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5章 天下統一
長安落城
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高幹は、騒ぎで出て行った衛固・范先・張琰・張晟の誰も戻らないことに違和感を感じていた。
高幹「誰も戻ってこないか。初めが火事騒ぎ。民衆があまりにも騒ぐから張晟が堪らず出て行った。次に間髪入れずに泥棒騒ぎ、火事の後、兵糧庫がハリボテだと気付いたため狙われたと張琰が飛び出した。次が喧嘩騒動、民衆が囃し立てるのが気に食わないと范先が飛び出して行った。そして最後が、人攫いか。ん?衛固は、確か遠い親戚の子供を探しに行ったと言っていたな?あの男と衛固、どう見ても似ていない。まさか!?これ全てが仕組まれていたことだとしたら!誰か誰かおらんか!」
返事をするものは誰もいない。
高幹「馬鹿な!?何が起きている?」
袁尚「久しぶりだね高幹。こんな形で再会したくなかったよ」
高幹「袁尚!?やはり、生きていたか。袁譚のやつに一杯食わされたものだ」
袁譚「その言い方、やはりお前は、早くから俺たちのことを売っていたのだな?」
高幹「叔父上が死んだ時に既にな。曹丕は、女に目がない。そして飽きるのも早い。甄姫の話をしたらすぐに乗ってきたさ」
袁煕「貴様!甄まで、利用したのだな」
高幹「当然だ。俺が成り上がるために駒は有効活用する。当然のことだ。しかし、あれ全てが仕組まれたことだったとは、やれやれ。気付くのに遅れたが故、ここまで密かに攻め込まれようとは、これは全く申し訳が立たんと言いたいところだが。お前たちは一つ見落とした。ここにいるのが子供の人質だけだとでも思ったか?ククク。ここにいるのは、曹仁や曹休や曹真、それに李典に楽進と言った魏を代表する将軍の妻も含まれているのだよ。その1人は何と。身重だそうでな。これだけで、どういう意味かわかるだろう?」
袁煕「この下衆が!妊娠しないことを良いことにそういうことに利用したとそう言っているのか!」
高幹「さて、どうだろうなぁ。兵士の慰み者として、犯され、生きているか。いやはや、死にたくなって死んだかもな」
袁尚「どうして、そこまで歪んだのです高幹?」
高幹「女・子供、弱者は良い。利用価値しかない。それに引き換え、俺たちはどうだ。成果を上げられなかったら、どんどんと信用を失う。常に示し続けなければ、利用価値すらない。だから俺は女・子供を利用して、成り上がることにしたのさ。子供には、お前らも含まれてるけどなぁ」
袁譚「そうか。話すことはそれだけか?挑発にしては、頑張ったでは無いか高幹」
高幹「アァ、何言ってんだ袁譚。テメェはずっと俺に利用される側なんだよ!」
袁譚「お前の話が真実だとして、将軍の奥方をそんな目に合わせたことが曹丕に知られればどうなる?お前は、そんな危険は犯さない。即ち、大事に隠し持っている。手厚くな。そして、それを交渉材料にしないのは、こちらに切り札を渡さないためだろう。違うか!」
高幹「うぐぐ」
袁煕「ぬわぁにぃ!?兄貴が冷静に裏の裏を読んでる!」
袁尚「袁煕兄さん、流石にその驚き方は失礼じゃ無いかな。アハハ」
高幹「んんん!さて、何のことやら。わからんなぁ」
袁譚「そうか。俺のことをみくびるなよ高幹。お前とは、長い付き合いだ。隠し場所がわからないとでも。お前は、大事なものは、すぐ側に置きたがる癖がある!即ち、お前の邸宅、そこに地下室でも作って、閉じ込めてるんだろう!」
高幹「ギクッ!!!!」
袁煕「ぬわぁにぃ!兄貴が兄貴が舌戦で、打ち負かしている!」
