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5章 天下統一
劉禅vs劉封
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義賢の定めた準備期間が終わり、観客も見守る中、劉封と劉禅による御前試合が行われる。
劉備「皆の者、よく集まってくれた。私が劉禅を後継者に定めたことよく思っていない者もいるだろう。そこで、本日、劉封と劉禅による御前試合を行ってもらうこととした。霊帝様、証人として立ち会わせることとなってしまったこと申し訳ありません」
霊帝「良い良い。それにしても御前試合は久々じゃな。昔は、袁紹と曹操。皇甫嵩と朱儁など。よく、ワシの前で、試合を見せてくれたものじゃ。劉封に劉禅よ。どちらが勝っても相手を敬う気持ちを忘れるでないぞ」
劉封「フン。今更、古狸が出てきて、帝などとしゃしゃるなよ」
劉禅「霊帝様の御前で、その言い方はダメだよ劉封兄上」
劉封「俺に兄上などと気安く呼ぶな簒奪者。俺が貰うものを横から強奪したクズが」
霊帝「やれやれ、殺す気満々じゃな。この場は御前試合、殺すことは許さぬと心得よ」
劉封「フン。俺が勝てば、後で殺すだけのことだ。政略上必要な孫尚香と歩練師は、奴隷とするがな」
劉禅「もう優しかった劉封兄上は居ないんですね」
劉封「優しかったことなど一度もない。俺はお前が産まれた時から心底憎いのだ。俺が受け継ぐはずだったものを横から全て掠め取り、のほほんとしている貴様がな!」
劉禅「民は国の礎。将は民の守護者。敬うべきは帝である霊帝様。そんなことも忘れてしまった劉封兄上が治める国は、民の笑顔のない国、僕はそんな悲しいのは望まない。劉封兄上が覇道で国を治めるというのなら僕は父上の王道を受け継いで、民と共に笑顔を分かち合う」
劉封「戯言だ。所詮、この世は乱世。王道などで国は治らん。覇道による圧倒的武力統治こそ史上」
劉禅「劉封兄上の進む道には味方の死骸よりも敵の死骸が多いんだろうね。でも、後ろを歩く人に笑顔は溢れない。僕の歩く道は、敵よりも味方の死骸が多いだろう。でも、道の先は明るいと信じてる」
劉封「フン。どこまで言っても所詮。貴様とは相いれぬ。ここで葬って、我が覇道の礎としてくれる」
劉禅「僕は劉封兄上を阻むよ。父上が笑顔溢れる国を作ろうとしている。その邪魔をするというのなら」
お互いの木刀が火花を散らしてぶつかり合う。
劉封「ほぉ。一撃で屠れると思っていたが中々やる。流石は、あの父の子だ。爪を隠していたな」
劉禅「そんなことないよ。今だって、劉封兄上の攻撃を受け止めるだけで精一杯さ」
劉封「兄などと呼ぶなと言ったな簒奪者!」
劉禅「ぐぐぐ」
大きく弾き飛ばされ、体勢を崩す劉禅の隙を的確について、突撃してくる劉封。
劉封「まぁ一撃で屠れなかったのは残念だが。所詮、この程度。死ね」
劉禅「尚香ねぇちゃんの笑顔を守るため。練ちゃんの笑顔を守るため。領民の笑顔を守るため。僕は絶対に負けられないんだ」
崩れた体勢から横に大きく転がり、劉封の一撃を交わす劉禅。
劉封「何!?だが、交わしているだけでは、勝機はないぞ。簒奪者」
劉禅「良し、砂攻撃。ダメだ。これは御前試合だから目潰しは禁止」
劉封「どうした。砂を掴んで、やってみろよ。簒奪者にお似合いの攻撃だろう」
劉禅「そんなことしないさ。正面から打ち崩すよ」
劉封「やれるものならやってみろ。簒奪者」
再び、火花を散らす打ち合いとなる。
劉封「正直、簒奪者風情がここまでできることに驚いている。裏で手でも貸してもらったか。揃いも揃って、俺が後継者となることが気に食わないようだなぁ!」
