いじめられっ子の僕が可愛い人外娘と行く冒険旅〜但し人外娘へと変える方法が独特で〜

揚惇命

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プロローグ

死のうと考えた日に

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 僕の名前は、肝田河豚男キモダフグオと言います。去年まで女子校として名が知られていた才媛さいえん高校の新入生です。僕のクラスは、30人のうち女子29人。男子は、僕だけです。オタクのような見た目だから弄られています。今日も女子の上位カーストに目を付けられているところです。
「なぁキモオ、金持ってこいつったよな」
 僕を高圧的に脅す金髪のロングヘアで、胸元をちょっとはだけている女性は、天谷麻弥アマタニマヤ
「天谷さん、もうやめてよ」
「はっ。何、キモオ。アタシに意見してんの。言ったじゃん。これはアンタが私にしたセクハラの慰謝料。反省してんの?」
「セクハラなんてしてない」
「うわぁ。まじ引くわ」
 ギャルの見た目で派手なこの娘は、天谷麻弥の取り巻きで、今宮春香イマミヤハルカ
「いっつも胸チラチラ見てんのに、バレてないとでも思ってんの?」
「見てない」
「じゃあ、これは何。大きくしてんじゃねぇよ」
 僕の男の大事な部分を蹴り上げる天谷さん。
「うっ」
「お前の見た目じゃ。誰にも使ってもらえねぇよ。いっそのこと。潰してやろうか?」
「やっやめてください」
「じゃあ、わかってんだろうな」
「はい、明日持ってきますから」
「わかりゃ良いんだよ」
 天谷さんと今宮さんが去っていく。こんなのは日常茶飯事だ。でも耐えれてるのには理由がある。こんな僕を気にしてくれる女の子がいるんだ。ホラ今も。
「大丈夫フグオ君」
 この心の中で僕が天使と呼んでる女の子の名前は、裏川菜奈ウラカワナナさん。
「裏川さん、僕なんかと関わると虐められるよ」
「ホント酷いよね。天谷さんも今宮さんも」
「大丈夫だよ。慣れてるから」
「こんなことに慣れちゃダメだよ。辛い時は、辛いって吐き出さないと」
「うっうぅ」
「ホラ、おいで」
 こんな僕を抱き寄せて、慰めてくれる。まさに天使と呼ぶにふさわしい女の子。この時は、本気でそう思っていた。それからも幾度となく天谷さんに虐められては、裏川さんに慰めてもらう。そんなことを繰り返していたある日。
「ホント、菜奈もあんなのとよく付き合うよね」
「麻弥と春香が強めに虐めるから。搾り取ろうって考えてんならさ。もっと効率よくやんないと。飛び降りでもされたら後味悪いじゃん」
「でも~。私にはムリ。あんなの抱きしめるとか」
「でも飛び降りとかされるよりマシじゃん。まぁ鼻水とか平気で服につけてくるからマジ何回殺してやろうかと思ったかわかんないけど」
「うわぁ。キモオ、マジないわ。優しさに甘えて、鼻水なすくりつけるとか」
「私には、麻弥の方が理解できないっていうか。他の奴も巻き込んで、虐めちゃえば良いのにっておもうってゆーか」
「それこそ、自殺しかねねぇだろ」
「成程、麻弥も少しは考えてるってことね」
「当たり前だろ。せっかく、金づるが手に入ったのに手放すわけねぇじゃん」
「それならもうちょい飴と鞭の使い方覚えた方が良いわよ。長く搾取するためにね」
 僕は、この会話を聞いたその日泣きながら帰った。天使だと思っていた裏川さんも僕を虐める2人と同類だった。僕は、現実から逃避して、VRMMORPG、デモンズフロンティアの世界に逃げる。デモンズフロンティアとは、魔物が蔓延る世界で、土地を開拓しながら魔物や魔族、その果てにいる魔王を倒し、素材を手に入れ、生活を豊かにしていくという斬新なゲームだ。僕は、この世界で最速で魔王を討伐し、最強の勇者をしている。そして、パーティを組んでいる魔法使いのマーヤと僧侶のハルは、天谷麻弥と今宮春香のこの世界での姿だ。魔王を最速で討伐したその日に、何でもやるからパーティを組んで欲しいと頼まれ、組んだ。当然、中身が僕だと気付かれていない。こっちの世界の僕は、誰もが羨む容姿を持っているからだ。その分、あっちは小さくしている。デカいことにコンプレックスを持ってたからキャラメイクの時に小さくしたのだ。ムカついてもこっちの世界でやり返せる。それがある種、僕の精神を保っていたのかもしれない。そんなゲームが突然サービス終了になった。運営会社が資金難により倒産したのだ。それが、今日だった。入ろうとしてもログインできない。それで見たら誠に勝手ながらこのゲームはサービスを終了する運びとなりました。申し訳ございません。の文章が浮かんでいた。この日、僕は死ぬ決心をした。天使だと思っていた女の子は実は悪魔で、いじめっ子に復讐していたゲームもサービス終了。家を飛び出し、高いビルを目指して、商業施設にやってきたところ路地のところで怪しげな店を見つける。気になった僕は、入ってみることにした。
「何だ。この店?」
「ヒッヒッヒ。どんな願いでも叶えられる魔法のお店にようこそ。ヒッヒッヒ。何か入り用かい?」
「うわぁ」
 突然真っ黒なフード付きのマントで全身を覆ったいかにも魔女って感じの老婆が現れたら誰だって驚くだろう。落ち着いてきたので聞いてみた。
「何でも願いが叶うんですか?」
「ヒッヒッヒ。どんな願いなんだい?」
 僕は、デモンズフロンティアを復活させたいと思い。老婆に話した。
「サービス終了したゲームを復活させたいんです」
「ヒッヒッヒ。コイツをあげよう」
 老婆から渡されたのは、リストバンドだった。
「リストバンド?」
「ヒッヒッヒ。そいつは何でも一つだけ願いの叶うリストバンド。お試し価格で10000円じゃ」
「1万円!そんなお金なんて」
 ポケットに突っ込むとあった。明日、天谷さんたちに渡す予定だったお金だ。それを取り出す。
「ヒッヒッヒ。ちょうど一万円だねぇ。毎度あり」
「使い方とかは?ってえっ店は?」
 まるで神隠しにあったかのように綺麗さっぱり店は無くなっていた。僕は、半信半疑でそのリストバンドを身につけ、願った。
『デモンズフロンティアが復活しますように』
「その願い聞き届けたり」
 不思議な声が聞こえた後、僕が目を覚ましたそこは、僕の大好きなVRMMORPGデモンズフロンティアの世界だった。
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