君との恋の物語-Obverse-

日月香葉

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卒業-Obverse-1

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大きなガラス張りの壁。その向こうには海が広がっていて、私は今、君と並んで海の方を向いてる。私達の正面には神父さん。
 
私達の誓いを一つ一つ確認していく。
 
「ーあなたは、さぎりさんを妻とし、…」
 
そう。私達は今日、結婚するのだ。
 
今日は、私の25歳の誕生日でもある。
 
ありがとう。君が私をとても幸せにしてくれたの。ガラス張りの壁に少し映った私の顔は、とっても綺麗にしてもらって、すごく嬉しい!
 
あぁ、幸せだなぁ。これから、君と夫婦になるんだ。私は君の奥さんと呼ばれて、これからどんどん幸せになる。
 
そう、結婚式が、幸せのピークじゃない。
 
これからもっともっと、2人で幸せになるんだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
でも、一つだけ消し切れない思いがある。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「恒星」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ごめんね。あの時、私は…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
恒星を裏切ってしまった。。
 
これだけは、何年たっても消えてくれない思い。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
18歳の私。
 
あの頃の私が卒業したのは、高校だけじゃなく…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『あれからもう一年かぁ。』
 
いつもの公園のベンチで、空を見上げて恒星が呟いた。
 
確かに。
 
「そうだね、梅雨が明けたってことは、仲直りしてすぐの頃だね」
 
私達の倦怠期は、付き合い始めて3ヶ月程経った頃の一回だけ。ちょうど梅雨の頃だったからよく覚えてる。
 
雨に苦しめられて、雨に温もりを教えてもらったんだ。
 
今は七月の一週目なので、その頃から一年ちょっとたった事になる。
 
『さぎりは、宇都宮大希望だよね?』
 
うん。
 
「そう、日本史専攻。」
 
でも、恒星は。。
 
「恒星は、茨城大だよね?」
 
口に出したら、ちょっと寂しくなった。
 
『うん。音楽教育課』
 
繋いだ手に、ちょっとだけ力が入る。
 
『大丈夫だよ。大学が違っても会えるじゃない?それに、気持ちは変わらないから!』
 
そう、だよね。うん!
 
「うん、ありがとう!」
 
さすが恒星。繋いだ手から私の気持ちを読み取ってくれた。
 
『今年の夏休みは、夏期講習もあって大変だけど、花火見に行ったり、海に行ったり、上手く予定合わせて遊ぼう!前田と、厨二さんも誘ったりしてさ!』
 
「うん!楽しみだね!!」
 
 
 
 
 
そう。一年前の、例の倦怠期で、ちょっと出てきた前田君と厨二は、無事付き合い始めたのでした笑
 
 
 
夏休みはもうすぐそこまできてる。
 
ってことは、そうか。
 
もう、一学期終わっちゃうんだ。。
 
あっと言う間だなぁ。。
 
いつまでも、いつになってもこうやって恒星の笑顔を隣で見ていたいな。
 
私は、恒星と付き合い始めてから本当に幸せ。時々意地悪されるけど笑
 
それも、恒星が照れてるからだってわかって、可愛いと思うようになった。
 
可愛くて、かっこよくて、恒星のこと、本当に大好きよ。
 
なんでかな。卒業を意識すると、恒星との距離も離れる気がして寂しくなる。いや、なんでってことはないか。。
 
だって。。
 
 
 
 
 
だってさ。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
恒星とは、もう同じ学校じゃなくなるんだもん。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いくら気持ちは繋がっていると思っても、やっぱり寂しいよ。。
 
 
 
こういうことを考え始めると、私の頭の中はもう寂しさでいっぱいになる。
 
目の前に恒星がいるのに、寂しいなんておかしいよね。。
 
でも、お願い。私のこと、絶対離さないで。。
 
 
 
恒星がいなくなったら。。私。わたしは。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それから、とても忙しい夏休みがきた。
 
恒星は吹奏楽コンクールに出場し、結果は金賞!!
 
それだけでもとてもすごいと思った。
 
でも、どうやら東関東大会には推薦してもらえなかったみたい。。
 
東関東大会へ推薦してもらえるのは、同じ金賞を取った団体の中から更に上位の五団体だけのようで、恒星達はなんと6位。しかも、5位の団体とは一点差だったとか。。
 
これにはさすがに私もなんて声を掛けていいかわからなくなった。。
 
だって一番悔しいのは演奏した人達でしょう?
 