袁尚「アハハ。うん。凄いよね。筋肉だけだと思ってたもんね。でも、その驚き方は、失礼じゃ無いかな」
袁譚「お前たち、聞こえているぞ。俺とて袁紹の子、これぐらい朝飯前ということだ。能ある鷹は爪を隠すというだろう」
高幹「ぐぬぬぬぬぬ。かくなる上は、袁譚、貴様を殺して、袁煕も袁尚も殺す!」
袁譚「それの方が単純で俺は好きだ。かかって来い高幹!」
袁煕「ぬわぁにぃ!最後は、力任せかよ結局!」
袁尚「まぁ、これが袁譚兄さんらしいよね。アハハ」
高幹「我が名は高幹。貴様を殺して、長安を守る!」
袁譚「袁紹が子、袁譚。参る。高幹、貴様の首で、長安を制圧する」
長安城内で武器を振り回す高幹は、袁譚ではなく袁煕に向かって行った。
高幹「袁煕、先ずは貴様からだ!」
袁煕「うおっ。いきなりかよ。いやでも流石にそうだよな。一騎討ちとは言ってなかったもんな。名乗りはしてたけどよ!」
袁譚「何だ高幹、袋叩きが趣味だったのか。なら、願いを叶えてやろう」
高幹「待て待て、今のは気の迷いだって言ってんだろうが。うがぁぁぁぁぁ」
3人に鈍器でどつき回される高幹。
袁尚「高幹、これで暴力を振るわれる子供の気持ちが少しはわかりましたか?」
高幹「足も腕もうごかねぇ。ふざけんなよ。クソが」
袁煕「こりゃダメだ。死なないと治らない」
袁譚「煕、お前がやるか?」
袁煕「兄貴、良いのか?」
袁譚「あぁ、俺は拷問を受けたぐらいだ。だが、甄姫は、まぁその何だ曹丕に抱かれているわけだからな」
袁煕「ハッキリ言うなよ!そのことは考えないようにしてんだからよ。ったく。高幹、最後に言い残すことはあるか?」
高幹「テメェら、全員地獄に堕ちろ!」
袁煕「あー、何だ。地獄に堕ちんのは、テメェだろうが!」
力一杯、鈍器で殴り付けたのが致命傷となり、高幹は絶命した。
こうして、長安に蜀漢の旗を掲げた。
民衆の多くが搾取されていた魏からの解放に喜んでいた。
初めこそ曹丕を指示していたがいつの間にか税金は高くなり、戦争だと無理やり徴兵される生活に、参っていたのだ。
高幹「誰も戻ってこないか。初めが火事騒ぎ。民衆があまりにも騒ぐから張晟が堪らず出て行った。次に間髪入れずに泥棒騒ぎ、火事の後、兵糧庫がハリボテだと気付いたため狙われたと張琰が飛び出した。次が喧嘩騒動、民衆が囃し立てるのが気に食わないと范先が飛び出して行った。そして最後が、人攫いか。ん?衛固は、確か遠い親戚の子供を探しに行ったと言っていたな?あの男と衛固、どう見ても似ていない。まさか!?これ全てが仕組まれていたことだとしたら!誰か誰かおらんか!」
返事をするものは誰もいない。
高幹「馬鹿な!?何が起きている?」
袁尚「久しぶりだね高幹。こんな形で再会したくなかったよ」
高幹「袁尚!?やはり、生きていたか。袁譚のやつに一杯食わされたものだ」
袁譚「その言い方、やはりお前は、早くから俺たちのことを売っていたのだな?」
高幹「叔父上が死んだ時に既にな。曹丕は、女に目がない。そして飽きるのも早い。甄姫の話をしたらすぐに乗ってきたさ」
袁煕「貴様!甄まで、利用したのだな」
高幹「当然だ。俺が成り上がるために駒は有効活用する。当然のことだ。しかし、あれ全てが仕組まれたことだったとは、やれやれ。気付くのに遅れたが故、ここまで密かに攻め込まれようとは、これは全く申し訳が立たんと言いたいところだが。お前たちは一つ見落とした。ここにいるのが子供の人質だけだとでも思ったか?ククク。ここにいるのは、曹仁や曹休や曹真、それに李典に楽進と言った魏を代表する将軍の妻も含まれているのだよ。その1人は何と。身重だそうでな。これだけで、どういう意味かわかるだろう?」
