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第二部
ユミさんの目的 *アリア視点
「ユミさん……どうして……?」
ユミさんが妹をここに。
でも、何のために? それにこんなことをして問題になったら……。
「あなたたちがどんな思いを、どんな決意を持って決めたのかは私は知らないわ。それでも一つだけ、私が言いたいことがあるの」
「……何ですか?」
「ちゃんとお互い話し合って蟠りもなくなったのでしょう? ならあとは仲直りして、姉妹仲良くあるべきだわ。そうは思わない?」
「そ、そんな単純なことではないのですが……」
「そう? それでもよ。もしかしたら本当は簡単な話でした、なんて物語ではよくあるってミシェルが言っていたわ。あまり深く考えないであなたたちも思った通りのことをしなさいな。そのほうが楽よ」
「そ、そうかもしれませんけど」
「私は私がしたいことをしただけよ。私は家族は一緒にいるべきだと思った。死んで終わり、もう二度と会わないからそれでおしまい、なんて気に入らないわ。だからティアにお願いして妹さんを連れてきてもらったの。あとはあなたたち次第ね」
そう言われて思い出した。
ユミさんは誰よりも自由な人だということを。
まるで精霊のようだと、人の思いより自分のしたいことを優先する。
そんな人だったわ。
「……私は正直生きていられるのは嬉しい。でも、こんなことされたって嬉しくはない。ちゃんと罰を受ける覚悟をしたのに無駄になっちゃったじゃない」
「確かにそうかもしれないけれど、それならそれで受け入れればいいじゃない。ここにはあなたを罰する人なんていないのだから。あとは好きなように生きればいいでしょ?」
「……国が黙ってないわ。あんな裁判の真っ最中に私を連れ出して……。国を傾けた罪人を拉致したのよ? きっと何かしてくるに違いないわ」
「それなら大丈夫よ。あそこからここまで来るのは相当時間がかかるし、来たとしてもおそらく大したことはできないと思うわ。あと、ティアがちゃんと怖がらせてきたって言っていたから、何もしてこないはずよ」
ティア様が?
もしかして脅してきたのかしら。
精霊王だし、あの国からしたら反抗する力もないわね。
「もういいかしら。あとはお二人でどうぞ」
そう言ってユミさんは踵を返して家に歩いて行った。
相変わらず彼女の側にはたくさんの動物たちが寄り添っている。
その光景を見てカナリアは唖然としていた。
家の前ではミシェルさんやシュウたちが談笑しながら私たちを見守っていた。
シュウは私の視線に気づき親指を立てた。
「…………どうかしているわ。勝手にもほどがある。私の意思は丸っきり無視じゃない」
「……そうね。ユミさんだもの。仕方ないわ」
「感動的な別れ方をしたのに台無し。私の一世一代の覚悟も無駄になっちゃった。私の努力を返してほしいわ」
「そう言われてもどうしようもないわね。……ねぇ、カナリア」
「なによ」
せっかくカナリアと再会できたのだから、諦めていた想いをしっかりと伝えることにした。
繋ぎ合わせてくれたユミさんに感謝を込めて。
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