いじめられっ子の僕が可愛い人外娘と行く冒険旅〜但し人外娘へと変える方法が独特で〜

揚惇命

文字の大きさ
157 / 210
1部 デモンズフロンティアの世界に慣れよう

共存の願い

しおりを挟む
 さっきまで元気そうだった赤ちゃんが急に元気を無くしたので、急いでセキタ採掘場を出る。
「おぅあんちゃんたち、無事だったか?おい、その赤ん坊はなんだ?」
「マモリムカデはこの赤ちゃんを守っていたみたいだ。奥に来て、うるさくされるのを嫌って、目の前に現したそうだ」
「あんちゃん、マモリムカデと言葉を交わしたのかい?」
「いや、声帯が無いらしくて話せなかったがセキタンツムリが文字を書いて、教えてくれた」
「さりげにとんでも無いことを言ってるような気がするが。とにかくあんちゃんの職業は魔物使いか何かか?それともマモリムカデを調伏してるってことは、陰陽師かい?」
「一言で説明するのは難しいが魔物使いだ」
「やっぱりな。まぁ、誰も怪我がなかったから深くは聞かねぇよ。もう採掘を再開しても構わねぇのかい?」
「センティ、どうだ?」
「そうですわね。アタクシ、カーンカーンって打ち付ける採掘の音が好きなんですの。ですがセキタンツムリたちが整えるまでお待ちいただきたいですわね」
「ということらしい」
「あんちゃん、なんでその綺麗な姉ちゃんに聞いてんだ?」
「このセンティがマモリムカデだからさ」
「あんちゃん、何言ってんだ?魔物使いってのは、魔物を飼い慣らせるだけで人にはできねぇぞ。いやそない綺麗な人を魔物呼ばわりするんかい?」
「旦那様の仰る通りです。先程は驚かせてしまい失礼しましたわ。この姿なら信じてもらえるでしょうか?」
 センティがマモリムカデの姿となる。
「うおっ。なんでここに魔物が。いや、あない綺麗な人が魔物に!?」
「これが僕の少し変わった魔物使いとしての力でして」
「もうわかったわかった。今日のところは採掘せずにこのまま上がらせてもらうってことで皆んなにも帰ってもらうことにするぜ」
「お気遣い頂き感謝致しますの。明日には、入り口付近で、今日の2倍の採掘量が取れるように整えさせていただきますわ」
「助かるぜ。新しい島との往来で、石炭の消費量が2倍に増えちまったんでな。しっかし、あれだ。魔物を人に変えちまうことができる奴が居るなんてな。ん?そんな奴が指名手配されていたような?まさか、お前さんなんわけないか。確か次期魔王を目指しているとかいうとても危険なやつだったと書いてあった。俺たち、民間人を助けてくれた奴を疑っちまってすまねぇな」
「いや、ほんと。全く、なんなんでしょうね。僕も行く先々でよく間違えられるんですが。アハハ」
「だろうな。あんまりそういうのを人前で見せるべきじゃねぇよ。事情をしらねぇ奴が見たら1発でアウトだからよ」
「以後、気を付けます」
「おぅ。じゃあなあんちゃん。ほんと色々あんがとよ。おかげで助かっちまったぜ」
「いえ、こちらこそ。これから、キチヨさんでしたか?報告に伺うところです」
「おぅおぅ。ギルドマスターも喜ぶだろうぜ」
「???」
「あんちゃん、その反応はまさか知らなかったのかい?そうか、だったらよく覚えておくといい。キシャンテの街を一手に取り仕切る凄腕の女性町長キチヨ様のもう一つの顔は、汽車ギルドのマスターだってな」
 なんだって!?マジか。このおっちゃんにすら俺が手配書の人間だってバレそうになるぐらい、僕の変装は完璧ではない。ひょっとしたらボロを出したかも。やばいやばい、バレたら捕まってお縄だよな。どうしたら良いんだよーーーーーー!
「あんちゃん、固まっちまってどうした?」
「いえ、なんでもないっす。では失礼するっす」
「おいおい。どうしちまったんだよ。すっかり怯えちまって、そんな身構えるこたぁねぇよ。キチヨ様は常識人だ。寧ろ、あんちゃんのこと。いや、これは言っちゃいけねぇんだった。危ない危ない。まぁ、報告に早く行くと良い」
「はいっす」
 フグオを見送る男性が一言呟く。
「あんな良い人そうなあんちゃんの何処に指名手配されるようなことがあんのかと思ったが、魔物を人に変える力か。ギルド総本山は、そこを新たな魔王に取って代わると懸念したってことだろうな。しかし、キチヨ様にはいつも驚かされる。いち早く、あんちゃんの本当の姿に気付いて、俺たち汽車ギルドのメンバーに通達したんだからよ。見極めるため手出し無用ってな。まぁ、審査は合格だよあんちゃん。ひとまずは安心だ。それにしてもあのマモリムカデって魔物のねぇちゃん。上品なお嬢様って感じで綺麗で色っぽかったなぁ。いかんいかん、俺の名前ハヤテのようにあっちも早いってか。ガッハッハ。いやぁ、ほんと、色っぽいねぇちゃんだったぜ」
 キシャンテの街を一手に取り仕切る女町長であるキチヨは、ドリームトレインという会社の女社長を務めると同時にキシャンテの街にある汽車ギルドのマスターという三足の草鞋を履いている。そんなやり手の敏腕社長にフグオはこれから報告に行くのである。それも新たに人材娘にしたマモリムカデのセンティとセキタンツムリのコロネの要望を伝えるために、共存の願いを。はてさてどうなることやら。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった

仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。 玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。 「きゅう、痩せたか?それに元気もない」 ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。 だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。 「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」 この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。

魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。 音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、 幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。 魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。 そして再び出会う幼馴染。 彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。 もういい。 密かにやってた支援も打ち切る。 俺以外にも魔道具職人はいるさ。 落ちぶれて行く追放したパーティ。 俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

処理中です...