死に別れた縁と私と異界の繋

海林檎

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 町で事件が起こり、繋が襲われて大怪我を負った。

「悪神が紛れ込んでいたらしいです!!」




 悪神。
 人間界では災禍をなす神として知られている。
 こちらの世界でも主に魂や人の肉を好み、気性が激しい神が多いと言われている。


 そんな悪神に繋が襲われたと言う。



「場所はどこだい!?」

「色町の三番町です!怪しげな売買の取り引きが行われていると報告があったそうです」

 己の町での犯罪行為が行われる事が許さなかった正義感だろうと言い姫雛は「自警団に任せておけばよかったのに」と、繋がいるだろう場所に案内するよう部下に命じた。


「かなり危うい状態かもしれません」

 そう言われてただでさえ背筋が凍りつく思いなのに心臓が早くなる。

 外に出た姫雛に結が叫ぶ。

「私も連れて行って!」


「今聞いただろ!悪神がいるって!悪魔や悪い妖だって来ているかもしれないんだ!!」

 結を連れていく訳には行かない。姫雛は断るが

「お願いします!連れて行って下さい!!」

 結は食い下がった。


「ダメよ」

 姫雛は頑なに拒否をし、結を置いて飛び去って行った。




 色町の三番町。
 姫雛の部下は確かにそう言っていた。








 -------







「おいこらテメェ!今、肩ぶつかっただろっ!?」

「あぁ゛!?先にぶつかってきたのはテメェの方だろうが!!」

 観光客が増えた時の風物詩である輩同士の絡み喧嘩。
 これを見るのも観光のうちと、鳳来が楽しそうに笑う。


「·······お?」

 少し遠目に珍しい格好の娘が走っているのが見えた。



「······あの格好は····」




 鳳来は煙管を咥えて短い裾の服を着た娘を眺めた後····。


「おーい。あっちって色町だっけー??」

「そうですよ。アンタ、毎回行くのにもう忘れたんスか?」

 雑貨屋に行って可愛らしい巾着袋を見ていたが呆れた様子で「年ですか?」と、言った。

「·····繋君·····お前さぁ·······」





 ぶち犯すぞ♡




 笑顔で鳳来に言われた繋はブンブンと勢い良く首を振った。









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