えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。

揚惇命

文字の大きさ
277 / 821
4章 三国鼎立

駄々をこねる

しおりを挟む
 李杏が魏延の貞操を奪おうとしたちょうどその時、扉をノックして、李杏の側近である9人が入ってくる。李杏と魏延の光景を見て、各々が反応を示す。
 狸老「これは、姫様。すみませぬ」
 狐娘「お楽しみの邪魔をしてしまいましたわね」
 鯨胡「魏延、お主も中々やるのぅ」
 猿鴎「魏延、見直したぞ。姫様のことを受け入れてくれる気になったか?」
 兎臥「魏延、姫様を泣かしたら承知しないんだから」
 牙狼「マジかよ」
 羊潜「まぁ、立派ですわよ魏延」
 牛齕「なんか男として負けた気が」
 鶏欒「同感だよ牛齕にぃ」
 李杏「もう、魏延ちゃんと遊んでたのに何よ。何かあったの?ここでのことは狸老ちゃんと狐娘ちゃんに任せるって言ってるじゃん。2人とも私のお爺様から仕えてる最古参なんだからさ」
 魏延「助かったのか?」
 狸老「至急の案件が」
 李杏「外でのこと?劉備が何か言ってきた?こっちが魏延との婚姻を認めたら戦しないって言ってるじゃん。何か問題あったの?」
 狐娘「姫様、劉備殿からは姫様と魏延の婚姻を認めるにあたって、姫様が魏延の元に嫁ぐことを条件に出してきました」
 李杏「嫌よ!魏延には槃家を継いでもらうんだから。却下」
 狸老「その他に魏延の解放を求めています」
 李杏「えっ?アイツら馬鹿なの?あんなに散々に打ちのめしてあげたのに、まだ懲りてないの?もっと徹底的にしないといけなかったのかな?難しいな人付き合いは。私は魏延さえ居てくれたら劉備なんてどうでも良いし、手を出さないって言ってるのにな。何で、わかんないんだろう。了解。もう一回思い知らせるために私の力が必要って事だよね」
 鯨胡「それは違いますぞ姫様。奴らは先の戦いでこちらの正確な地図を作成した模様」
 李杏「地図がどうかした?そんなのあっても何の意味もないもん。先手必勝、荊州全部を奪って、劉備の方から『もう許してくださーい。魏延との婚姻も許しますからー』って泣くまでやれば良いもん」
 猿鴎「そのようなことをすれば、今よりももっと平地の民の怒りを買うことになりましょうぞ」
 李杏「それがどうかした?平地の民が先に私たちのことを蔑んだ目で見てきたのよ。今更、平地の民がどんだけ死のうが私には関係ない」
 兎臥「でも姫様ー。流石に今度は、相手が悪いかもって話なんだよー。確か駄龍・画鋲だっけ?」
 牙狼「しっかりしてくれよ兎臥。伏龍もしくは臥竜な」
 李杏「誰よそいつ?知らないもーん」
 羊潜「天下の大賢人と称されている人で、狸老爺様や狐娘姐様よりもその知謀は上かと」
 李杏「ふーん。知恵なんかで何ができるっての?ちゃっちゃっと突撃して殺しちゃえば良いんだよ。そしたら安心でしょ」
 牛齕「ですが姫様。これ以上、劉備と揉めることは良しとしないのでは?」
 李杏「こっちはそのつもりだったよ。でも喧嘩売ってきたのは向こうだよね。魏延を返せだの。婿入りじゃなくて嫁ぐこととか。挙げ句の果ては地図。脅しってことじゃん。だったら、私も容赦する必要ないよね。せっかくさ生き字引が必要だと思って、4人生かしておいてあげたのにさ。全く響いてないんだもん」
 鶏欒「それでこそ姫様だぜ。全く同感だ」
 狸老「鶏欒、焚き付けてどうするのじゃ」
 鶏欒「俺としたことがつい」
 李杏「何で、鶏欒以外みんな弱腰なの?まさか、あんな奴らに負けると考えてるの?嫌よ。私は絶対に嫌。ここから離れないから。向こうがそれを踏み躙ってくるならこっちは踏み返すだけよ」
 魏延「全く。揃いも揃って、こんな世間知らずのじゃじゃ馬女1人説得できねぇのか!」
 狸老「返す言葉もない」
 李杏「そんなじゃじゃ馬だなんて、褒めないでよ~。エヘヘ」
 魏延「李杏、お前は槃李杏と呼ばれることを嫌うぐらいなのに俺を婿入りさせたいのか?お前、本当は俺たちだけに伝わる槃瓠様のことを信じてるんじゃねぇのか?」
 李杏「そっそっそっそんなわけないじゃん。1人だと忌み嫌う名前でも魏延となら良いかなってそれだけだもん」
 魏延「成程、俺にもお前と同じ苦しみを与えたいわけだ。随分な復讐だな」
 李杏「復讐だなんて、そんなことないもん」
 魏延「だったら何だ?何も言わずにここを去った俺を連れ戻して、この仕打ちの先がお前との結婚だと。俺は断じてごめんだ。どうして、お前のように自分のことしか考えず他人に押し付けるだけのやつと結婚なぞしなければならんのだ」
 李杏「魏延が喜ぶと思って勉強したのに、何でそんな言い方するのよ。私はただ魏延に側に居て欲しいだけなのに」
 魏延「ようやく本音が聞けたな。だったらお前が俺の元に嫁いでも問題ないではないか。俺の側に居られることに変わりはないだろう?」
 李杏「へっ?どういうこと?」
 魏延「俺がここを去ったのは、身分違いの恋を自覚したからだ。俺は、お前がずっと俺に復讐をしているのだと思っていた。だが違った。お前からやっと本音を聞けて俺もようやく決心できた。槃李杏、俺と共に平地で暮らさないか?お前がやったことは大きい。桂陽の民からも零陵の民からも蔑まれるだろう。だが、俺も一緒に蔑まれてやる。お前は平地で暮らして、償わなければならない。自分がいかに世間知らずで自分勝手だったか。その結果、どういう間違いを起こしたのか。じっくりとな。でも、俺も一緒に悩んで考えてやる。どうだ?」
 この提案に李杏は悩んで答えを出す。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー

黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた! あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。 さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。 この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。 さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

処理中です...