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私はフラグを叩き折る
8個目 ぬいぐるみVSあみぐるみ
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ルーシーのぬいぐるみを作ろう!
またもや唐突に思いついてしまった。
デイヴィッドのおもちゃになるし、幼い頃から慣れ親しめば、大きくなってもルーシーと仲良く出来るはずだ。天才。
早速、いつも世話になっている商人を呼び、王都で人気のぬいぐるみを取り寄せた。
そうそう、商人の名前はコーディと言うのだそうだ。名前を訊ねたら、一瞬だけ目をパチクリした後に教えてくれた。以前に聞いていたら申し訳ない。しっかり名前を覚えたからね!
やはりと言うか、ぬいぐるみの見た目は完璧で、前世の世界で販売していてもおかしくないものだった。問題は生地や重量だ。
ごわごわした厚めの布でデザインされたぬいぐるみは、重心を維持するためか中身もふわふわの綿ではなく、木を利用していた。要は、人形の外側を布で覆ったものが、この世界でのぬいぐるみだ。
種類は豊富でオブジェとしては文句のつけようもないけれど、赤ちゃんのおもちゃには適さない。万が一、大切なデイヴィッドが怪我でもしたら大変なのだ。
まずは、毛皮と綿でルーシーのふわもこを再現しようとしてみた。今や、一大下着メーカーとして一世を風靡しているマヤにも協力してもらい完成した新しいぬいぐるみは、全員一致で商品化を決定したほどの出来映えとなった。
ただし毛皮が思いのほか重く、小さく加工するのも難しかった上に、微かに獣臭がするため、デイヴィッドへの贈り物としては見送られてしまった。
アメリアも巻き込んで、あーでもないこーでもないと喧々囂々の開発会議を経ても良い案は浮かばず、気分転換にルーシーと池を散歩をしてみた。魚が食べたい。
日課のお魚観察を終えた私は、その足で弟の部屋へと向かった。デイヴィッドに会う時は、いつもそわそわしてしまう。髪を手櫛で直し、笑顔の練習をしてからノックをしてから部屋に入る。
毎日少しずつ成長している私の天使は、お昼寝の時間だったようで、ベッドの中で微睡んでいた。手摺りの上から覗き込んむと、ふひゅーと寝息をたてていた。
少し離れた場所には、乳母のエミリーが椅子に座って編み物をしながら待っていた。赤ちゃんの食事は大変だものね。でもデイヴィッドならげっぷまで可愛いから役得かも知れない。代われるものなら……。
そこでハッと気が付いた。
あみぐるみならどうかしら?
と。
ありがたいことに、この世界の技術力は応用力がまるで足りない以外は前世と同じくらいある。雰囲気が壊れるからか、アクリルやモールヤーンはなかったけれど、ウールもコットンも毛糸がある! 赤ちゃん用だからそこまで大きくなくて良いし完璧!
そうと決まれば、さっそく準備開始だ!
まずは素材を探しからと調べてもらったら、どうして誰も疑問に思わないのか不思議なほど、様々なものが見つかった。
中でも一番嬉しかったのは、手芸綿と羊毛フェルトだ。これでふっわふわもっこもこはもらったも同然! 出来る姉として、弟から尊敬してしまうだろうなー、まいっちゃうなーとにやにやしてしまった。
計画から約一月ほどで最初の完成品がお目見えした。
いつもの四人が集まり静まり返った部屋の中で、代表して手触りを確かめる。右手にあみぐるみ、左手にルーシー。さすがに本家本元の毛並みには勝てないけれど、充分な触り心地だ! しかも! 肝心の重量は、空を飛んでいるルーシーよりもかなり軽い!
思わずニヤッと悪い笑みを浮かべ、アメリア達によくやってくれたと労えば、三人ともニヤリと笑い返す。悪代官も真っ青だ。
「この子の名前はあみぐるーしーにします」
反対意見も出なかったので、決定だ!
すぐさまあみぐるーしーを手に持ち、ドキドキしながらデイヴィッドの部屋を訪ねた。ベッドで横になっていたが起きていたので、そっとあみぐるみを手渡した。お腹の上に置いても安心な軽さなのだ。
「お姉様からの贈り物ですよー」
緩む頬を心の中で叱咤し、姉としてキリリとした顔を維持する。はたして気に入ってくれるだろうか? そんな心配などどこ吹く風な我が弟は、じーっとあみぐるーしーの顔を見つめた後に、パクリと口の中に入れた! 食べた?!
