私は死んだ。

惰眠

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落とした希望

一寸先も闇

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 私は、罵声を浴びせられた。
 私が今まで聞き飽きるほど浴びせられた多くの苦痛で殴られた。

「お前の顔を見るとイライラするんだよ。」

「ねぇ、あの人の顔不気味。私嫌い。」

「そんなんだからいつまでたっても成績が伸びないんだよ。」

「バカにつける薬はねぇんだよ。」

「そんな目で見んなよ。きもいんだよ。」

「また、失敗したんですか。学ばない人ですね。」

「君のせいでみんなが苦労してるんですよ。考えてください。」

 多くの罵声を浴びせられる。

 私は、この謎の暗がりの中で、どこからともなく飛び交う罵声で頭を殴られた。

 足元が揺らぐ。

 私は立っているのか、座っているのか、又は寝ているのか。
 何もつかめない暗闇の中にいた。

 私は、罵声で殴られつつ先のない希望をめがけて歩いてみた。

 この道は本当に歩ける場所なのかは、昔も変わらず希望のない暗闇を歩く。
 聞きたくもない声を無視するように突き進む。

 何分歩いたかわからない暗闇の中で、私は躓いた。

 私だった。
 私がそこに転がっていた。

 まるでそこらに転がっていることが当たり前の石のようなそれは、顔面蒼白で、いつものようにスーツを着ていた。置物のように上手くできた幻覚だ。

 私は、いつも過去の私に足を引っ張られていたのかもしれない。
 私はまだ歩く。

 もしかしたら、同じ道のループを繰り返しているのかもしれないし、もと来た道を戻ってしまっているかもしれない。
 しかし、先の見えない暗闇は、私に何も教えてくれない。

 私は、何かに足を掴まれ躓く。
 私が片膝をつき立ち上がるが、まだそれは離してくれない。

 骸だ。
 所々まだ肉が溶け切っていない。

 私がそれを見つめると糸の切れた人形のようにバラバラになり、溶けるように消えた。

 恐らくあれも私だろう。

 暗闇を歩くたびに、よく私に出会った。
 毎日のように死にたかった私の姿がそこにあった。

 首を吊った私。
 燃える苦しみに悶える私。
 首を切って浅い呼吸をする私。

 空から落ち続ける私の姿もあった。

 まるで私の闇をそのまま映し出したようなその空間で、ついに光を見た。

 豆粒のような小さな光は、手を伸ばせば届きそうだが届かないところにある。そのような感じだ。
 試しに、手を伸ばし、その光を手に入れようとしたら、手の陰に隠れて消えてしまった。

 私はまた、希望を失ってしまったのだ。

 そしてまた歩き続けた。

 無限と言ってもいいほどの暗闇を、砂浜で砂粒ほどの宝石を探すかのような無謀な挑戦を続けた。
 着替えたはずの服は、いつの間にか着たくもないスーツに代わっていた。
 闇のように黒いスーツだ。

 私は、やっとのことで一つの扉にたどり着いた。

 扉を開ける。

 こことは変わらない暗闇が存在するのみだったが、変化を欲して、その戸をくぐる。

 そこにあったのは、私の自室だった。
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