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4章 三国鼎立
諸葛亮の婚姻
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荊州にて大規模な戦が始まる少し前のこと。臥竜崗にて、諸葛亮が黄承彦の娘である黄月英と身近な人たちを集めたささやかな宴を開いていた。そんな2人の出会いは、研究が大好きで結婚は二の次と研究に没頭する黄月英は、お見合いをボサボサの髪に汚れた服で行き断られ続けた。黄承彦も半ば諦めていた。そんな矢先、最後に1人だけどうしてもあって欲しいと頼み込んだのがきっかけだった。諸葛亮は生まれつき足が悪く馬に乗れなかった。立っている分には何も問題ないのだが歩く時は跋扈を引いていた。そんな諸葛亮と黄月英の出会いも唐突だった。会って欲しいと頼まれたにも関わらず現れないので、外に出た。そこで足を引き摺って、満開の桃の木を見上げる青年がいた。彼こそ伏龍と称される天才軍師の諸葛孔明であった。不思議と興味を持った黄月英が諸葛亮へと歩み寄り、尋ねた。
黄月英「脚がお悪いのですか?」
諸葛亮「これは、失礼しました。産まれついてのものです。この通り立っている分にはなんともないのですが歩くとなると乗り物みたいなのがあれば良いのですが」
黄月英「それ、良いですわね」
諸葛亮「ところでお嬢さんがこのようなところで1人どうされたのです?」
黄月英「お見合いだったのですけれど、お相手の方にすっぽかされたみたいで、まぁ結婚するつもりは有りませんし、良いのですけど」
諸葛亮「お見合い。お見合い。お見合い!?そうだったうっかりあまりにも美しい桃の木に見惚れてしまい時間に遅れてしまったようです」
黄月英「では、貴方様が?」
諸葛亮「初めまして、性を諸葛、名を亮、字を孔明と申します」
黄月英「これは御丁寧に黄月英と申します。あの孔明様は私のこの姿を見て何とも思わないのですか?」
諸葛亮「この姿とは?」
黄月英「この髪と汚れた服のことです」
諸葛亮「そのことでしたか。畑仕事をしていたらそれよりももっと汚れます。それに見て呉れがそれほど重要でしょうか?貴方は、私の脚のことを気にかけて話しかけてくださいました。私にとってはそっちの方が重要なことです」
黄月英「プフフ。見て呉れは重要ではないですか。実に面白いですね孔明様は。決めました。私、この縁談をお受けします。孔明様、どうかこんなので良ければ貰ってください」
諸葛亮「こちらこそ。こんなので良ければ」
こうして2人は、今日めでたく結ばれることとなる。
黄月英「それにしても孔明様はとんだ策士でしたわね。脚の悪いフリをして、私を騙すなんて」
諸葛亮「黄承彦殿から話を聞いた時にどうしても妻に欲しかったもので悪いと思いながら一芝居打ったのです。でも馬に乗れないのは本当ですよ。そして、そんな私に貴方は四輪車を開発してくれました。移動が幾分か楽に」
黄月英「どうしても私をポッ。っていやいやなってませんよね。人が居ないと動かせない代物なんですから」
諸葛亮「そういう表情が豊かなところが大好きですよ月英」
黄月英「もう、はぐらかさないでください」
諸葛亮「(安心してください月英。この発明品もいつか役に立つ時が来るとそう思っているんですよ)」
黄月英の親族で蔡瑁や劉表。諸葛亮の方からは親友の崔州平・徐庶・龐統。学友である石韜・孟建。諸葛亮の長姉の諸葛愛鈴、その旦那である蒯祺。従兄弟である蒯越・蒯良。龐徳公の息子である龐山民の妻で諸葛亮の次姉の 諸葛笑鈴。諸葛亮の兄である諸葛瑾。諸葛亮の弟である諸葛均が来ていた。
