死に別れた縁と私と異界の繋

海林檎

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 鳳来の説明で結は更に絶望に落とされた。


 人間は肉体・幽体・霊体が合わさった状態で人間界に存在している。
 上界ではその肉体から幽体と霊体が離れて行けるらしい。

「行けるって言っても結ちゃんみたいな稀な人間だけだがな」

 幽霊体が抜けた肉体は言わば仮死状態になる。
 そして、幽霊体が肉体に戻らないと言うのはすなわち

「私····死んでるの?」

「発見が早くて延命処置がされているのなら植物人間状態だろうな」

 運が良ければ生きてもいないし死んでもいない状態だろう。




 ただ、肉体に戻れないだけ。





「まぁ、倭国じゃねぇけどどっかの国で同じような事が起きて無事に帰れた人間がいるって聞いた事もあるからなぁ」

「え?」




 必ずしも帰れないわけではない。






 鳳来はそう言った。






「知り合いに海を渡るヤツらがいるから聞いてみても良いけど」

「本当ですか!?」




 お願いしますと、結は希望を持つが·····



「けど、肉体が必ずしも延命されているかはギャンブルだぜ?」


 と、鳳来が言った瞬間に落ち込んだ。


「まぁ、一応帰ったら調べてやるよ。後、火ノにも今度会ったらぶん殴っとく」

 別に調べなくてもいいのにと繋は心の中で呟いた。
 それを見逃さなかったのだろう。
 鳳来がニヤッと笑い

「繋が口説くのが先か、それとも俺が帰り道を見つけるのが先か楽しみぃ~」

「楽しくねぇよ。後、西の君主とアンタどんな関係?」

 西の君主の事を「火ノ」と親しげに呼ぶ鳳来。

「ん?うーん····」

 少し考えた後、鳳来は···

「暇潰しの玩具?」

「不敬罪で捕まれぇ!!」

 とんでもない事を言う外国の神様もいたものだと結は思った。






鳳来を見送る時の事····


「じゃ、結ちゃん。次は良い土産話持ってこれるようにするけど、その前に繋の嫁になるんだったらその土産話は諦めろよ」



「は?えぇ!?」


「早く帰れ!!」



 本当にとんでもない事を言う外国の神様がいたものだと結は再び思った。
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