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3章 群雄割拠
蘆江攻略作戦リベンジ(起)
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寿春を出たところで、長い黒髪で、薙刀を持ち、背中に弓を背負った女性が馬に跨り、俺の元に駆けてくると馬から降り、臣下の礼を取る。
???「劉備様の弟である劉丁様とお見受けいたします。私の名は、呂姫。呂奉先の娘です。どうか、私もこの軍にお加えください。父や世間から酷いことを言われている父を快く迎え入れてくださいました劉備様のお役に立ちたいのです」
呂布「馬鹿を言うな!本来女は、戦場に出る必要はないのだ」
呂姫「父上、趙雲様の奥方である樊玉鳳様や父上の妻である魏寧様は、女の身でありながら戦場に立っておられます。私も力になりたいのです」
呂布「しかし、娘が戦場にいては、お守りが必要となろう」
義賢「呂布殿、ここまで来るのも大変だったでしょう。それに決意と覚悟をへし折る行為は、駄目ですよ。呂姫殿でしたね?前線に立つのではなく、あくまで、俺の側で待機していると約束できるのでしたら供を許可しましょう」
パァと明るい顔を向けるまだあどけなさの残る少女の姿をした女性は、長い黒髪を後ろでキュッと結ぷ。
呂姫「宜しくお願い致します」
呂布「義賢、我が娘ながら御迷惑をおかけして申し訳ない」
義賢「良いのです。それに、私は女であろうと戦場に出たいものがいるのなら出たら良いと考えています。まぁ、捕虜に取られるという危険もありますがそれでも愛する人や家族を守りたいと戦場に立つのならそれも一つの生き方でしょう」
呂布「本当に変わった御方だな。娘のことを宜しく頼む」
義賢「えぇ」
呂姫との挨拶もそこそこに行軍を開始したところで、呼び止める声が聞こえる。
???「お待ちくだされ」
義賢「紀霊殿!」
紀霊「やっと止まってくだった。蘆江攻めと言っておられましたな?」
義賢「はい」
紀霊「蘆江を治めるのは、劉勲というもので、袁術様を崇拝していた男です。蘆江にて、孫堅軍と殿の衝突を狙うということは、殿のことを相当恨んでいる様子。恐らく真実を知らないのだろうと。説得したいのです。どうか供をさせてくだされ」
義賢「願ってもないことです。袁術の懐刀で猛将と知られている紀霊殿の追従は、頼もしいことです」
紀霊「この三尖刀にて、うち払いましょうぞ」
2、3人で良いところを8人もの将が増えたので、戦略の幅も広がりそうだ。化け物孫策め。この前のようにはいかないぞ。
蘆江に付くと孫策軍は布陣を完了させていた。
孫策「やはり劉備もこの蘆江を狙ってやがったか。まずは奴らを退けて、その後蘆江を取るぞ」
周瑜「伯符、蘆江を守る劉勲と違い劉備軍は精強だ。油断するなよ」
孫策「公瑾、そんな心配すんな。先ずは、小手調べってな。ちょっくら劉備に挨拶してくるぜ」
周瑜「伯符。そうやってお前は、っておい」
呂範「聞くような御方と思っておられるのか」
周瑜「全く、まぁ、小手調べってことは無理はしないだろう。凌操と鄧当に供を任せよう」
呂範「というか一緒に行っちゃいましたが」
周瑜「アイツら、余程敵に飢えてたな。まぁ、揚州南では、物足りなかったであろうがな」
鄧当とは、呂蒙の姉と婚姻している呂蒙の義理の兄。孫策に見出され、側近を任されるほどの男。
凌操とは、凌統の父で、孫策に見出され古くから付き従う猛将。
さらにこの軍には、前回よりも明らかに兵と将が増えていた。武芸のみを磨き阿蒙と恐れられている猛将呂蒙。凌操の息子である凌統。孫堅に仕える徐真と孫堅の妹である孫香との子であり孫策の従兄弟に当たる徐琨。孫堅の従兄弟である孫賁・孫輔国儀の兄弟。朱治の養子である朱然義封・朱治の子である朱才君業。義賢は、油断を捨て去ったはずだったが2、3人の将だけしか連れてこなかったのなら今回は前回よりも悲惨な結末を迎えていたであろう。