だから、いくら恒星の彼女でも、私は部外者だと思う。
 
恒星が話してくれるなら喜んで聞くし、支えが必要なら全力で支えるけど。
 
 
 
でも、多分だけど、恒星は何も言わないと思う。
 
それは私に頼れないとか、私にはわからないからとかそういうことじゃなくて、「理解してあげられないもどかしさ」みたいなのを恒星が感じ取ってお互いに気を遣うだけになってしまうのがわかっているから。
 
だからこういう時は、必ず結果だけを話してくれる。それは、気にしている私への報告でもあり、恒星自身が過程から結果まで全部をまとめて話すことで、確認しているんだと思う。
 
それをやって初めて恒星の中で一つの出来事を消化できるんだと、私はこの一年で恒星のことをそんなふうに理解した。
 
理解していても、時々、過程の段階から、つまり恒星の中で結果が出る前から一緒に考えたいとも思う。
 
でもいいの。これが恒星の考え方だから。私は彼女として、話してくれる時が来るのを待ってる。それに、私も今は予備校の夏季講習やなんかで結構忙しいから、前みたいに待ちきれなくてうずうずするようなこともなかった。
 
それに、やっぱり最後にはちゃんと話してくれた。
 
恒星は『本番中に今まではしないようなミスがあったり、緊張でミスがあったりもした。でも、それも含めて自分たちの実力で、ベストな演奏ができなかったのなら、努力が足りなかったんだ』と言っていた。それに『足りなかったというは東関東に行くためには、という意味で、俺たちは今できる最大限の努力はした。だから、これでいいんだ』とも言っていた。
 
私は、恒星がちゃんと消化できているならそれでいいと思っているので、なにも言わなかった。
 
恒星、今まで本当にお疲れ様。
 
恒星は知らないかもしれないけど、私、吹奏楽部の子と結構仲良しで、恒星の活躍は聞いていたよ。
 
なんでも、部長や先生が解決できないような部内で一番大きな人間関係の問題をほとんど一人で解決してしまったんだとか。。。
 
これは、素直にすごいと思った。。みんなもすごいって言ってた。同い年とは思えないって。
 
 
 
わかる。私も恒星と仲良くなり始めた頃からずっと思ってる。
 
そのせいで時々寂しくなる時もあるけど、恒星にもちゃんと子供っぽいところもかわいいところもあるって私だけが知ってるんだから、それだけで、私の心は満たされるんだ!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
夏休みも二学期も、ほんっとに一瞬で過ぎていった。
 
今年は、結局花火も見に行かなかったし、夏休みの間も恒星とはほとんど会えなかった。
 


でも、仕方ないと思う。二人とも国立志望だし、それでも私は一応滑り止めを受けるけど、恒星は国立一本だから。うちの高校の場合、近隣の国立を目指すならテストでは常に学年20位以内に入っていないと厳しいとされている。夏休みの段階で、私はまだそこにはたどり着けていなかったし、恒星もぎりぎりの状態だった。
 
だから二人で話して決めたんだ。今はお互いのやるべきことをやろうって。
 
今しかできない、それでいて将来を決める大切なこと。お互いのことを思うなら、今は頑張る。私達の思いはそこでうまくまとまった。
 
 
 
二学期初日。始業式の後、授業もなく、また3年生は全員部活も引退しているため、その日は午前中で解散になった。
 
学校の裏門ところに恒星を見つけたときは本当に安心した。
 
そう、この日私たちは久々に会う約束をしていた。会うって言っても、帰りにちょっと公園に寄るだけだけど、それでも本当に嬉しかった。
 
『ひさしぶり』
 
うん。
 
「ひさしぶり。」
 
会いたかったよ。
 
『会いたかったよ』
 
笑っちゃった。最初のデートの時と同じ。
 
『なんだよ』
 
あ、そっか
 
「ごめん、私も同じこと言おうとしてたから、なんかおかしくって」
 
そして恥ずかしい。。
 
『あぁ、最初のデートの時と同じだね!』
 
よかった、同じこと思い出してくれた。こんな小さなことでも、長い夏休みの間、お互いの気持ちが変わらずにいられたこと確認できたみたいで、嬉しくなった。
 
「いこっか」
 
私から手を取った。もう、我慢できなかった。
 
『うん』
 
本当は抱きしめてほしいけど。。
 
人気の少ない裏門を選んだとはいえ、さすがにそれは-
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いきなり抱きしめられて、私は一瞬何が起きたのかわからなかった。
 
