が出来ることは、このくらいしかないので、続きは詩乃が起きてからやろう。

まだお昼過ぎなので、詩乃が起きてから作業しても十分に進められるし。

30分だけだし、後はリビングで座っていた。



詩乃を起こすと、ある程度すっきりしたみたいなので安心した。

『悪いな。でも、おかげさまでだいぶすっきりしたよ。』

「んん、スッキリできたならよかった。お昼食べよっか」

大きな欠伸と伸びをした詩乃が、こちらに向き直る。

『うん。そうしよう』

今日は、引越しの荷物を少しでも減らすためにあり合わせで作ったパスタ。

『おぉ、結構いけるな』

「よかった!私、料理は昔から好きだから」

冷蔵庫にあったキャベツとツナ缶をつかったペペロンチーノ。

「ん!ほんとだ!美味しいね!」

我ながらよく出来たなって感じ!

ちょっと才能あるかも??w

なんてねw

2人ともペロッと平らげて、午後は一緒に引越しの準備をした。

この部屋の準備はもちろん、引越し先で使う家具も見に行った。

これも詩乃のすごいところだと思うんだけど、新しい家具も、どんなものを買うかほとんど決まっていて、金銭的にも余裕があるみたいだった。

いくら他より割のいいバイトをしてるからと言って、誰にも頼らずにここまで決めて動けるって、ちょっと他の学生には難しいと思う。

それは、気持ち的にも、金銭的にも。

私は、こんなに自分1人でなんでも決められないし、動けるだけの金銭的余裕もないから。

自立してるなって思う。

詩乃は、部屋の寸法や収納したい資料の大きさから、条件に合う本棚をパッパと決めていく。

私はほんと、ついていくだけ。

『さぎり』

「ん?」

急に呼ばれてびっくりした。

『ここまでは仕事場の家具だからパッと決めたけど、ここからはリビングや洗面所に置く物だから、意見を聞かせてほしんだけど』

え?あぁ

「う、うん、もちろん」

なんか、気を遣わせちゃったかな?

『これについては、後で俺の考えをちゃんと話すけど、必要なものや欲しいものは遠慮なく言ってくれよ』

いや、急にそう言われても…ちょっと頭が追いつかなかった。



結局その場では仕事場の家具だけ決めて、配送の手続きまでしっかり済ませて帰ってきた。

夕飯は、やっぱりあり合わせの食材で作ったチャーハン。

いよいよ引越しが現実のものとして見えてきたなって感じだった。

食べながら、思ったことを言う

「詩乃は、すごいね」

ん?って、詩乃がちょっと首を傾げる

「まだ学生なのに、就職も決まってて、ていうか、既に働き始めてて、その上、自分の判断で済むところも家具も決められるし、躊躇わずに買えるし。ちょっと、他の学生と比べると、頭ひとつ抜けてるっていうか…」

詩乃は優しく微笑む

『ありがとう。でも、俺がここまでの人間になれたのは、周りにいる人たちのおかげだよ。』

そっか、それもそうかもね

『一人暮らしを許してくれた両親も、仕事をくれる先輩たちも、仕事漬けの俺でも誘ってくれる友達も。それに』

「それに?」

『誰よりも、さぎりがいてくれたからだ。』

え?

「いや、私はそんな、むしろ迷惑ばっかりかけちゃって…」

『そんなことはない。』

詩乃は、私が言い終える前に言った。

『俺は、この一年頑張れたのは、さぎりとこうしてまた一緒にいられる未来を信じていたからだ。あそこで別れていたり、無理に付き合っていても、こうはならなかった。だから、距離を置いてた期間も含めて、さぎりには感謝している。』

うるっとしてしまった。

詩乃があまりにまっすぐに私を見るから。

『さぎり。俺は君を愛している。愛せて、よかった』

ずるいよ!そんなの急に!!

『さっきの話だけどな』

ん?どの話だ?

『リビングや洗面の家具は、ほしいものがあったら言ってくれって言う、あれだよ』

あぁ、それか。

「う、うん」

なんだろ?なんかちょっと緊張する。

『これは、プロポーズとは別だから。先に言っておくけど』

はい?今なんて?

『卒業したら、一緒に住もう。結婚を前提に。』












……



………



…………



え?






あれ?






今…なんて?
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