劉禅「うぐぐ。叔父上たちに鍛錬を願い出たのは僕の方だ。叔父上たちを悪く言うことは許さないぞ」
劉封「許す許さないで一騎討ちに勝てれば良いな簒奪者よ」
劉禅「うぐぐ」
そう、これは御前試合とはいえあくまで一騎討ち。
故に一度でも致命傷と捉えられるような攻撃を受ければ終わりだ。
劉禅は間一髪なところで幾度も致命傷となり得る攻撃を時には受け流し、受け流せない時は交わしていた。
劉封「ちょこまかと鬱陶しい!」
劉禅「劉封兄上に武では敵わないんだからこれぐらいは許してよ」
劉封「だから兄上などと呼ぶなと言ってるであろうが!」
劉禅「劉封兄上には可愛い息子がいるよね」
劉封「劉林のことを持ち出して俺を動揺させる腹づもりか簒奪者」
劉禅「劉封兄上は、子供も戦に巻き込むつもりかい?劉封兄上の強引なやり方では、国が治っても内乱だよ」
劉封「逆らうものなど全て打ち倒して仕舞えば良いのだ」
劉禅「何故、共に歩む道を模索しないんだ。彼らだって、将の前に父上に忠節を尽くす民なんだよ」
劉封「たわけが。武人は戦のことだけ考えて、国のために死ぬのが本望。それが嫌で反乱を起こすのなら全て殺して仕舞えば良い」
劉禅「その犠牲は、子供や奥さんに真っ先に降りかかることだって何故、わからないんだ」
劉封「知れたこと。武人の本懐は戦場で果ててこそ。女の役割は家で子供を育て、守ること。それで死ぬのなら本望だろうよ」
劉禅「劉封兄上には、家族の情さえ簡単に捨てられるんだね。わかったよ。劉封兄上の奥さんと子供は僕が責任を持って、養育するよ。勿論、あっちもね。劉封兄上のことなんて、忘れちゃったりして~」
劉封「成程、お前の手に終えるような女ではないぞ。黄朱美はな」
劉禅「僕のことを簒奪者なんて言う劉封兄上が良く卑しい身分の黄皓の娘を妻になんて迎え入れたよね」
劉封「俺の後ろ盾のことまで出して何が言いたい」
何故、劉禅が黄皓のことを持ち出したのか?
劉備「皆の者、よく集まってくれた。私が劉禅を後継者に定めたことよく思っていない者もいるだろう。そこで、本日、劉封と劉禅による御前試合を行ってもらうこととした。霊帝様、証人として立ち会わせることとなってしまったこと申し訳ありません」
霊帝「良い良い。それにしても御前試合は久々じゃな。昔は、袁紹と曹操。皇甫嵩と朱儁など。よく、ワシの前で、試合を見せてくれたものじゃ。劉封に劉禅よ。どちらが勝っても相手を敬う気持ちを忘れるでないぞ」
劉封「フン。今更、古狸が出てきて、帝などとしゃしゃるなよ」
劉禅「霊帝様の御前で、その言い方はダメだよ劉封兄上」
劉封「俺に兄上などと気安く呼ぶな簒奪者。俺が貰うものを横から強奪したクズが」
霊帝「やれやれ、殺す気満々じゃな。この場は御前試合、殺すことは許さぬと心得よ」
劉封「フン。俺が勝てば、後で殺すだけのことだ。政略上必要な孫尚香と歩練師は、奴隷とするがな」
劉禅「もう優しかった劉封兄上は居ないんですね」
劉封「優しかったことなど一度もない。俺はお前が産まれた時から心底憎いのだ。俺が受け継ぐはずだったものを横から全て掠め取り、のほほんとしている貴様がな!」
劉禅「民は国の礎。将は民の守護者。敬うべきは帝である霊帝様。そんなことも忘れてしまった劉封兄上が治める国は、民の笑顔のない国、僕はそんな悲しいのは望まない。劉封兄上が覇道で国を治めるというのなら僕は父上の王道を受け継いで、民と共に笑顔を分かち合う」
劉封「戯言だ。所詮、この世は乱世。王道などで国は治らん。覇道による圧倒的武力統治こそ史上」