 
 
 
 
『あいたかった』
 
恒星がもう一度ゆっくりそう言ってくれた。
 
私もだよ。
 
「うん、私もだよ。」
 
私もそっと抱きしめる。
 
っていうか恒星の腕がすごく力強い。。
 
多分、今までで一番強く抱きしめられてる。。それに、今日は結構暑いから、それも相まってちょっと苦しいくらい。。
 
そっか、恒星も寂しかったんだね。
 
私も、なるべく強く抱きしめた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私達は、しばらくそこで抱き合っていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
我に帰ったのは、すぐ近くを自転車が通り過ぎた時。
 
すっごくびっくりした!
 
それで急に恥ずかしくなって、どちらともなく身体を離した。。
 
多分、私顔真っ赤だ。。
 
 
 
手をしっかり繋いで公園まで歩く。
 
『ごめん、我慢できなくて。。』
 
いや、それは
 
「んん、いいの!私もだから」
 
けど言わないで!思い出したらまたすっごい恥ずかしい(>_<)
 
 
 
『あ、そうだ、さぎり』
 
え?なに?このタイミングで。。
 
「え?な、なに?」
 
なんかぎこちなくなっちゃった。。
 
 
 
『あのさ。。』
 
え?なにその感じ。。
 
「ん?」
 
『今度、一緒に勉強しないか?』
 
いいけど、なんでそんなに言いにくそうなの?
 
『いや、これからも、二人とも勉強漬けになると思うんだ。だから、入試が終わるまでは遊びにも行けないし。でも、勉強もずっと一人でやってると、煮詰まってくるって言うか。。だから、息抜きも兼ねて今度いっ』
 
「うん、いいよ!」
 
話の途中からもう本心まで見えた。恒星も、会いたいんだよね。でも、遊びに誘うわけにいかないから、勉強に誘ったんだよね?
 
かわいいなぁもう。
 
『え?』
 
目、まんまるだよ?笑
 
そんなに意外だった?
 
「だから、いいよ!勉強、一緒にしよ!」
 
『う、うん、ありがとう。』
 
なんかすっごい照れてるし。笑
 
かわいい。今日の恒星はすっごくかわいい。
 
会えてよかった。これだけの会話で、もう会えなかった時よりずっと愛しいと思えてる。
 
あぁ、私はやっぱり恒星が大好きだなぁ。
 
なんてことを考えていたら公園のいつものベンチに着いた。
 
ちょっと暑いけど、今日はいつもよりくっついて座っちゃお!
 
 
 
え?
 
『な』
 
ん?
 
『すごい、近いね』
 
あら?恒星の顔が真っ赤。
 
熱でもあるのかな?
 
「どうしたの?顔真っ赤だけど、熱っぽい?」
 
くらくらしてそうだけど。。
 
『や、これは、単純に。。』
 
単純に?
 
『さっきのことを思い出して。。』
 
さっき?あぁ、抱きしめられた時のことか。。
 
やばい。。私も熱くなりそう。。ちょっと落ち着こう。
 
「そっか、ごめ」
 
『違う!近くにいてくれるのは本当に嬉しんだ、だから、離れなくていい。というか、離れないでほしい。』
 
いつの間にか私の腰に手が回っていた。びっくりした。
 
恒星がこんなに大胆な。。。あぁやばい、熱くなってきた。。
 
「大丈夫だよ、離れないよ」
 
もうね、これだけ言うのが精一杯でした。。はい。
 
それにしても暑い。いや、熱い。。
 
これってもはや、照れっていうか。。いや、違う!そんなはずない!断じて
 
『いつに、しようか。。?』
 
え?あぁ、そうか、勉強する日か。。
 
「えっと。。来週の土曜日はどう?今週は予備校の講習があるから。それに。。」
 
これ言っていいのかな。。?
 