袁煕「この下衆が!妊娠しないことを良いことにそういうことに利用したとそう言っているのか!」
高幹「さて、どうだろうなぁ。兵士の慰み者として、犯され、生きているか。いやはや、死にたくなって死んだかもな」
袁尚「どうして、そこまで歪んだのです高幹?」
高幹「女・子供、弱者は良い。利用価値しかない。それに引き換え、俺たちはどうだ。成果を上げられなかったら、どんどんと信用を失う。常に示し続けなければ、利用価値すらない。だから俺は女・子供を利用して、成り上がることにしたのさ。子供には、お前らも含まれてるけどなぁ」
袁譚「そうか。話すことはそれだけか?挑発にしては、頑張ったでは無いか高幹」
高幹「アァ、何言ってんだ袁譚。テメェはずっと俺に利用される側なんだよ!」
袁譚「お前の話が真実だとして、将軍の奥方をそんな目に合わせたことが曹丕に知られればどうなる?お前は、そんな危険は犯さない。即ち、大事に隠し持っている。手厚くな。そして、それを交渉材料にしないのは、こちらに切り札を渡さないためだろう。違うか!」
高幹「うぐぐ」
袁煕「ぬわぁにぃ!?兄貴が冷静に裏の裏を読んでる!」
袁尚「袁煕兄さん、流石にその驚き方は失礼じゃ無いかな。アハハ」
高幹「んんん!さて、何のことやら。わからんなぁ」
袁譚「そうか。俺のことをみくびるなよ高幹。お前とは、長い付き合いだ。隠し場所がわからないとでも。お前は、大事なものは、すぐ側に置きたがる癖がある!即ち、お前の邸宅、そこに地下室でも作って、閉じ込めてるんだろう!」
高幹「ギクッ!!!!」
袁煕「ぬわぁにぃ!兄貴が兄貴が舌戦で、打ち負かしている!」
袁尚「アハハ。うん。凄いよね。筋肉だけだと思ってたもんね。でも、その驚き方は、失礼じゃ無いかな」
袁譚「お前たち、聞こえているぞ。俺とて袁紹の子、これぐらい朝飯前ということだ。能ある鷹は爪を隠すというだろう」
高幹「ぐぬぬぬぬぬ。かくなる上は、袁譚、貴様を殺して、袁煕も袁尚も殺す!」
袁譚「それの方が単純で俺は好きだ。かかって来い高幹!」
袁煕「ぬわぁにぃ!最後は、力任せかよ結局!」
袁尚「まぁ、これが袁譚兄さんらしいよね。アハハ」
高幹「我が名は高幹。貴様を殺して、長安を守る!」
袁譚「袁紹が子、袁譚。参る。高幹、貴様の首で、長安を制圧する」
長安城内で武器を振り回す高幹は、袁譚ではなく袁煕に向かって行った。
高幹「袁煕、先ずは貴様からだ!」
袁煕「うおっ。いきなりかよ。いやでも流石にそうだよな。一騎討ちとは言ってなかったもんな。名乗りはしてたけどよ!」
袁譚「何だ高幹、袋叩きが趣味だったのか。なら、願いを叶えてやろう」
高幹「待て待て、今のは気の迷いだって言ってんだろうが。うがぁぁぁぁぁ」
3人に鈍器でどつき回される高幹。
袁尚「高幹、これで暴力を振るわれる子供の気持ちが少しはわかりましたか?」
高幹「足も腕もうごかねぇ。ふざけんなよ。クソが」
袁煕「こりゃダメだ。死なないと治らない」
袁譚「煕、お前がやるか?」
袁煕「兄貴、良いのか?」
袁譚「あぁ、俺は拷問を受けたぐらいだ。だが、甄姫は、まぁその何だ曹丕に抱かれているわけだからな」
袁煕「ハッキリ言うなよ!そのことは考えないようにしてんだからよ。ったく。高幹、最後に言い残すことはあるか?」
高幹「テメェら、全員地獄に堕ちろ!」
袁煕「あー、何だ。地獄に堕ちんのは、テメェだろうが!」
力一杯、鈍器で殴り付けたのが致命傷となり、高幹は絶命した。
こうして、長安に蜀漢の旗を掲げた。
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