えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。

揚惇命

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4章 三国鼎立

劉備と馬超の対峙

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 昨日の張郃と王異の一騎討ちの際に、高覧が戦場の真ん中で愛を叫び告白するというそのラブラブ光線に充てられた双方であったが、劉備軍は戦場に妻を連れてきたりしているわけではないので、実質悶々とさせられただけである。

 劉備「まさか、戦場の真ん中で大胆な行動をするものだな高覧」

 高覧「殿、申し訳ありません。どうかどうかお許しを」

 張飛「まぁ、悪くはねぇ。でもよ。お前と違って、多くの将兵はな。戦場に妻を連れてからねぇんだぞ。コノヤロー」

 関羽「翼徳、そう怒るな。我らの妻も戦上手であれば良かったのだが」

 張飛「というか大兄者は、なんでスッキリした顔してんだよ!」

 関羽「兄者とあろうものがちゃっかり遊びの女を呼んだのではありますまいな?」

 劉備「雲長・翼徳、誤解だ。それに、な、な、何のことかサーっぱりわからん」

 義賢「まさか、流石に今回ばかりは俺も引きますよ」

 劉備「丁、違う。断じて違う。そっちではない」

 奥から上衣が着崩れている孫尚香が覗かせて言葉を発する。

 孫尚香「玄徳様~まだ~、アレで満足なんですの~」

 その言葉を聞いて察する義賢と義兄弟たち。

 義賢「あー、そういうことですか。兄上はちゃっかりお楽しみであったと。成程成程」

 張飛「大兄者、ずるいぜ。俺は、こんなに我慢してるってのによ」

 関羽「兄者にはこの責任を取って、馬超と会談してもらわねばなりませんな!」

 劉備「いや、待て。会談したからどうなる?」

 義賢「安全圏が手に入れば兵士たちも我々も妻を近くに呼べます。正直、1番腹が立ってるのは高覧ですが兄上も兄上だ」

 張飛「戦場に大声で愛を叫ぶやつなんざお前ぐらいのもんだ。で、どうだったんだよ?」

 高覧「あの。天にも昇る気持ちでした」

 張飛「そうだろう。そうだろう。俺も月姫とやった時はよ。そりゃ気持ち良くて気持ち良くて。こんな気持ちいいものがあるのかよって、一晩中、繋がってたな」

 関羽「うむ。女子とはなんと素晴らしいものかと痛感するものであるな」

 義賢「わかります。俺も董白との初めての時は、本当に心が満たされましたよ」

 劉備「おーい、皆戻ってこーい」

 義賢「兄上がその言葉を言うな!わかったらとっとと会談してこいや!」

 劉備「丁、なんだか当たり強くないか?」

 義賢「そうかもしれませんね。あー、董白に逢いたい。牝愛も元気かな。はぁ」

 劉白「父上、我々の敵は馬超殿ではなく。その先にいる劉璋ですよ。母上や牝愛に逢いたいのはわかりますが」

 義賢「ふーん。じゃあ、お前は舞を近くに呼ばないんだな?」

 劉白「!?それとはこれとは」

 義賢「一緒だ」

 劉白「わかりました。馬超殿と協力関係が結べたらせめて我々の影響が及ぶ範囲、荊州か交州の郡に呼ぶぐらいなら良いかもしれません」

 義賢「流石、翼」

 龐統・徐庶「翼?」

 劉白「わー。何言ってるんですか父上。お二人ともなんでもありませんからね」

 陸遜「ですが殿、馬超と会談を設けるのは良い機会です」

 高覧「おっ。俺もちっちゃい軍師ちゃんに同感だ。昨日の馬超の妻と名乗っていた王異って人からも殺意は感じられなかった」

 龐統「アッシが思うに避けれる戦は避けるべきさ」

 徐庶「こちらはただでさえ遠征軍ですから兵も物資も限りがあります」

 義賢「まぁダメでモトモト。使者送るなら良いんじゃ」

 劉白「叔父上、猛将として知られる馬超殿と戦を避けられるのなら大きな利益となるかと」

 劉備「わかった。使者を出す」

 その頃、馬超軍内でも昨日のことで将兵たちがスッキリとしていた。

 馬超「王異、お前のお陰で昨日は」

 馬超の口元に手を当てる王異。

 王異「私も貴方の男らしさと笙鈴の可愛い姿を見られて、とても満足よ」

 楊笙鈴「王異姐様があんなに胸ばかり、弄るから」

 馬超「ずっと締め付けてきてすごく気持ちよかったぞ。これで子ができると良いが」

 楊笙鈴「そんな、私は反逆者の娘ですから。馬超様の子を身篭るなんて」

 王異「何、言ってるの!2人で旦那様を支えるって決めたじゃない。それは子育ても一緒にってことよ」

 馬超「そういうことだ。暫くほったらかしにしてすまなかったな」

 姜維「あの見せつけるのやめてもらっても構いませんか殿」

 馬超「姜維!?入る時は、声をかけろと」

 姜維「劉備殿から使者が来て、殿と会談をしたいとのことです。受けてくださるなら双方2人の護衛と軍師を連れた4人で中央で会談しようとのことです」

 馬超「わかった。こちらからは龐徳と閻行と姜維で向かおう」

 姜維「かしこまりました。恐らく向こうは」

 馬超「張飛殿と関羽殿と誰かであろうな。戦場で劉丁殿をお見かけしなかったので、今回は居ないのだろう」

 姜維「わかりました。俺から龐徳殿と閻行殿に伝えておきましょう」

 馬超「頼む」

 こうして、双方今この中央で向かい合っている。馬超軍からは、馬超と護衛の龐徳・閻行、そして軍師の姜維。劉備軍からは、劉備と護衛の張飛と関羽、そして軍師には龐統である。

 劉備「馬超殿、此度は会談を設けてくださり感謝する」

 馬超「頭を上げられよ劉備殿。俺は今や劉璋殿の客将、対する劉備殿は、徐州・荊州・交州を治める領主なのだから」

 劉備はその言葉を受けて顔を上げる。両雄の明暗を決める劉馬会談が始まろうとしていた。
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