355 / 821
4章 三国鼎立
江夏海戦
しおりを挟む
前線の船が火に包まれて燃え、慌てふためく孫権軍。
孫権「一体何が起こっている?」
顧雍「さっきのは、これが狙いだったんだ!我らの船の位置の把握」
孫権「!?では、どんどん火船がやってくるのではないか?」
賀斉「この音は?皆、体勢を低くして、弓の攻撃に備えよ」
蒋欽「弓なんて、叩き落としてやるぜ」
吾粲「止めるのだ。そんなことをすれば」
董襲「うるせぇ。お前らは黙って見てろ」
霧の中から現れた矢を叩き落としたら、木に突き刺さった火矢が燃える。
董襲「うおっ。火矢だったのかよ!マズイ。火が燃え広がる前に消さねぇとって、まだ降って来んのかよ。鬱陶しい」
闞沢「鬱陶しいと言いながら叩き落としていては、そこから火が付くことがわからんのか!これだから馬鹿は困る」
蒋欽「アァン、んなこと言うならとっとと打開策を考えろや!」
顧雍「事ここに至ってはやむ終えませぬ。全滅を回避するため、撤退を」
孫権「うむ」
そこら中で、船が燃え、パニックになった船同士がぶつかり燃え広がる。火から逃れるため海に飛び込んだ者たちは、捕らえられる。
孫権「まさか、これほど荊州水軍が精強とは。判断を見誤ったのかもしれん。もうここにも火の手が」
顧雍「こうなっては海に飛び込むしか」
呂蒙「こっちですぞ孫権様」
孫権「呂蒙、無事だったか!顧雍、早くいけ」
顧雍「孫権様から先に」
孫権「お前の方が近いのだから早くいけ」
顧雍「しかし」
呂蒙「譲り合いをしている時間などない!早く飛び乗れ!」
顧雍「では、お先に失礼します」
孫権「あぁ、僕もすぐに」
その時、船が激しく燃えて、孫権は倒れてきた木材から逃れるため、海へと飛び込んだ。
呂蒙「孫権様ーーーーーー」
顧雍「早く、船を回すのだ呂蒙」
呂蒙「わかっている」
文聘「呉の水軍を見つけたぞ!皆の者、捕らえよ」
呂蒙「ぐっ。これでは、無理だ。近づけん」
顧雍「あの中には孫権様が、敵側に身柄を渡すわけにはいかん」
呂蒙「しかし、それでは」
孫権「俺のことは良い。早く行け。これ以上の損害を出してはならない!」
文聘「ここに1人いるぞ。救出して捕えるのだ」
孫権「うぐぐ。俺としたことが」
顧雍「そんな孫権様が敵の手に!」
呂蒙「顧雍、気持ちはわかるが今は何もできん。逃げるぞ」
顧雍「離せ離せ孫権様を救出せねば」
呂蒙「今の我らに何ができる!率いてきた呉の船団の半数は海の藻屑となり、これ以上失えば、孫策様の覇道を叶えることは叶わないのだ!それがわかっているからこそ孫権様も」
顧雍「俺が俺がもっと早く気づいていれば。この雪辱は必ず果たすぞ」
呂蒙「あぁ、孫権様は必ずお救いする。今は、体勢を整えるため一時撤退だ」
こうして呂蒙は逃げ延びていた蒋欽・董襲・賀斉・周善・吾粲・闞沢・朱拠・朱桓・周泰と合流して、先ほどのことを話す。
蒋欽「目の前で孫権様が捕まるのを見てたってのかよ呂蒙!」
董襲「例え、テメェが死んでも助けるのが臣下の務めだろうが。アァン」
周善「で、こんな馬鹿を助けたってのか。舐めてんじゃねぇぞ!優先順位は孫権様が先だろうが!」
吾粲「そう、声を荒げても仕方ないだろう。確かに此度は我々の落ち度だ。素直に謝ろう。しかし、顧雍殿に当たるのは違うだろう」
闞沢「といっても大失態なのは間違いなかろう。孫策様になんと報告すれば良いのだ」
賀斉「助けるにしてもこの兵力では、更なる損害を出すだけなのは明白。ここは交渉にて取り返すのが得策だろう」
朱桓「まぁ、それが良いでしょうな(あの酒癖の悪さからは解放されますけど)」
朱拠「従兄上、すぐに孫策様に報告してくる」
周泰「、、、、影として守れなかった」