パニックになりながらあみぐるみを取り出し、デイヴィッドに異常がないか調べたが、幸いにも問題は見当たらなかった。
「まさか食べられてしまうとは」
『自分そっくりなだけにビックリしたよ』
「私もよ。赤ちゃんは不思議ね」
ルーシーと反省会をしながら、対策を考えたけれど赤ちゃんが何でも口にしてしまうのを失念していた私のミスだ。前世のような安全対策があるのか、また一から調べ直しだなーと俯いていたら、いつも頼りになるルーシーからこんな提案があった。
『魔法を使えば解決するかも知れないよ』
ルーシーが得意とする光の魔法でデイヴィッドの極薄い結界を張れば、効力がある間は悪しきものから守ってくれるそうだ。例えば間違って腐った食べものを食べたりしても、そのまま浄化されてしまうらしい。何そのチート!
「よろしくお願いします」
もちろん速攻で頭を下げた。
『でも条件があるよ』
「条件?」
『まだ早いと考えていたけれど、ガビーが魔法を勉強すること』
今回は自分がやるけど、次からはよろしくね! と、前足でポンポンされた。
魔法かー。正直に言えば、学ぶのが怖い。調子に乗りやすい私の性格からして、悪役コース一直線な気がするんだよね。でも背に腹は代えられないか! それにルーシーが意味もなくそんなことを言わないのもわかっている。きっと必要なことなのだろう。
なら答えは一つしかない。
「わかった。がんばる」
その答えに満足したのか、ふわりと浮かんだルーシーが、いつぞや見たように光に包まれ、数秒後にピカっとデイヴィッドが輝いた。
『はい完了』
「えっ?」
魔法陣とか詠唱とか、魔法魔法した何かが起こるのかと思ったら、随分とあっけなく終了してしまった。なんという不完全燃焼感!
『普通の人ならもっと時間がかかるんだけど、ガビーも練習すればこのくらい出来るようになるよ! 頑張ってね』
単なる思いつきでの弟へのプレゼントは、こうして未知なる魔法を勉強することに化けたのだった。興味はあるし、やるからには前向きに努力したい。
この話をいつものメンバーにしたところ、赤ちゃん向けは要改良だが幼児や子供、貴族の令嬢には販売しても大丈夫だろうとの結論に達し、マヤブランドの新商品として大々的に発表され、またもや大ヒットとなったのだった。
羊毛フェルトで作った庶民的な人形も人気となり、あみぐるみやフェルト加工が貴族の嗜みの一つに数えられるようになっていくのだけど、それはもう少し先のお話。
そうそう、これも少し後のことだ。
ちょっとした話題のつもりでルーシーに結界の持続時間を聞いてみたら、丸一年くらいかなと返答されて目玉が飛び出るかと思った。
さらにさらに、魔法の先生を買ってくれたふわもこルーシーが、実は両親も驚愕するほどの鬼教官で、さらなる衝撃を受けたのだった……。
またもや唐突に思いついてしまった。
デイヴィッドのおもちゃになるし、幼い頃から慣れ親しめば、大きくなってもルーシーと仲良く出来るはずだ。天才。
早速、いつも世話になっている商人を呼び、王都で人気のぬいぐるみを取り寄せた。
そうそう、商人の名前はコーディと言うのだそうだ。名前を訊ねたら、一瞬だけ目をパチクリした後に教えてくれた。以前に聞いていたら申し訳ない。しっかり名前を覚えたからね!
やはりと言うか、ぬいぐるみの見た目は完璧で、前世の世界で販売していてもおかしくないものだった。問題は生地や重量だ。
ごわごわした厚めの布でデザインされたぬいぐるみは、重心を維持するためか中身もふわふわの綿ではなく、木を利用していた。要は、人形の外側を布で覆ったものが、この世界でのぬいぐるみだ。
種類は豊富でオブジェとしては文句のつけようもないけれど、赤ちゃんのおもちゃには適さない。万が一、大切なデイヴィッドが怪我でもしたら大変なのだ。
まずは、毛皮と綿でルーシーのふわもこを再現しようとしてみた。今や、一大下着メーカーとして一世を風靡しているマヤにも協力してもらい完成した新しいぬいぐるみは、全員一致で商品化を決定したほどの出来映えとなった。
ただし毛皮が思いのほか重く、小さく加工するのも難しかった上に、微かに獣臭がするため、デイヴィッドへの贈り物としては見送られてしまった。
アメリアも巻き込んで、あーでもないこーでもないと喧々囂々の開発会議を経ても良い案は浮かばず、気分転換にルーシーと池を散歩をしてみた。魚が食べたい。
日課のお魚観察を終えた私は、その足で弟の部屋へと向かった。デイヴィッドに会う時は、いつもそわそわしてしまう。髪を手櫛で直し、笑顔の練習をしてからノックをしてから部屋に入る。
毎日少しずつ成長している私の天使は、お昼寝の時間だったようで、ベッドの中で微睡んでいた。手摺りの上から覗き込んむと、ふひゅーと寝息をたてていた。
少し離れた場所には、乳母のエミリーが椅子に座って編み物をしながら待っていた。赤ちゃんの食事は大変だものね。でもデイヴィッドならげっぷまで可愛いから役得かも知れない。代われるものなら……。
そこでハッと気が付いた。
あみぐるみならどうかしら?