劉表「お前が結婚できるとはな」
黄月英「その言い方は酷いです劉表叔父様」
蔡瑁「俺も黄承彦から話を聞くたびにダメだと思っていた」
黄月英「蔡瑁叔父様まで」
劉表「まぁ良いではないか。幸せになるのだぞ」
黄月英「はい」
崔州平「今日はめでたい。孔明が結婚するとは。いやぁめでたい」
諸葛亮「崔州平、もう酔っていますね」
崔州平「何のことだ。ハッハッハ」
石韜「まさか同期の中で1番早く結婚するとは、おめでとう」
孟建「全くだな。おめでとう」
諸葛亮「石韜・孟建も来てくださり嬉しいですよ」
蒯祺「我が義弟よ。久しいな。おめでとう」
諸葛亮「蒯祺義兄上、わざわざありがとうございます」
諸葛愛鈴「私もいるわよ。亮ちゃん、おめでとう」
諸葛亮「愛姉、ありがとうございます」
龐山民「従兄弟の龐統と仲良くしてくれて感謝している。結婚おめでとう」
諸葛亮「龐山民義兄上もわざわざありがとうございます」
諸葛笑鈴「私もいるんだけどなぁ」
諸葛亮「笑姉、ありがとうございます」
諸葛瑾「亮、おめでとう」
諸葛亮「兄上、忙しい中ありがとうございます」
諸葛均「亮兄上、そろそろ」
諸葛亮「そうであった」
諸葛亮と黄月英が集まった皆の前で挨拶をする。
諸葛亮「本日はお忙しい中、私たち2人のささやかな宴に来ていただきありがとうございます。願わくばここに集まりの皆様が敵味方に分かれることが無いように切に祈っています」
黄月英「父様・劉表叔父様・蔡瑁叔父様、今までありがとうございました。私は今日より孔明様の妻となります」
黄承彦「うっうっ。婿殿、月英のこと、宜しく頼みましたぞ」
劉表「泣かしたら荊州兵を動員して、お前を捕らえてやるぞ」
蔡瑁「フン。これを機にお前も劉表様に仕えるのだな」
諸葛亮「いえ、私のような者は畑を耕すので精一杯です。天下などとてもとても」
蒯越「その通りだな」
蒯良「いや、彼こそ天下の賢人であろう」
この日、諸葛亮の願ったことは叶わず。この1ヶ月後。劉表軍と劉備軍は江夏にて激突するのである。荊州の戦いの勃発である。だが、諸葛亮は久しぶりに数年離れ離れとなっていた兄弟姉妹と会うことができたのである。
黄月英「脚がお悪いのですか?」
諸葛亮「これは、失礼しました。産まれついてのものです。この通り立っている分にはなんともないのですが歩くとなると乗り物みたいなのがあれば良いのですが」
黄月英「それ、良いですわね」
諸葛亮「ところでお嬢さんがこのようなところで1人どうされたのです?」
黄月英「お見合いだったのですけれど、お相手の方にすっぽかされたみたいで、まぁ結婚するつもりは有りませんし、良いのですけど」
諸葛亮「お見合い。お見合い。お見合い!?そうだったうっかりあまりにも美しい桃の木に見惚れてしまい時間に遅れてしまったようです」
黄月英「では、貴方様が?」
諸葛亮「初めまして、性を諸葛、名を亮、字を孔明と申します」
黄月英「これは御丁寧に黄月英と申します。あの孔明様は私のこの姿を見て何とも思わないのですか?」
諸葛亮「この姿とは?」
黄月英「この髪と汚れた服のことです」
諸葛亮「そのことでしたか。畑仕事をしていたらそれよりももっと汚れます。それに見て呉れがそれほど重要でしょうか?貴方は、私の脚のことを気にかけて話しかけてくださいました。私にとってはそっちの方が重要なことです」
