えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。

揚惇命

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5章 天下統一

曹丕、献帝を監禁す

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 曹操の懐刀の従兄弟たちと臣下の子供を人質に取り、独裁的な政治を行うこととなった曹丕の次なる狙いは献帝の影響力を堕とすことであった。何故、それが必要だったか。このままでは、魏国内に献帝と曹丕という2人の王が存在するからである。曹丕には、それが我慢ならなかった。だが、霊帝という存在が出てきた以上、献帝の存在価値は増していた。漢という国の2人の王の存在。曹丕は、献帝が本物の漢の王であり、今出てきた霊帝は真っ赤な偽物であると民に宣言。多くの民がこの曹丕の言葉を信じ、日夜構わず献帝の元に訪れることとなる。曹丕の狙いは、こうして民によって献帝の動きを封じることであった。この曹丕の行動に腹を立てた献帝の懐刀である董承は、曹丕暗殺計画を立てる。しかし、董承の妻と下僕によって、曹丕に密告されることとなり、曹丕は自身の命を救った董承の妻と下僕の婚姻を認め、董承の館に攻め入った。

 献帝「父上、この状況で出てくるなんて、やっぱり僕はいつまでも誰かに頼ってばかりの存在のようだね」

 董承「そう、気を落とされますな献帝様。いや、劉協よ。大叔父であるワシが付いておる」

 献帝「頼りにしているよ大叔父上」

 外では、扉を叩く音の後から民たちの嘆願が後を立たない。その内容は。

 民男「偽物を許さないでください献帝様!魏王に命じて、霊帝の偽物を騙る不届者を討ち取って、お力をお示しください!」

 民女「献帝様!どうか、私たちの前に元気な姿を見せて、威厳を持って、魏王に命じてください!」

 民老「おお、献帝様が篭られるほどの心痛、痛み入りますぞ。何卒、何卒、我らの声を聞き届け、魏王に、討伐の詔を」

 真実を知っている献帝は全てぶちまけたかった。しかし、それをすれば、危機に瀕するのは自分自身だ。籠の中の鳥である以上、逆らうことはできない。かといって、父に対して討伐の詔を出すなどできようはずがない。こうして困るしかなかった。董承が曹丕暗殺計画を企てていることなど知らず献帝は、ただひたすら耐えていた。これが自分にできる精一杯の抵抗だと。

 董承「久々に抱いたがやはりお前は良いな」

 ???「あら、浮かない顔でどうしたのかしら?」

 董承「献帝様をどうやって守ろうかと考えていた。やはり、曹丕を暗殺するしかないか」

 ???「曹丕様を暗殺するだなんて、本気なの?」

 董承「あっいや。忘れてくれ。さぁ、もう寝よう」

 久々に抱かれた董承の妻といっても後妻でまだ歳若い彼女が歳老いた董承との情事に燃えることはなく。すっかり気持ちは、董承の下僕であり、逞しい身体と若々しさからくる荒々しい情事にのめり込んでいた。だからこれを好機だと捕らえたのである。

 この董承の後妻の名前を、雲英ウンエイ、下僕の名を秦慶童シンケイドウと言い、この暗殺計画を情事の最中に、話したのだ。

 雲英「あぁ。そこ、イイ。もっと、もっと荒ぶる程の激しさで私を貫いて~」

 秦慶童「ここか。ここが良いのか。あんなジジイとさっさと別れて、身も心も俺の妻になれ。奥の奥で出すからな。俺の愛を受け止めろ」

 雲英「ハァハァハァハァ。今日もすごく気持ちよかったわ秦慶童。もうすぐ貴方と一緒になれるの。だって、あのジジイったら曹丕様の暗殺計画なんて企てているんですもの」

 秦慶童「雲英様、その話は真ですか?」

 雲英「えぇ」

 秦慶童「その話を俺と一緒に曹丕様に報告してもらえますか?」

 雲英「構わないわ」

 情事の終わった後の秦慶童は好青年である。だが、その実態は、曹丕に仕え、董承と献帝の動きを見張る密偵だったのだ。彼にとって、計算外だったのが雲英の存在であった。彼は、本気で雲英に恋をしていた。だから、彼にとってもこれは好機だったのである。この密告を手柄として、曹丕様に雲英との婚姻を認めてもらうための。

 曹丕「秦慶童よ。今の話の信憑性を増す女がその者なのだな?」

 秦慶童「はっ。長く曹丕様のために密偵として、潜入して、やっと得られた情報がこの程度の体たらく、誠に申し訳ございません」

 曹丕「良い。その話が本当なら話を盛って、献帝を排除できるからな。して、女よお前は何者だ?」

 雲英「魏王様に名前を名乗るほどの者では」

 曹丕「良いから、名乗れ」

 雲英「董承の妻、雲英と申します」

 曹丕「何だと!?秦慶童、これはどういうことだ!」

 秦慶童「恐れながら、この雲英と俺は深く愛し合っております。雲英を通して、献帝の情報を得ていたことを報告しなかったことお許しください」

 曹丕「成程、女を使ってな。フハハハハ。流石だ。良いではないか。して、女よ。褒美に何を望む?」

 雲英「願うなら秦慶童との婚姻を」

 曹丕「ここまで籠絡させるとはやるではないか秦慶童!」

 秦慶童「お褒めに預かり光栄です」

 曹丕「良かろう。その情報は俺が1番欲していた物だ。これで献帝の動きを完全に封じれるのだからな。2人とも大義であった。これからも俺に仕え、この魏国の発展に尽力せよ」

 秦慶童「はっ。我が君」

 雲英「魏王様に生涯の忠誠を」

 こうして、董承の一族は、献帝の側妃である董貴人を残して、皆殺しとなるのだった。
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