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新人には厳しい世の中です
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「君、これを頼むよ。理解できてるよね」
「まだ終わってないのかい? これくらい余裕だろうに」
「ここを片付けておいてくれ。それくらいならすぐできるだろう」
就任早々、挨拶もままならない内に次から次へとお声がかかる。
魔導士として配属された先は雑務といっていい場である。そして何故か男ばかり。
本来は見習いという立場からスタートなんだろうけど私は新人にして現役の扱い。
能力が高いと優遇されたせいか初っ端から白い目で見られていた。
とにかくエリートというプライドの高い先輩たちが上から目線で仕事を振ってくる。
それを何くそと右往左往しながら熟してやってる真っ最中。
えっと私まほスクのヒロインという存在だったはずなんですよね?
なのに何でこんなに冷たい扱いで厳しいのですかね?
優秀な成績を修めて期待された新人でなおかつか弱い女の子ですよ?
……これもチート級の能力でスカウトされ、しかも平民だから弊害が出てるせいなのか何なのか。
ゲームは終了してるけど攻略能力を生かしきれずきた結果がこれかよ。
「随分と余裕がありそうだな。それも任せたぞ」
結構なイケメン魔導士軍団なのに信じられないくらい風当たりが強い。
ようやく熟したと思えば次から次へと。
攻略対象者に好感度を上げられなかった女の子には全く魅力がないってことかい!
机の上には書類と魔法石の山がこんもり。チックショー!
書類を仕分けして各部署に届けようと部屋を出た。
各場所を訪ねれば見習いで入った同期の貴族令嬢がオロオロしながら書類を受け取る。
どうしていいのか分からないといった感じでいるとすかさず先輩らしきフォローが入り、アットホーム。
男だろうが女だろうが優しく温かく指導しているようで和やかな空気。
何なんだよ、この違いっ! 同じ新人なのに見習いでないとこうも変わるんかーい。
移動の度に自分との差を見せつけられ憤慨するはめになる。
憤りを感じながらズカズカと歩いていると視線の先に人影が目に入る。
ちょうど禁書扱いの書物が置いてある書庫の前あたりで背を向けるよう立ち止まっている男の人のようだった。
通り過ぎざまに一応、会釈をするも私には気づいてない様子だったけど。
まあいいかと通過して次を急いだ。
「おい、どこに行ってた?」
戻った早々にお小言を喰らった私は魔法石に魔力を籠めていた。
ご立腹してるから作業はスムーズに進んでいるのはいうまでもない。
どうやら山積みされた魔法石を放置と勘違いされてたらしく、声をかけて出たのに気づかんとか腹ただしい。
少なくとも先輩たちよりも数こなしてますが?
学園で全く嫌がらせを受けなかった分、ここで受けることになってるんですかね?
実に不愉快でもうゲームは終わってるのに何に耐える必要があるのかと思わずにいられない。
まあ、学園で嫌がらせを受けないし、イベントが起こらない、何故だ? という不安から精神力は鍛えたけどさ。
この世界でもパワハラまがいなことがあるとは思わなんだ。
どこの世でも職場は入ってみないと分からないとは何だかなあ。
「まだ終わってないのかい? これくらい余裕だろうに」
「ここを片付けておいてくれ。それくらいならすぐできるだろう」
就任早々、挨拶もままならない内に次から次へとお声がかかる。
魔導士として配属された先は雑務といっていい場である。そして何故か男ばかり。
本来は見習いという立場からスタートなんだろうけど私は新人にして現役の扱い。
能力が高いと優遇されたせいか初っ端から白い目で見られていた。
とにかくエリートというプライドの高い先輩たちが上から目線で仕事を振ってくる。
それを何くそと右往左往しながら熟してやってる真っ最中。
えっと私まほスクのヒロインという存在だったはずなんですよね?
なのに何でこんなに冷たい扱いで厳しいのですかね?
優秀な成績を修めて期待された新人でなおかつか弱い女の子ですよ?
……これもチート級の能力でスカウトされ、しかも平民だから弊害が出てるせいなのか何なのか。
ゲームは終了してるけど攻略能力を生かしきれずきた結果がこれかよ。
「随分と余裕がありそうだな。それも任せたぞ」
結構なイケメン魔導士軍団なのに信じられないくらい風当たりが強い。
ようやく熟したと思えば次から次へと。
攻略対象者に好感度を上げられなかった女の子には全く魅力がないってことかい!
机の上には書類と魔法石の山がこんもり。チックショー!
書類を仕分けして各部署に届けようと部屋を出た。
各場所を訪ねれば見習いで入った同期の貴族令嬢がオロオロしながら書類を受け取る。
どうしていいのか分からないといった感じでいるとすかさず先輩らしきフォローが入り、アットホーム。
男だろうが女だろうが優しく温かく指導しているようで和やかな空気。
何なんだよ、この違いっ! 同じ新人なのに見習いでないとこうも変わるんかーい。
移動の度に自分との差を見せつけられ憤慨するはめになる。
憤りを感じながらズカズカと歩いていると視線の先に人影が目に入る。
ちょうど禁書扱いの書物が置いてある書庫の前あたりで背を向けるよう立ち止まっている男の人のようだった。
通り過ぎざまに一応、会釈をするも私には気づいてない様子だったけど。
まあいいかと通過して次を急いだ。
「おい、どこに行ってた?」
戻った早々にお小言を喰らった私は魔法石に魔力を籠めていた。
ご立腹してるから作業はスムーズに進んでいるのはいうまでもない。
どうやら山積みされた魔法石を放置と勘違いされてたらしく、声をかけて出たのに気づかんとか腹ただしい。
少なくとも先輩たちよりも数こなしてますが?
学園で全く嫌がらせを受けなかった分、ここで受けることになってるんですかね?
実に不愉快でもうゲームは終わってるのに何に耐える必要があるのかと思わずにいられない。
まあ、学園で嫌がらせを受けないし、イベントが起こらない、何故だ? という不安から精神力は鍛えたけどさ。
この世界でもパワハラまがいなことがあるとは思わなんだ。
どこの世でも職場は入ってみないと分からないとは何だかなあ。
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