劉禅「劉封兄上の進む道には味方の死骸よりも敵の死骸が多いんだろうね。でも、後ろを歩く人に笑顔は溢れない。僕の歩く道は、敵よりも味方の死骸が多いだろう。でも、道の先は明るいと信じてる」
劉封「フン。どこまで言っても所詮。貴様とは相いれぬ。ここで葬って、我が覇道の礎としてくれる」
劉禅「僕は劉封兄上を阻むよ。父上が笑顔溢れる国を作ろうとしている。その邪魔をするというのなら」
お互いの木刀が火花を散らしてぶつかり合う。
劉封「ほぉ。一撃で屠れると思っていたが中々やる。流石は、あの父の子だ。爪を隠していたな」
劉禅「そんなことないよ。今だって、劉封兄上の攻撃を受け止めるだけで精一杯さ」
劉封「兄などと呼ぶなと言ったな簒奪者!」
劉禅「ぐぐぐ」
大きく弾き飛ばされ、体勢を崩す劉禅の隙を的確について、突撃してくる劉封。
劉封「まぁ一撃で屠れなかったのは残念だが。所詮、この程度。死ね」
劉禅「尚香ねぇちゃんの笑顔を守るため。練ちゃんの笑顔を守るため。領民の笑顔を守るため。僕は絶対に負けられないんだ」
崩れた体勢から横に大きく転がり、劉封の一撃を交わす劉禅。
劉封「何!?だが、交わしているだけでは、勝機はないぞ。簒奪者」
劉禅「良し、砂攻撃。ダメだ。これは御前試合だから目潰しは禁止」
劉封「どうした。砂を掴んで、やってみろよ。簒奪者にお似合いの攻撃だろう」
劉禅「そんなことしないさ。正面から打ち崩すよ」
劉封「やれるものならやってみろ。簒奪者」
再び、火花を散らす打ち合いとなる。
劉封「正直、簒奪者風情がここまでできることに驚いている。裏で手でも貸してもらったか。揃いも揃って、俺が後継者となることが気に食わないようだなぁ!」
劉禅「うぐぐ。叔父上たちに鍛錬を願い出たのは僕の方だ。叔父上たちを悪く言うことは許さないぞ」
劉封「許す許さないで一騎討ちに勝てれば良いな簒奪者よ」
劉禅「うぐぐ」
そう、これは御前試合とはいえあくまで一騎討ち。
故に一度でも致命傷と捉えられるような攻撃を受ければ終わりだ。
劉禅は間一髪なところで幾度も致命傷となり得る攻撃を時には受け流し、受け流せない時は交わしていた。
劉封「ちょこまかと鬱陶しい!」
劉禅「劉封兄上に武では敵わないんだからこれぐらいは許してよ」
劉封「だから兄上などと呼ぶなと言ってるであろうが!」
劉禅「劉封兄上には可愛い息子がいるよね」
劉封「劉林のことを持ち出して俺を動揺させる腹づもりか簒奪者」
劉禅「劉封兄上は、子供も戦に巻き込むつもりかい?劉封兄上の強引なやり方では、国が治っても内乱だよ」
劉封「逆らうものなど全て打ち倒して仕舞えば良いのだ」
劉禅「何故、共に歩む道を模索しないんだ。彼らだって、将の前に父上に忠節を尽くす民なんだよ」
劉封「たわけが。武人は戦のことだけ考えて、国のために死ぬのが本望。それが嫌で反乱を起こすのなら全て殺して仕舞えば良い」
劉禅「その犠牲は、子供や奥さんに真っ先に降りかかることだって何故、わからないんだ」
劉封「知れたこと。武人の本懐は戦場で果ててこそ。女の役割は家で子供を育て、守ること。それで死ぬのなら本望だろうよ」
劉禅「劉封兄上には、家族の情さえ簡単に捨てられるんだね。わかったよ。劉封兄上の奥さんと子供は僕が責任を持って、養育するよ。勿論、あっちもね。劉封兄上のことなんて、忘れちゃったりして~」
劉封「成程、お前の手に終えるような女ではないぞ。黄朱美はな」
劉禅「僕のことを簒奪者なんて言う劉封兄上が良く卑しい身分の黄皓の娘を妻になんて迎え入れたよね」
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