孫策の側をピッタリと張り付く2人の将、凌操と鄧当と共に劉備軍へ突撃する。
孫策「さぁ、お手並み拝見と行こうか」
凌操「孫策様、無理はなさいませぬように」
鄧当「我らもありますゆえな」
孫策「うむ」
孫策の突撃に対し、太史慈・臧覇・孫観が迎え撃つ。それぞれが向かい合う相手と一言交わす。
孫策「へぇ、迎え撃つってか。やるじゃねぇか」
太史慈「突撃が挨拶とは随分な挨拶ですな」
凌操「賊風情に止められはしませんぞ」
臧覇「俺を賊と侮るか。雨白い。相手をしてやる」
鄧当「鈍ってんだ。相手してくれや」
孫観「我らを賊というがどっちが野蛮であろうな」
孫策の突撃を受け止め、打ち合う太史慈。
孫策「へぇ、やるじゃねぇか」
太史慈「そちらもな」
孫策「おもしれぇ。おもしれぇぜ。お前」
孫策の流れるような連撃に対し打ち合う太史慈。
太史慈「成程、相当な力を持っているようだな」
孫策「この俺の連続攻撃でかすりもしない奴は初めてだぜ。この場は、挨拶だ。じゃあな」
太史慈「待て、逃げるのか」
孫策「そう急ぐなってんだよ。勝負は、明日だ」
孫策はそう言って、凌操と鄧当にも声をかけ、引いていく。
凌操「お前、賊ではないな?」
臧覇「今更かよ。俺は、元陶謙の配下で臧宣高だ」
凌操「その名、覚えておいてやる。俺の名は」
鄧当「見た目で判断するべきじゃねぇな」
孫観「ようやくわかったか」
鄧当「あぁ、お前は賊などではあるまい」
孫観「孫仲台だ」
鄧当「そうかい。俺の名は」
孫策「凌操・鄧当、引き上げだ」
凌操「はっ」
鄧当「まぁ、そういうことだ。主君命令なんでな。この場は預かるぜ。じゃあな」
先ずは、孫策によるファーストコンタクトをなんとか退けた義賢。張遼と甘寧は今日の夜襲のため早めに休ませていた。だが相手が増えたということは、相手も夜襲に対する備えもしてくるかもしれない。明らかに前と違う様相に額から冷や汗を流す義賢であった。
???「劉備様の弟である劉丁様とお見受けいたします。私の名は、呂姫。呂奉先の娘です。どうか、私もこの軍にお加えください。父や世間から酷いことを言われている父を快く迎え入れてくださいました劉備様のお役に立ちたいのです」
呂布「馬鹿を言うな!本来女は、戦場に出る必要はないのだ」
呂姫「父上、趙雲様の奥方である樊玉鳳様や父上の妻である魏寧様は、女の身でありながら戦場に立っておられます。私も力になりたいのです」
呂布「しかし、娘が戦場にいては、お守りが必要となろう」
義賢「呂布殿、ここまで来るのも大変だったでしょう。それに決意と覚悟をへし折る行為は、駄目ですよ。呂姫殿でしたね?前線に立つのではなく、あくまで、俺の側で待機していると約束できるのでしたら供を許可しましょう」
パァと明るい顔を向けるまだあどけなさの残る少女の姿をした女性は、長い黒髪を後ろでキュッと結ぷ。
呂姫「宜しくお願い致します」
呂布「義賢、我が娘ながら御迷惑をおかけして申し訳ない」
義賢「良いのです。それに、私は女であろうと戦場に出たいものがいるのなら出たら良いと考えています。まぁ、捕虜に取られるという危険もありますがそれでも愛する人や家族を守りたいと戦場に立つのならそれも一つの生き方でしょう」
呂布「本当に変わった御方だな。娘のことを宜しく頼む」
義賢「えぇ」
呂姫との挨拶もそこそこに行軍を開始したところで、呼び止める声が聞こえる。
???「お待ちくだされ」
義賢「紀霊殿!」
紀霊「やっと止まってくだった。蘆江攻めと言っておられましたな?」
義賢「はい」
紀霊「蘆江を治めるのは、劉勲というもので、袁術様を崇拝していた男です。蘆江にて、孫堅軍と殿の衝突を狙うということは、殿のことを相当恨んでいる様子。恐らく真実を知らないのだろうと。説得したいのです。どうか供をさせてくだされ」