顧雍「孫権様を取り返し、必ずこの雪辱を果たす。今は、取り返すため周瑜殿に策を頂くのが先決」
呂蒙「周瑜殿であれば、必ずや良い策を考えてくださるはず」
こうして、孫権の率いていた水軍の半数は火船と火矢によって、海の藻屑となり、5000人ほどが捕虜として捕らえられた。その中には孫権の姿があり、それを捕らえた文聘は間違いなく第一功の大戦果であった。
蒯越「捕虜5千人でも凄いのだがまさか孫権を捕らえてしまうとは」
蒯良「文聘、よくやったぞ」
劉琮「仲業、これは間違いなく最高の武功だよ!」
文聘「そんな。こんなの偶々ですよ。偶々向かった先で海に飛び込んだ男が孫権で、それを捕まえたってだけの」
甘寧「素直に喜べよな」
蘇飛「文聘、よくやったな」
黄祖「全く大したもんじゃ」
張允「こちとら策を理解して、行動するまでに、手間取って、数人救助して捕まえただけだぜ」
蔡瑁「文聘、でかしたぞ」
孫権「おめでたい奴らだ。捕えたぐらいで何を満足している。今頃、兄上が長沙を奪取している頃だ。残念だったな」
劉琮「大した自信だな。だが、長沙が落ちるなどあり得ない。なぜなら、我らが総大将は、そのことをお見通しだったからな。長沙には、最大戦力の黄忠将軍だけでなく孫策と一騎討ちにて引き分けた実績もある太史慈将軍。若手急上昇の徐盛将軍。それに、養父の弟君である劉丁様もいる」
孫権「馬鹿な!?(劉丁は、民へと降格されて、劉備に見放されたと。戻ってきていたのか。まずい、周瑜は一度、劉丁に知恵勝負で負けている。しかし、そのようなことを顔に出してはならない。良し)だからどうした。兄上を侮るなよ」
劉琮「まぁ良いでしょう。孫権殿、貴方を暫く拘束させて貰います。では」
江夏海戦は、孫権の率いる呉の水軍をとことん掻き乱した劉琮の率いる荊州水軍の大勝利で幕を閉じるのだった。
孫権「一体何が起こっている?」
顧雍「さっきのは、これが狙いだったんだ!我らの船の位置の把握」
孫権「!?では、どんどん火船がやってくるのではないか?」
賀斉「この音は?皆、体勢を低くして、弓の攻撃に備えよ」
蒋欽「弓なんて、叩き落としてやるぜ」
吾粲「止めるのだ。そんなことをすれば」
董襲「うるせぇ。お前らは黙って見てろ」
霧の中から現れた矢を叩き落としたら、木に突き刺さった火矢が燃える。
董襲「うおっ。火矢だったのかよ!マズイ。火が燃え広がる前に消さねぇとって、まだ降って来んのかよ。鬱陶しい」
闞沢「鬱陶しいと言いながら叩き落としていては、そこから火が付くことがわからんのか!これだから馬鹿は困る」
蒋欽「アァン、んなこと言うならとっとと打開策を考えろや!」
顧雍「事ここに至ってはやむ終えませぬ。全滅を回避するため、撤退を」
孫権「うむ」
そこら中で、船が燃え、パニックになった船同士がぶつかり燃え広がる。火から逃れるため海に飛び込んだ者たちは、捕らえられる。
孫権「まさか、これほど荊州水軍が精強とは。判断を見誤ったのかもしれん。もうここにも火の手が」
顧雍「こうなっては海に飛び込むしか」
呂蒙「こっちですぞ孫権様」
孫権「呂蒙、無事だったか!顧雍、早くいけ」
顧雍「孫権様から先に」
孫権「お前の方が近いのだから早くいけ」
顧雍「しかし」
呂蒙「譲り合いをしている時間などない!早く飛び乗れ!」
顧雍「では、お先に失礼します」
孫権「あぁ、僕もすぐに」
その時、船が激しく燃えて、孫権は倒れてきた木材から逃れるため、海へと飛び込んだ。
呂蒙「孫権様ーーーーーー」
顧雍「早く、船を回すのだ呂蒙」
呂蒙「わかっている」
文聘「呉の水軍を見つけたぞ!皆の者、捕らえよ」
呂蒙「ぐっ。これでは、無理だ。近づけん」