黄月英「プフフ。見て呉れは重要ではないですか。実に面白いですね孔明様は。決めました。私、この縁談をお受けします。孔明様、どうかこんなので良ければ貰ってください」
諸葛亮「こちらこそ。こんなので良ければ」
こうして2人は、今日めでたく結ばれることとなる。
黄月英「それにしても孔明様はとんだ策士でしたわね。脚の悪いフリをして、私を騙すなんて」
諸葛亮「黄承彦殿から話を聞いた時にどうしても妻に欲しかったもので悪いと思いながら一芝居打ったのです。でも馬に乗れないのは本当ですよ。そして、そんな私に貴方は四輪車を開発してくれました。移動が幾分か楽に」
黄月英「どうしても私をポッ。っていやいやなってませんよね。人が居ないと動かせない代物なんですから」
諸葛亮「そういう表情が豊かなところが大好きですよ月英」
黄月英「もう、はぐらかさないでください」
諸葛亮「(安心してください月英。この発明品もいつか役に立つ時が来るとそう思っているんですよ)」
黄月英の親族で蔡瑁や劉表。諸葛亮の方からは親友の崔州平・徐庶・龐統。学友である石韜・孟建。諸葛亮の長姉の諸葛愛鈴、その旦那である蒯祺。従兄弟である蒯越・蒯良。龐徳公の息子である龐山民の妻で諸葛亮の次姉の 諸葛笑鈴。諸葛亮の兄である諸葛瑾。諸葛亮の弟である諸葛均が来ていた。
劉表「お前が結婚できるとはな」
黄月英「その言い方は酷いです劉表叔父様」
蔡瑁「俺も黄承彦から話を聞くたびにダメだと思っていた」
黄月英「蔡瑁叔父様まで」
劉表「まぁ良いではないか。幸せになるのだぞ」
黄月英「はい」
崔州平「今日はめでたい。孔明が結婚するとは。いやぁめでたい」
諸葛亮「崔州平、もう酔っていますね」
崔州平「何のことだ。ハッハッハ」
石韜「まさか同期の中で1番早く結婚するとは、おめでとう」
孟建「全くだな。おめでとう」
諸葛亮「石韜・孟建も来てくださり嬉しいですよ」
蒯祺「我が義弟よ。久しいな。おめでとう」
諸葛亮「蒯祺義兄上、わざわざありがとうございます」
諸葛愛鈴「私もいるわよ。亮ちゃん、おめでとう」
諸葛亮「愛姉、ありがとうございます」
龐山民「従兄弟の龐統と仲良くしてくれて感謝している。結婚おめでとう」
諸葛亮「龐山民義兄上もわざわざありがとうございます」
諸葛笑鈴「私もいるんだけどなぁ」
諸葛亮「笑姉、ありがとうございます」
諸葛瑾「亮、おめでとう」
諸葛亮「兄上、忙しい中ありがとうございます」
諸葛均「亮兄上、そろそろ」
諸葛亮「そうであった」
諸葛亮と黄月英が集まった皆の前で挨拶をする。
諸葛亮「本日はお忙しい中、私たち2人のささやかな宴に来ていただきありがとうございます。願わくばここに集まりの皆様が敵味方に分かれることが無いように切に祈っています」
黄月英「父様・劉表叔父様・蔡瑁叔父様、今までありがとうございました。私は今日より孔明様の妻となります」
黄承彦「うっうっ。婿殿、月英のこと、宜しく頼みましたぞ」
劉表「泣かしたら荊州兵を動員して、お前を捕らえてやるぞ」
蔡瑁「フン。これを機にお前も劉表様に仕えるのだな」
諸葛亮「いえ、私のような者は畑を耕すので精一杯です。天下などとてもとても」
蒯越「その通りだな」
蒯良「いや、彼こそ天下の賢人であろう」
この日、諸葛亮の願ったことは叶わず。この1ヶ月後。劉表軍と劉備軍は江夏にて激突するのである。荊州の戦いの勃発である。だが、諸葛亮は久しぶりに数年離れ離れとなっていた兄弟姉妹と会うことができたのである。
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