義賢「願ってもないことです。袁術の懐刀で猛将と知られている紀霊殿の追従は、頼もしいことです」
紀霊「この三尖刀にて、うち払いましょうぞ」
2、3人で良いところを8人もの将が増えたので、戦略の幅も広がりそうだ。化け物孫策め。この前のようにはいかないぞ。
蘆江に付くと孫策軍は布陣を完了させていた。
孫策「やはり劉備もこの蘆江を狙ってやがったか。まずは奴らを退けて、その後蘆江を取るぞ」
周瑜「伯符、蘆江を守る劉勲と違い劉備軍は精強だ。油断するなよ」
孫策「公瑾、そんな心配すんな。先ずは、小手調べってな。ちょっくら劉備に挨拶してくるぜ」
周瑜「伯符。そうやってお前は、っておい」
呂範「聞くような御方と思っておられるのか」
周瑜「全く、まぁ、小手調べってことは無理はしないだろう。凌操と鄧当に供を任せよう」
呂範「というか一緒に行っちゃいましたが」
周瑜「アイツら、余程敵に飢えてたな。まぁ、揚州南では、物足りなかったであろうがな」
鄧当とは、呂蒙の姉と婚姻している呂蒙の義理の兄。孫策に見出され、側近を任されるほどの男。
凌操とは、凌統の父で、孫策に見出され古くから付き従う猛将。
さらにこの軍には、前回よりも明らかに兵と将が増えていた。武芸のみを磨き阿蒙と恐れられている猛将呂蒙。凌操の息子である凌統。孫堅に仕える徐真と孫堅の妹である孫香との子であり孫策の従兄弟に当たる徐琨。孫堅の従兄弟である孫賁・孫輔国儀の兄弟。朱治の養子である朱然義封・朱治の子である朱才君業。義賢は、油断を捨て去ったはずだったが2、3人の将だけしか連れてこなかったのなら今回は前回よりも悲惨な結末を迎えていたであろう。
孫策の側をピッタリと張り付く2人の将、凌操と鄧当と共に劉備軍へ突撃する。
孫策「さぁ、お手並み拝見と行こうか」
凌操「孫策様、無理はなさいませぬように」
鄧当「我らもありますゆえな」
孫策「うむ」
孫策の突撃に対し、太史慈・臧覇・孫観が迎え撃つ。それぞれが向かい合う相手と一言交わす。
孫策「へぇ、迎え撃つってか。やるじゃねぇか」
太史慈「突撃が挨拶とは随分な挨拶ですな」
凌操「賊風情に止められはしませんぞ」
臧覇「俺を賊と侮るか。雨白い。相手をしてやる」
鄧当「鈍ってんだ。相手してくれや」
孫観「我らを賊というがどっちが野蛮であろうな」
孫策の突撃を受け止め、打ち合う太史慈。
孫策「へぇ、やるじゃねぇか」
太史慈「そちらもな」
孫策「おもしれぇ。おもしれぇぜ。お前」
孫策の流れるような連撃に対し打ち合う太史慈。
太史慈「成程、相当な力を持っているようだな」
孫策「この俺の連続攻撃でかすりもしない奴は初めてだぜ。この場は、挨拶だ。じゃあな」
太史慈「待て、逃げるのか」
孫策「そう急ぐなってんだよ。勝負は、明日だ」
孫策はそう言って、凌操と鄧当にも声をかけ、引いていく。
凌操「お前、賊ではないな?」
臧覇「今更かよ。俺は、元陶謙の配下で臧宣高だ」
凌操「その名、覚えておいてやる。俺の名は」
鄧当「見た目で判断するべきじゃねぇな」
孫観「ようやくわかったか」
鄧当「あぁ、お前は賊などではあるまい」
孫観「孫仲台だ」
鄧当「そうかい。俺の名は」
孫策「凌操・鄧当、引き上げだ」
凌操「はっ」
鄧当「まぁ、そういうことだ。主君命令なんでな。この場は預かるぜ。じゃあな」
先ずは、孫策によるファーストコンタクトをなんとか退けた義賢。張遼と甘寧は今日の夜襲のため早めに休ませていた。だが相手が増えたということは、相手も夜襲に対する備えもしてくるかもしれない。明らかに前と違う様相に額から冷や汗を流す義賢であった。
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