顧雍「あの中には孫権様が、敵側に身柄を渡すわけにはいかん」
呂蒙「しかし、それでは」
孫権「俺のことは良い。早く行け。これ以上の損害を出してはならない!」
文聘「ここに1人いるぞ。救出して捕えるのだ」
孫権「うぐぐ。俺としたことが」
顧雍「そんな孫権様が敵の手に!」
呂蒙「顧雍、気持ちはわかるが今は何もできん。逃げるぞ」
顧雍「離せ離せ孫権様を救出せねば」
呂蒙「今の我らに何ができる!率いてきた呉の船団の半数は海の藻屑となり、これ以上失えば、孫策様の覇道を叶えることは叶わないのだ!それがわかっているからこそ孫権様も」
顧雍「俺が俺がもっと早く気づいていれば。この雪辱は必ず果たすぞ」
呂蒙「あぁ、孫権様は必ずお救いする。今は、体勢を整えるため一時撤退だ」
こうして呂蒙は逃げ延びていた蒋欽・董襲・賀斉・周善・吾粲・闞沢・朱拠・朱桓・周泰と合流して、先ほどのことを話す。
蒋欽「目の前で孫権様が捕まるのを見てたってのかよ呂蒙!」
董襲「例え、テメェが死んでも助けるのが臣下の務めだろうが。アァン」
周善「で、こんな馬鹿を助けたってのか。舐めてんじゃねぇぞ!優先順位は孫権様が先だろうが!」
吾粲「そう、声を荒げても仕方ないだろう。確かに此度は我々の落ち度だ。素直に謝ろう。しかし、顧雍殿に当たるのは違うだろう」
闞沢「といっても大失態なのは間違いなかろう。孫策様になんと報告すれば良いのだ」
賀斉「助けるにしてもこの兵力では、更なる損害を出すだけなのは明白。ここは交渉にて取り返すのが得策だろう」
朱桓「まぁ、それが良いでしょうな(あの酒癖の悪さからは解放されますけど)」
朱拠「従兄上、すぐに孫策様に報告してくる」
周泰「、、、、影として守れなかった」
顧雍「孫権様を取り返し、必ずこの雪辱を果たす。今は、取り返すため周瑜殿に策を頂くのが先決」
呂蒙「周瑜殿であれば、必ずや良い策を考えてくださるはず」
こうして、孫権の率いていた水軍の半数は火船と火矢によって、海の藻屑となり、5000人ほどが捕虜として捕らえられた。その中には孫権の姿があり、それを捕らえた文聘は間違いなく第一功の大戦果であった。
蒯越「捕虜5千人でも凄いのだがまさか孫権を捕らえてしまうとは」
蒯良「文聘、よくやったぞ」
劉琮「仲業、これは間違いなく最高の武功だよ!」
文聘「そんな。こんなの偶々ですよ。偶々向かった先で海に飛び込んだ男が孫権で、それを捕まえたってだけの」
甘寧「素直に喜べよな」
蘇飛「文聘、よくやったな」
黄祖「全く大したもんじゃ」
張允「こちとら策を理解して、行動するまでに、手間取って、数人救助して捕まえただけだぜ」
蔡瑁「文聘、でかしたぞ」
孫権「おめでたい奴らだ。捕えたぐらいで何を満足している。今頃、兄上が長沙を奪取している頃だ。残念だったな」
劉琮「大した自信だな。だが、長沙が落ちるなどあり得ない。なぜなら、我らが総大将は、そのことをお見通しだったからな。長沙には、最大戦力の黄忠将軍だけでなく孫策と一騎討ちにて引き分けた実績もある太史慈将軍。若手急上昇の徐盛将軍。それに、養父の弟君である劉丁様もいる」
孫権「馬鹿な!?(劉丁は、民へと降格されて、劉備に見放されたと。戻ってきていたのか。まずい、周瑜は一度、劉丁に知恵勝負で負けている。しかし、そのようなことを顔に出してはならない。良し)だからどうした。兄上を侮るなよ」
劉琮「まぁ良いでしょう。孫権殿、貴方を暫く拘束させて貰います。では」
江夏海戦は、孫権の率いる呉の水軍をとことん掻き乱した劉琮の率いる荊州水軍の大勝利で幕を閉じるのだった。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる