えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。

揚惇命

文字の大きさ
198 / 821
4章 三国鼎立

荊州戦線開幕!蘆江にて劉表軍を迎撃せよ(序)

しおりを挟む
 于吉から劉備の荊州侵攻について聞いた劉表は機先を制するべく劉備が兵を集めている蘆江を攻めることを決める。ここに劉備が史実で荊州を奪取した208年の赤壁の戦いよりも8年早い荊州を巡る戦いが幕を開ける。この話を劉表に仕える文官の伊籍より手紙で聞いていた劉備は蘆江にて迎撃の準備を整える。迎撃戦の指揮を取るのは、敵を完膚なきまでに叩きのめすことに定評のある荀攸である。さらに蘆江の防備を固めるのは、防衛戦の心得が豊富な荀彧。荀家による攻守に対して、攻める劉表軍の面々は、総大将の劉表。義弟である大将軍の蔡瑁。軍師を務める蒯越・蒯良の越良コンビ。董卓の時代、王允と親しくしていたが洛陽が荒れると荊州に戻り劉表に仕えた趙戩叔茂チョウセンシュクボウ。易学という占いに精通している龐季ホウキ。学問を取りまとめる綦毋闓キブガイ。武官の鄧済トウサイ鄧義トウギ・曹操の親友であり劉表に手を貸すことで劉備の助長を防ごうと企む王儁子文オウシュンシブン。音楽に精通していて軍学隊として同行している杜虁公良トキコウリョウ。劉備と戦うことを諌めて劉表に嫌われたが再度この戦の虚しさを解くべくついてきた劉望之リュウボウシ。魏延から長沙の太守に推薦され、劉備に魏延から頼まれたあることを伝えるため同行した張羨チョウセン。多くの私兵を抱える指揮官として名高い霍篤カクトク霍峻仲邈カクシュンチュウバクの兄弟。劉表の信任を得ている張子雲チョウシウン史璜シコウ。劉備の昔馴染みだが劉表軍に仕官したがため戦うことに巻き込まれた勇猛な武人である呉巨ゴキョ。劉表より交阯の太守に任命されたが同地を制圧した士燮に追い出され零陵へと戻っていた頼恭ライキョウ。兄である劉望之が劉表に殺されるのではないかと思い同行した劉廙恭嗣リュウヨクコウシ劉偉リュウイ兄弟。大将軍を務める文聘仲業ブンペイチュウギョウ。蔡瑁の弟である蔡勲サイクン。蔡瑁の従兄弟である蔡和サイカ蔡中サイチュウ。劉表の長子の劉琦リュウキ・次子の劉琮リュウソウ。そして、蒯祺の側には姉により手を貸して欲しいと頼まれた天才軍師の姿があった。ここに、大荒れの展開となりそうな蘆江迎撃戦が幕を上げることとなる。
 劉表「兵を集めてるところを急襲したつもりだったのだが備えていたようだな」
 蒯越「元よりこちらは城攻めの用意は万事整っている」
 蒯良「こうなっては致し方なし。荊州を守るため劉備軍を追い返すしかあるまい」
 蔡瑁「義兄上、くれぐれも気をつけなさいますよう(本当にあの頭痛の正体は、劉備殿の仕業なのか?この戦にて見極めるしか無い。劉備という男が仁君なのか。仁君の皮を被る狼なのか)」
 呉居「腕がなりますなぁ(劉備殿、これも敵味方に別れた定め。許せ)」
 頼恭「ここで挽回せねば(相手は勇猛揃いと噂の劉備軍か。運が悪いな)」
 蒯祺「兄が向こうにいるのに巻き込んですまない」
 ???「そのようなことを気にする必要はありませんよ。私も興味があるのですよ劉備殿に(流石の布陣ですね。こちらの情報は伊籍殿あたりから入手したのでしょう。それにこちらは奇襲と考えての行軍。ですが、相手には備えがある。これは少し楽しいですね。恐らく備えは万全と見えます。城に攻め込もうなどと逸った奴は)」
 張子雲「ここはこの俺に任せてもらおう」
 史璜「抜け駆けは許さんぞ」
 劉表「良い良い。軽く揉んでやれ。張子雲・史璜、お前たちに先陣を任せる」
 張子雲「そう来なくてはな」
 史璜「腕がなるぜ」
 劉望之「やっと追いつきましたぞお待ちください劉表様。どうか劉備と戦うことはおやめください」
 劉表「まだいうか劉望之。お前の顔など二度と見たくは無い。此奴を摘み出せ」
 劉望之「お待ちください。何卒、何卒。劉備と戦うことはおやめください」
 劉表が剣を抜き劉望之の首を切った。
 劉望之「(何故、お分かりにならないのだ。劉備と戦うことの危険性を。劉表様、どうか。今一度お考え直ししてくださることを)」
 劉廙「(兄上が心配で隠れてついてきたが兄上が殺されるとは。この場にいては危険だ。こうなってはやむおえん。劉偉を連れ曹操軍に亡命する)」
 劉表「まだこの戦いに意を唱える者は居るか?居ないようだな。では、張子雲・史璜よ。我が劉表軍の力を見せつけるのだ」
 ???「(確かに士気を保つために兵を預かる者は非常な決断に迫られることもあるでしょう。ですが、諌めるものを一方的に斬り捨てるなどあってはならないことです。これが荊州を安定に導いた男のすることでしょうか。残念でなりません)」
 張子雲・史璜「ヘッヘッヘ。劉備軍がなんぼのもんじゃ」
 近付いてくる敵将を視界に捉える荀攸。
 荀攸「相手を充分に惹きつけよ。奴らの連れてくる兵共々殲滅するのだ」
 荀彧「黄忠殿、こちらも城壁より矢の準備を」
 黄忠「こりゃ腕がなりますわい。黄叙よ。お前は関羽殿の指揮下にて、城壁から弓を浴びせるのじゃ」
 黄叙「はい父上。いえ、黄将軍」
 黄忠「関羽殿に倅を預けて正解であったな」
 関羽「そう言ってもらえて有難い」
 義賢「弓なら俺にも心得があります。手を貸そう」
 太史慈「弓ならこの太史子儀も負けん。一つ勝負といこうでは無いか」
 黄忠「このワシに弓勝負を挑むとは面白い。受けて立つぞい」
 義賢「ハハハ。俺も男。勝負となれば血が騒ぐ。連弩車に近付く兵を一番多く倒したものが勝利というのはどうだ?」
 太史慈「乗った」
 黄忠「負けんぞい」
 黄叙「僕だって、やればできるんだ」
 ここに弓が得意な4人による熱いバトルが起ころうとしていた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~

bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...