と。
ありがたいことに、この世界の技術力は応用力がまるで足りない以外は前世と同じくらいある。雰囲気が壊れるからか、アクリルやモールヤーンはなかったけれど、ウールもコットンも毛糸がある! 赤ちゃん用だからそこまで大きくなくて良いし完璧!
そうと決まれば、さっそく準備開始だ!
まずは素材を探しからと調べてもらったら、どうして誰も疑問に思わないのか不思議なほど、様々なものが見つかった。
中でも一番嬉しかったのは、手芸綿と羊毛フェルトだ。これでふっわふわもっこもこはもらったも同然! 出来る姉として、弟から尊敬してしまうだろうなー、まいっちゃうなーとにやにやしてしまった。
計画から約一月ほどで最初の完成品がお目見えした。
いつもの四人が集まり静まり返った部屋の中で、代表して手触りを確かめる。右手にあみぐるみ、左手にルーシー。さすがに本家本元の毛並みには勝てないけれど、充分な触り心地だ! しかも! 肝心の重量は、空を飛んでいるルーシーよりもかなり軽い!
思わずニヤッと悪い笑みを浮かべ、アメリア達によくやってくれたと労えば、三人ともニヤリと笑い返す。悪代官も真っ青だ。
「この子の名前はあみぐるーしーにします」
反対意見も出なかったので、決定だ!
すぐさまあみぐるーしーを手に持ち、ドキドキしながらデイヴィッドの部屋を訪ねた。ベッドで横になっていたが起きていたので、そっとあみぐるみを手渡した。お腹の上に置いても安心な軽さなのだ。
「お姉様からの贈り物ですよー」
緩む頬を心の中で叱咤し、姉としてキリリとした顔を維持する。はたして気に入ってくれるだろうか? そんな心配などどこ吹く風な我が弟は、じーっとあみぐるーしーの顔を見つめた後に、パクリと口の中に入れた! 食べた?!
パニックになりながらあみぐるみを取り出し、デイヴィッドに異常がないか調べたが、幸いにも問題は見当たらなかった。
「まさか食べられてしまうとは」
『自分そっくりなだけにビックリしたよ』
「私もよ。赤ちゃんは不思議ね」
ルーシーと反省会をしながら、対策を考えたけれど赤ちゃんが何でも口にしてしまうのを失念していた私のミスだ。前世のような安全対策があるのか、また一から調べ直しだなーと俯いていたら、いつも頼りになるルーシーからこんな提案があった。
『魔法を使えば解決するかも知れないよ』
ルーシーが得意とする光の魔法でデイヴィッドの極薄い結界を張れば、効力がある間は悪しきものから守ってくれるそうだ。例えば間違って腐った食べものを食べたりしても、そのまま浄化されてしまうらしい。何そのチート!
「よろしくお願いします」
もちろん速攻で頭を下げた。
『でも条件があるよ』
「条件?」
『まだ早いと考えていたけれど、ガビーが魔法を勉強すること』
今回は自分がやるけど、次からはよろしくね! と、前足でポンポンされた。
魔法かー。正直に言えば、学ぶのが怖い。調子に乗りやすい私の性格からして、悪役コース一直線な気がするんだよね。でも背に腹は代えられないか! それにルーシーが意味もなくそんなことを言わないのもわかっている。きっと必要なことなのだろう。
なら答えは一つしかない。
「わかった。がんばる」
その答えに満足したのか、ふわりと浮かんだルーシーが、いつぞや見たように光に包まれ、数秒後にピカっとデイヴィッドが輝いた。
『はい完了』
「えっ?」
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単なる思いつきでの弟へのプレゼントは、こうして未知なる魔法を勉強することに化けたのだった。興味はあるし、やるからには前向きに努力したい。
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羊毛フェルトで作った庶民的な人形も人気となり、あみぐるみやフェルト加工が貴族の嗜みの一つに数えられるようになっていくのだけど、それはもう少し先のお話。
そうそう、これも少し後のことだ。
ちょっとした話題のつもりでルーシーに結界の持続時間を聞いてみたら、丸一年くらいかなと返答されて目玉が飛び出るかと思った。
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