えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。

揚惇命

文字の大きさ
489 / 821
5章 天下統一

毒の後始末といつもの日常

しおりを挟む
 張角が全員に解毒剤を渡して、中へと入り、半日後、中から出てきた。

 張角「即効性の毒のようじゃな。もう、心配はあるまい。中にいる男の胸に短刀が刺さっていたが。よぅ、気付いて逃げた。大手柄じゃ劉禅」

 劉禅「劉封兄上と話をしていたら急にあの男が襲いかかってきて、持ってた短刀で何とか返り討ちにできたんだけど。僕、嫌な感じがして」

 張角「そうであったか。梟、あの男の身元はわかるか?」

 梟「数日前に難民として入り込んできた男かと」

 張角「ふむぅ。民を想う、優しき劉備様への挑戦と捉えるべきじゃな。荀彧殿に伝えよ。難民の中に間者が紛れている。身だしなみのチェックを忘れるなとな」

 張宝「兄上ったら、すっかり義賢様から教えられた英語とやらを使いこなしていますね」

 張角「医者には必要じゃとか何とか言われたからのぉ。柊、劉封のカルテを取ってくれんか」

 柊「はい。こちらに」

 張角「ふむふむ。あれからもう5日経つのか。まだ身体から完全に毒の成分は抜けておらんか。まぁ、軽くなら運動を再開しても良いだろうといって欲しかったようだがまだ絶対安静だ。外に出て良いわけではないからな。無理は、せぬようにな」

 寇封「承知した」

 黄朱美「良かった。劉林を預けておいて、何かあったらと思うと」

 その頃、休憩室では、深夜勤務の面々が赤ちゃんの対応に追われていた。

 蕾「可愛いでちゅね~。蕾ママが来たでちゅよ~」

 劉林「プイ」

 蕾「あらあら、この喋り方は、お気に召さなかったでちゅか?赤ちゃんの扱いって難しいわね」

 椿「はぁ。全く、翔、手本を見せてあげなさい」

 翔「えっ俺?」

 椿「何、なんか文句あんの?」

 蓮「翔の奴、椿ねぇに言われてやんの」

 椿「蓮でも構わないのだけど」

 蓮「げっ。子供の扱いなんてわかるわけねぇだろ。親になったことすらねぇのに」

 翔「翔パパでちゅよ~」

 劉林「プイ」

 蓮「こっち向けやガキ」

 劉林「うわーん」

 椿「何、泣かせてんのよ。ほんと頼りにならない男どもね。よーしよし、もう大丈夫ですからね。怖いお兄ちゃんたちがごめんね~」

 劉林「キャッキャッ」

 椿の目が怪しく光ったのを見て、2人ともしてやられたことに気付く。

 翔「俺たちをダシに使ったんだ」

 蓮「俺たちが失敗した後、慰めて、赤ちゃんの支持を得るなんて、あんまりだぞ!」

 劉林「うわーん」

 椿「顔が怖い鬼さん達ですね~。豆を掴んで投げて退治してあげますからね~」

 翔「ちょっ。それ本気だって、痛いっての!」

 劉林「キャッキャッ」

 蓮「何笑ってんだ、オラァ。イテ、痛いって、椿姉さん!」

 劉林「キャッキャッ」

 椿「ほら、怖い鬼さんたちもこの通りですよ~」

 蕾「こんな手で、赤ちゃんを手懐けるとかないわ~」

 ガチャリと扉が開くと黄朱美が立っていた。

 黄朱美「皆さん、これから寝るところだったのに劉林の世話をしてもらって申し訳ありません」

 椿「良いんですよ。おとなしい良い子でしたよ~」

 蕾「堂々と嘘をついていく!」

 翔「やんちゃで手に。イテッ。イテッ。わかった分かりましたよ。おとなしい良い子でした」

 蓮「俺は負けんぞガ。あがががが。素晴らしく躾の行き届いた小僧でした」

 蕾「皆、丸め込まれてるし!」

 椿「というか、本来は今日非番の蕾が1人で見なきゃいけないと思うのだけど、休憩室に突撃してきて、どうしたらいいの~と泣いてたのはどこの誰かしら」

 蕾「泣いてないし!困ったのは本当だけど泣いてないし!」

 椿「それより、先程騒がしかったけど何かあったのかしら?」

 黄朱美がかいつまんで出来事を話す。

 蕾「それって療養施設に入院してる患者さん、ヤバくないですか?」

 椿「まぁ張角様が確認なさって、一室だけだったのなら問題ないんじゃないかしら。劉封様は劉備様の御子息ですから特別に個室でしたし」

 蕾「職権濫用すんなし!」

 翔「硬いこと言うなよ。俺たち、みーんな、劉備様には世話になってんだからよ。俺は許貢様の次に信頼できる大人だって思ってるぜ」

 蓮「いや、そこはダントツだろ。あんな優しい人見たことねぇよ。そもそも」

 張梁「おーい、もう寝ないと夜起きれなくなるぞ。あっ蕾、居たのか。これ寺に届けてきてくれ」

 蕾「あっそうだった。今は、芽衣さんが1人で切り盛りしてるんだっけ?あれっ結婚したんだっけ?了解でーす」

 劉宏が霊帝として、戻った後の寺の管理を任されたのは、目が見えない芽衣であったのだが、張角と華佗の手によって、無事に見えるようになり、陶応と婚姻して、2人で切り盛りしている。
 所謂、蕾は何一つ、まともに話聞いていないのがお分かりいただけたであろう。

 蕾「芽衣さーん、これ、ここに置いとくね~。あっ、ちゃんと手で渡さないとだった」

 芽衣「置いといてくださって大丈夫ですよ。主人が取りに行きますので」

 蕾「やっぱり、目が見えない人だったんだな。良し。じゃあ、置いておきまーす」

 一際、大きな声で。

 陶応「馬鹿野郎のチンチクリンが!ここは駆け込み寺で、子供がたくさんいるって毎回言ってんだろうが!良い加減、学びやがれ!」

 蕾「おっさん、誰?まさか、泥棒?」

 陶応「だぁ。っくそ。このやりとりも何回目だよ。俺は芽衣の旦那の陶応だって言ってんだろうが」

 蕾「ふーん。そうなんだ。じゃ、届けたんで、さいなら~」

 陶応「あの馬鹿、2度とくんじゃねぇ!」

 こうして、起きてきた子供の相手をさせられ、お母さんたちが起きるまで面倒を見させられる陶応であった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜

遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった! 木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。 「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」 そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-

ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。 1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。 わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。 だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。 これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。 希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。 ※アルファポリス限定投稿

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

​『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』

月神世一
SF
​【あらすじ】 ​「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」 ​ 坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。  かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。  背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。 ​ 目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。  鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。 ​ しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。  部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。 ​ (……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?) ​ 現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。  すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。  精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。 ​ これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。

処理中です...