「確か、その日はうちの家族みんな出掛けてるから。家でできるよ!」
 
『え!?マジで!?』
 
え?うん
 
「うん、マジで」
 
『そ、そうか。じゃ、来週の土曜にしよう』
 
うん、二人とも落ち着いてきた。
 
「うん!10時くらいでいいかな?せっかくだからお昼も一緒に食べようよ!」
 
『うん、OK!楽しみだな!勉強だけど、さぎりと一緒にいられるのは嬉しいな。』
 
私もだよ。ところで。。
 
「勉強、どう?夏休み、集中できた?」
 
割と明るい表情。ということは
 
『うん、コンクール終わるまでは勉強しなかったからちょっと焦っていたけど、後半で取り返せたと、思う。模試を受けたわけじゃないから、どのくらいの成果が出てるかは、わからないけど。』
 
結構自信ありそう。すごいなぁ。
 
「そっか。よかった」
 
『ありがとう。さぎりは』
 
私は。。実は夏休み最後の模試の結果が思ったより伸びなかったのだ。あんなに勉強したのに。。
 
「私は、この間の模試の結果があんまりよくなかったんだ。。」
 
かっこわるいな。私。恒星はどんどん先に行っちゃうみたい。
 
『そっか。でも、次はきっといい結果が出るよ!毎日遅くまで予備校行ってて、すごいなって思う。さぎりなら、絶対大丈夫だよ』
 
優しいなぁ、優しくて、暖かくて、かっこいい。
 
早く受験終わらないかな。。そしたら、もっと恒星と一緒にいられるのに。。
 
「ありがとう」
 
後半年近くもこんな生活が続くんだと思ったらすごく切なくなった。。もっと、暖かくなりたい。寂しい。辛い。泣きたい。もっと、愛されたい。。もっと、愛して。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『さぎり?』
 
「え?」
 
なんか、ぼーっとしてた。何考えてんだろ、私。。
 
『大丈夫?』
 
「うん、ごめん、大丈夫。次も、頑張ってみるね!」
 
今は、集中しなきゃ。
 
『うん。あ、時間、大丈夫?』
 
え?
 
 
 
 
 
やっば!
 
「ごめん、もう行かなきゃ!」
 
っていうか、走らないと間に合わないかも。。
 
「私急ぐから、恒星はゆっくりでいいよ!またね!」
 
ごめん、ホントに!
 
『わかった!気を付けて!土曜日、楽しみにしてるから!!』
 
私もだよ!またね!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
予備校には何とか間に合いました。
 
制服だし、ローファーだし、肩掛けカバンだしで、ものっすごい走りにくかった。
 
何度も躓いたり転びそうになりながらも無事たどり着いたのでした。
 
っていうか予備校の校舎クーラー利きすぎじゃない?
 
走ってきて汗だくになってるからっていうのもあると思うけど、風邪ひきそう。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
長時間の授業と、寒すぎる教室のせいで、家に帰るころにはぐったりとしていた。
 
今日はゆっくりお風呂に入ろう。。
 
今日は忙しい一日だったな。
 
恒星、元気そうでよかった。それに、恒星も会いたいと思ってくれていたんだとわかってほっとした。
 
抱きしめてくれた時のことを思い返すと、また熱くなった。
 
この感覚、やっぱりそうだ。これはもう、照れじゃない。。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
興奮。私、興奮してる。。
 
いやらしい。はしたない。。でも、止まらない。。
 
そりゃ、私も一応は女だし、恒星と付き合い始めて1年半。。
 
その間にこういう気持ちっていうか、感情?が全くなかったかと言われればそんなことはない。
 
むしろ、付き合い始めた時から少しはあったと思う。
 
でも、それはとても恥ずかしいことで、家族や友達はもちろん、恒星には絶対に知られたくなかった。
 
男の子のほうがむしろ、そういうの好きだと思うけど、でも自分の彼女がそういうことばっかり考えてるってわかったら、いやだと思う。
 
私だって嫌。
こういう感情を、自分で抑えられなくなってきていることが嫌。
 
恥ずかしくて、はしたなくて、でも、恒星にだけは見せたくて、でも一番知られたくなくて。。
 
いつからこんなになっちゃんたんだろう。。
こんなに抑えられなくて、止まらないなんて、なかったのに。。
 
恒星。会いたいよ。
会って安心したら、少しはおさまるかな。。
少なくとも、心は満たされるもんね。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それからの約2週間は、やたら長く感じた。
生活はいつもと一緒。
朝から学校で勉強して、夕方からは予備校で勉強して、次の日が休みだったり授業で聞いたことがわからなかったら家に帰ってからも勉強。
これだけ勉強ばっかりしてると、時々なんの為に勉強してるのかわからなくなる。。
 
だめだめ!目標はしっかり決まってるんだから、日々の勉強は全部その為!!
受験が終わったら、恒星と一緒に晴れて大学生になるんだから!!
 
