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4章 三国鼎立
高涼の戦い(前編)
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高涼郡を任されていたのは士祇の信頼が厚い弟の1人士頌であった。
伝令「士頌様、士祇様からの手紙をお持ちしました」
士頌「御苦労様。士祇兄上から手紙?なんだろう?作戦の変更かな?もうアイツを解き放っちゃったんだけど不味かったかな?ふむふむ。士徽の馬鹿兄が来る!?何考えてんの士祇兄上は。僕じゃ役不足ってこと。いやいや士祇兄上に限ってそんなことはないはずだよね。あっ裏にも書いてある。ふむふむ。なっ成程、士徽の馬鹿兄をここで切り捨てるんだね。了解。まぁ、ここが落ちることはないと思ってたけど士祇兄上ったら。僕の汚点にならないように気遣ってくれたんだね。嬉しいなぁ。戻る支度をしとかないと」
それから暫くして士徽がやってきた。
士徽「士頌、劉備軍はどんな感じだ?」
士頌「まだ来てないよ。それよりも士徽兄、士祇兄上からここは士徽に任せて戻るようにってことだから僕は帰るね」
士徽「はっ?俺は兄貴に士頌の補佐をしろって言われたんだが」
士頌「多分、士祇兄上のことだから。馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿とか言ってもなんやかんや士徽兄の事頼りにしてるんだよきっと」
士徽「馬鹿は余計だけどな。まぁ、そういうことなら仕方ねぇな。士頌、ここは俺に任せて兄貴のところに帰ってやれ」
士頌「うん。ありがとうね士徽兄(ほんと士徽兄って馬鹿だよね。兄弟の中で真の狙いを話されてないの士徽兄だけなのにさ。これが全て、士祇兄上が崇拝する曹操様が華北を制するための捨て石の時間稼ぎでしか無いのに。そもそも、交州だけで強大になった劉備軍に勝てるわけないのにさ。あっアイツのこと伝え忘れたけど良いよね。どうせここで士徽兄は死ぬんだしさ。僕の手のかかった奴に劉備に寝返る素振りを見せたら殺すように伝えておいたし。シシシ)」
こうして士祇の元に帰って行った士頌。残された士徽は防衛の準備を整えていた。その頃、解き放たれたアイツと呼ばれる巨漢の男は、虎と格闘していた。
???「長い間、囚われていたせいで身体がなまっちまったなぁ。オラァ」
虎「ギャイン」
???「やっぱり虎の肉だよなぁ。この血が俺の身体に染み渡り、この肉が俺の身体を駆け巡る。あぁ、新鮮な生肉は最高だ。ケバババババ」
一撃で虎を葬り、その肉を生で喰らう。この男は、交州の奥深くにあるジャングルで育った野生児だった。弱肉強食が蔓延るジャングルで育ったこの男の肉体は鋼のように固く剣や槍を通さない。それどころか素手で軽々叩き潰してしまう程だ。人の頭蓋骨を掴んだら破壊する圧倒的な腕力。獣を狩るための圧倒的な脚力。肉体でコイツに勝つことは不可能とされる。それは恐らく呂布でさえもコイツを目の当たりにしたら震え上がってしまうだろう。ただ一つ弱点があるとすれば、頭が悪すぎて扱いづらいということだ。
???「あのガキ、俺のことを捕らえておきながら今更逃すとはどういうことだ。まぁ良いが。こうして生肉をかっ喰らい。その血を啜って喉を潤す。至福の時間が帰ってきたのだからな。ゲバババババババ。なんだ。アイツらはこのジャングルを汚そうってか。許せねぇな。俺の縄張りに入ったことを後悔させてやるぜ」
このジャングルで育った男が何故捕まったのか。単純明快だ。素手で鉄網は壊さなかったのだ。まぁ要は獣用に仕掛けられた中に生きた兎が居た檻籠に囚われたわけだ。馬鹿としか言いようがない。要は罠の類を全く理解していないのだ。あるのは獰猛な獣としての本能と圧倒的な食い意地である。この時、獣の本能より勝っていたのは圧倒的な食い意地。そして、捕えられた男は、長い間檻籠の中に囚われることとなった。それが突然外に出されたのだ。
士頌「君を外に出すことにした。今まで時間がかかってすまない。兎にかぶりつく人間を初めて見たので、警戒してしまった。こちらもあの森にはもう二度と近付かない。民から獰猛な獣を見たと報告があったから立ち入っただけなのだ。言葉はわかるか?」
???「ゲババババババ。ムシが良すぎるってのはお前のような奴のことをいうのだろうな」
士頌「それは重々承知している。だが、人というのは見たこともないのを怖がるものなのだ。そういうのを理解してくれとは言わないが許してほしい」
???「まぁ森に近付かないってなら。許してやっても良い」
士頌「寛大な御心に感謝する」
こうして解き放たれたのだ。この男に名前はない。それでもあえて名乗るとしたら野蛮人という言い方が良いかもしれない。
高涼兵「士頌様、良いのでしょうか。恐らく民が見た得体の知れないものとは、おそらくあの男の子とかと」
士頌「構わないよ。それにあの森で1人で生きてきたんだ。相当でしょ。劉備の迎撃に当てるのにちょうど良い駒だよ。君たちと違って、死んでも心が痛まないしさ」
高涼兵「士頌様にそんなに思って頂けるなんて、恐悦至極に存じます」
士頌「そんなに喜んでもらえて嬉しいよ。士祇兄上から警戒しとくように言われていた士徽兄の様子に変わったところはないかい?」
高涼兵「はい。今の所裏切るそぶりは見せておりません」
士頌「そうかい。良かったよ。士徽兄を殺すことにならないことを祈ってるよ」
