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六
三
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縁結びの神が縁を繋いでくれた。
結がこの世界に来たのは結自身がその祠に願ったからだ。
「····けれど」
自分はもう一度縁と縁を繋いで欲しいと思ってそう願っただけ。
縁との縁がこの時代のこの世界にあると言う事なのか。
訳が分からなすぎて頭が爆発しそうだ。
「それも調べて見るしかないだろうな」
調べると言っても手掛かりもないから調べようもない。
けれどここは人間の世界とは違う摩訶不思議な出来事が起きても仕方ない世界。
しかし、原因は必ずあると火ノ神は言う。
「元の世界に戻るまで結殿を西の御所で保護しても良いのだが····」
火ノ神の近くなら護衛も沢山いて安全が保証される事は間違いないだろう。
だが、しかし·····
「火ノ神様。結は俺が護るんで大丈夫です」
繋が結の肩を抱き寄せてそう答えた。
「····そ、そうか」
それなら繋に任せようと火ノ神が言い、傍にいた青緑髪の男性がニヤニヤしながら
「繋殿との縁を結んじまったみたいですね」
と、言ってしまった。
「【 胆礬】。余計な事言うな」
あくまで結は人間で繋は妖怪。
寿命の長さも違ければ、上界の住民と違って人間は脆い。
縁があったとしても人間は衰え早く寿命を迎え、残ってしまった妖怪は悲しみに明け暮れる。
だから、人間はこの世界にいるよりも元の世界に返すべきだと言うのが火ノ神の主張だ。
「··············」
そう、だからこそ結は繋に自分の気持ちを伝えないと決めた。
帰っても帰らなくても繋との縁は結ばれない事を知っているから。
「·············」
それでも俺は
結と共にいたいと言う言葉を繋は飲み込んだ。
---------
火ノ神達を見送った後、結達もいつもの日常に戻ったり
「あ、そう言えば火ノ神様と鳳来様って知り合いなんだよね?」
ムギがフッと思い出したかのように呟いた。
「そうなんだろうね」
「二人正反対の正確してるから仲良くなる印象ないのにね」
真面目そうな火ノ神に対して自由奔放そうな鳳来。
さながら、真面目な学生と陽キャヤンキーの様だと思ってしまった。
「結、茶を入れてくれ」
「はーい」
結は繋に返事してムギと共にお茶を取りに行った。
結がこの世界に来たのは結自身がその祠に願ったからだ。
「····けれど」
自分はもう一度縁と縁を繋いで欲しいと思ってそう願っただけ。
縁との縁がこの時代のこの世界にあると言う事なのか。
訳が分からなすぎて頭が爆発しそうだ。
「それも調べて見るしかないだろうな」
調べると言っても手掛かりもないから調べようもない。
けれどここは人間の世界とは違う摩訶不思議な出来事が起きても仕方ない世界。
しかし、原因は必ずあると火ノ神は言う。
「元の世界に戻るまで結殿を西の御所で保護しても良いのだが····」
火ノ神の近くなら護衛も沢山いて安全が保証される事は間違いないだろう。
だが、しかし·····
「火ノ神様。結は俺が護るんで大丈夫です」
繋が結の肩を抱き寄せてそう答えた。
「····そ、そうか」
それなら繋に任せようと火ノ神が言い、傍にいた青緑髪の男性がニヤニヤしながら
「繋殿との縁を結んじまったみたいですね」
と、言ってしまった。
「【 胆礬】。余計な事言うな」
あくまで結は人間で繋は妖怪。
寿命の長さも違ければ、上界の住民と違って人間は脆い。
縁があったとしても人間は衰え早く寿命を迎え、残ってしまった妖怪は悲しみに明け暮れる。
だから、人間はこの世界にいるよりも元の世界に返すべきだと言うのが火ノ神の主張だ。
「··············」
そう、だからこそ結は繋に自分の気持ちを伝えないと決めた。
帰っても帰らなくても繋との縁は結ばれない事を知っているから。
「·············」
それでも俺は
結と共にいたいと言う言葉を繋は飲み込んだ。
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火ノ神達を見送った後、結達もいつもの日常に戻ったり
「あ、そう言えば火ノ神様と鳳来様って知り合いなんだよね?」
ムギがフッと思い出したかのように呟いた。
「そうなんだろうね」
「二人正反対の正確してるから仲良くなる印象ないのにね」
真面目そうな火ノ神に対して自由奔放そうな鳳来。
さながら、真面目な学生と陽キャヤンキーの様だと思ってしまった。
「結、茶を入れてくれ」
「はーい」
結は繋に返事してムギと共にお茶を取りに行った。
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