こんな風に、ネガティブになったらポジティブになったり、勝手に忙しくなりながら、ようやく恒星との勉強の日がきた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
正直に、すごく正直に言うと、その日はもう前日は全然眠れないし、朝からソワソワするし、もう全然勉強どころじゃなかった。。
恒星に会える。。ただそれだけで、こんなに心が騒いでる。。
会いたい。。早く来て。。
いやいやいやいやいやいやいやいや、だめだめ!
今日は一緒に勉強するの!
デートじゃないんだから!!
 
 
 
 
っていつの間にか9時半過ぎてるし(°_°)
 
 
 
 
どうしよう。。
いや、落ち着け私。
部屋は綺麗にしてあるし、お茶の用意もしてある。
今日の為に用意した大きめのテーブルもある。座布団も可愛い色の新しいやつに変えて貰ったし、服も、新しいのは用意できなかったけど、私の持ってる物で一番お洒落なやつ。
 
うん、大丈夫!
準備万端( ¨̮ ) 
 
するとインターホンが!きた!!
 
案の定恒星でした。
「おはよう!」
『おはよう!今日は、お邪魔します。』
「いえいえ、どうぞ」
なんだかちょっと他人行儀。。
でもいいか、無礼よりは。
 
 
 
 
 
 
 









 
 
はい。ここからは恥ずかしいので詳しくは書かないですけど。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その、、なんていうか。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
この日初めて。。
いや、この日に、二人一緒に、一つ大人になりました。。
 
 
 
二人っきりになって、恒星の匂いがして、もうそれだけでくらくらしてて。。
そしたら、恒星が、大丈夫?って。。
それで。。
いやだから詳しくは書かないからね!!
 
でも、恒星も、抑えられなかったみたい。
私はそれも含めて同じ気持ちだったことがすごく嬉しかった。
それに。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
初めてが恒星でよかった。。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その日を境に、私の心は少し落ち着いた。
まだ熱っぽくなることはあるけど、あの時に心も体も満たされたんだと思う。
あんまり考え過ぎると、また欲しくなって。。やめよう。
考えたら止まらないから。
 
勉強勉強。
そしたら、また、恒星に会えるから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私達の二学期は、ずっとこんな感じでした。
基本的にはほとんど連絡も取らずに勉強に集中して、私の予備校が始まるまでの時間とか、そういう合間を縫って会ったり。
また、休みの日は一ヶ月に一回か二回くらい一緒に勉強して。。充電して。。
 

10月に入ってすぐに、文化祭があったけど、うちのクラスは実行委員の二人がものすごく頑張ってくれたので、私達は一般入試組はかなり助けられた。
ちなみにうちのクラスはすっごく凝った内装と、オリジナルドリンクが売りの模擬店。
結果は大成功。模擬店としての売り上げはダントツトップだった。
準備期間中は、少し息抜きにもなったし、普段あんまり関わらないクラスメイトとも仲良くなれて本当に楽しかった。
いつか、この話もゆっくり書きたいな。



その後もメリハリをつける生活のおかげか、私の成績もかなり伸びていった。
二学期の期末テストでは、二人とも余裕で学年20位以内に入り、模試の結果も、確実に合格ラインに入っていた。
でも、まだまだ油断できない。
これから迎える冬休み。
ここが勝負どころ。この冬休みを上手く使えた人が、合格できるんだと私は思ってる。
恒星に会えないし、辛いけど、目の下に隈を作って必死に勉強した。
ほとんど動かない上に夜食も食べるから2キロも太って。。
でも、絶対負けたくないから本当に頑張った。
本当に本当に辛かったけど、それでもどうにか乗り切った。
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