高涼兵「はっ。引き続き警戒しておきます」
この後すぐ士徽が来て冒頭部分となる。そして今、この野蛮人が森に入ってきた劉備軍を急襲したのだった。
伝令「士頌様、士祇様からの手紙をお持ちしました」
士頌「御苦労様。士祇兄上から手紙?なんだろう?作戦の変更かな?もうアイツを解き放っちゃったんだけど不味かったかな?ふむふむ。士徽の馬鹿兄が来る!?何考えてんの士祇兄上は。僕じゃ役不足ってこと。いやいや士祇兄上に限ってそんなことはないはずだよね。あっ裏にも書いてある。ふむふむ。なっ成程、士徽の馬鹿兄をここで切り捨てるんだね。了解。まぁ、ここが落ちることはないと思ってたけど士祇兄上ったら。僕の汚点にならないように気遣ってくれたんだね。嬉しいなぁ。戻る支度をしとかないと」
それから暫くして士徽がやってきた。
士徽「士頌、劉備軍はどんな感じだ?」
士頌「まだ来てないよ。それよりも士徽兄、士祇兄上からここは士徽に任せて戻るようにってことだから僕は帰るね」
士徽「はっ?俺は兄貴に士頌の補佐をしろって言われたんだが」
士頌「多分、士祇兄上のことだから。馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿とか言ってもなんやかんや士徽兄の事頼りにしてるんだよきっと」
士徽「馬鹿は余計だけどな。まぁ、そういうことなら仕方ねぇな。士頌、ここは俺に任せて兄貴のところに帰ってやれ」
士頌「うん。ありがとうね士徽兄(ほんと士徽兄って馬鹿だよね。兄弟の中で真の狙いを話されてないの士徽兄だけなのにさ。これが全て、士祇兄上が崇拝する曹操様が華北を制するための捨て石の時間稼ぎでしか無いのに。そもそも、交州だけで強大になった劉備軍に勝てるわけないのにさ。あっアイツのこと伝え忘れたけど良いよね。どうせここで士徽兄は死ぬんだしさ。僕の手のかかった奴に劉備に寝返る素振りを見せたら殺すように伝えておいたし。シシシ)」
こうして士祇の元に帰って行った士頌。残された士徽は防衛の準備を整えていた。その頃、解き放たれたアイツと呼ばれる巨漢の男は、虎と格闘していた。
???「長い間、囚われていたせいで身体がなまっちまったなぁ。オラァ」
虎「ギャイン」
???「やっぱり虎の肉だよなぁ。この血が俺の身体に染み渡り、この肉が俺の身体を駆け巡る。あぁ、新鮮な生肉は最高だ。ケバババババ」
一撃で虎を葬り、その肉を生で喰らう。この男は、交州の奥深くにあるジャングルで育った野生児だった。弱肉強食が蔓延るジャングルで育ったこの男の肉体は鋼のように固く剣や槍を通さない。それどころか素手で軽々叩き潰してしまう程だ。人の頭蓋骨を掴んだら破壊する圧倒的な腕力。獣を狩るための圧倒的な脚力。肉体でコイツに勝つことは不可能とされる。それは恐らく呂布でさえもコイツを目の当たりにしたら震え上がってしまうだろう。ただ一つ弱点があるとすれば、頭が悪すぎて扱いづらいということだ。
???「あのガキ、俺のことを捕らえておきながら今更逃すとはどういうことだ。まぁ良いが。こうして生肉をかっ喰らい。その血を啜って喉を潤す。至福の時間が帰ってきたのだからな。ゲバババババババ。なんだ。アイツらはこのジャングルを汚そうってか。許せねぇな。俺の縄張りに入ったことを後悔させてやるぜ」
このジャングルで育った男が何故捕まったのか。単純明快だ。素手で鉄網は壊さなかったのだ。まぁ要は獣用に仕掛けられた中に生きた兎が居た檻籠に囚われたわけだ。馬鹿としか言いようがない。要は罠の類を全く理解していないのだ。あるのは獰猛な獣としての本能と圧倒的な食い意地である。この時、獣の本能より勝っていたのは圧倒的な食い意地。そして、捕えられた男は、長い間檻籠の中に囚われることとなった。それが突然外に出されたのだ。
士頌「君を外に出すことにした。今まで時間がかかってすまない。兎にかぶりつく人間を初めて見たので、警戒してしまった。こちらもあの森にはもう二度と近付かない。民から獰猛な獣を見たと報告があったから立ち入っただけなのだ。言葉はわかるか?」
???「ゲババババババ。ムシが良すぎるってのはお前のような奴のことをいうのだろうな」
士頌「それは重々承知している。だが、人というのは見たこともないのを怖がるものなのだ。そういうのを理解してくれとは言わないが許してほしい」
???「まぁ森に近付かないってなら。許してやっても良い」
士頌「寛大な御心に感謝する」
こうして解き放たれたのだ。この男に名前はない。それでもあえて名乗るとしたら野蛮人という言い方が良いかもしれない。
高涼兵「士頌様、良いのでしょうか。恐らく民が見た得体の知れないものとは、おそらくあの男の子とかと」
士頌「構わないよ。それにあの森で1人で生きてきたんだ。相当でしょ。劉備の迎撃に当てるのにちょうど良い駒だよ。君たちと違って、死んでも心が痛まないしさ」
高涼兵「士頌様にそんなに思って頂けるなんて、恐悦至極に存じます」
士頌「そんなに喜んでもらえて嬉しいよ。士祇兄上から警戒しとくように言われていた士徽兄の様子に変わったところはないかい?」
高涼兵「はい。今の所裏切るそぶりは見せておりません」
士頌「そうかい。良かったよ。士徽兄を殺すことにならないことを祈ってるよ」
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