548 / 821
5章 天下統一
曹丕と司馬懿の和解
しおりを挟む
曹操挙兵の知らせを聞き、仲違いしていた曹丕と司馬懿は和解して、曹操に当たることとする。
曹丕は、司馬懿との和解を邪魔する賈詡・夏侯玄だけでなく、逢紀・審配・郭図までも牢に繋ぎ、司馬懿と和解交渉を行う。
曹丕「フン。物資がなさそうな割には元気そうだな仲達」
司馬懿「しっかりと兵糧攻めしないと抜け道はいくらでもありますからな」
曹丕「まぁ、そんなことは今はどうでも良い。父が挙兵した件で、お互い同じ意見なのが気に食わんが。和解したいということで良いのだな?」
司馬懿「それは、こちらも同じこと。全ての責任を押し付け、俺を悪者にしたお前と再び轡を並べることになるとはな」
曹丕「お前が父を殺し損ねたのが原因であろうが」
司馬懿「それを言うなら貴様が献帝を蜀漢に奪われ大義を失ったのが原因であろう!」
鍾会「ちょっとちょっとお2人さん。今、責任の押し付け合いをしてる場合っすか?」
曹丕「そうだったな。父の暗殺もまともにできなかった暗殺者気取り」
鍾会「それは否定できないっすけど。暗殺者気取りは聞き捨てならないっす。暗殺者気取りじゃなくて、俺っちはそもそも暗殺者じゃないっすよ」
曹丕「そうかそうか。これは失礼した。暗殺者じゃないなら仲達の買ってる番犬であったな」
鍾会「言葉には気をつけた方が良いっすよ?」
秦慶童「そちらも暗殺者なら殺気は隠すべきだと思うが」
鍾会「チッ、厄介な相手が居るのを忘れてたっすよ」
秦慶童「司馬懿殿、貴殿は本当に我が君と和解をしにきたのか?口を開けば喧嘩腰、形だけでも頭を下げるのが礼儀ではないか?」
司馬懿「生憎、馬鹿に下げる頭など持ち合わせていないのでな」
曹丕「馬鹿に馬鹿と言われるとは心外だな」
司馬師「父よ。少しは、歩み寄る姿勢を見せるべきだ。父が失礼した。先ずは確認ですが曹丕様の元にも曹操挙兵の報が届いているのは、間違いありませんか?」
曹丕「仲達と違って、できた奴のようだな。あぁ。それに関しては、間違いない。許昌で行方をくらませたと聞いて、死んだと思っていたのだがな。よりにもよって、暗殺すらまともにできん馬鹿だったとは」
司馬懿「霊帝の存在が明るみとなった今、献帝の価値すら見極められぬ馬鹿に言われたくはないが」
司馬師「曹丕様、父に対して恨み言を言いたい気持ちはわかりますが、ここは双方の和解の場であり、共に曹操に当たるための場。話が先に進みませんので、余計な発言は慎まれますよう」
曹丕「いいだろう。お前の顔を立ててやる。できた息子に感謝するんだな仲達」
司馬懿「はいはい。托卵された子を実の子として馬鹿正直に育てた挙句、奪われた人の言う言葉は重みがありますな」
曹丕「仲達、言ってくれたものだ。証拠が無い以上、曹叡は、俺の子だ」
司馬師「父よ。そんな調子で本当に和解する気があるのか?」
司馬懿「俺は、責任を押し付けた恨みを忘れん。できることなら和解などしたくも無い。仕方がないだけのことだ」
曹丕「それは俺とて同じだ。できることなら貴様となど和解したくもない。だが、相手が父となれば話は別だ。共通の敵を前に仕方がないと割り切っただけのこと」
鍾会が司馬師に小声で耳打ちする。
鍾会「あの2人って実は似たもの同士なんじゃないっすか?こんなことにならなければ、親友同士になるぐらいに仲が良く見えるっすよ」
司馬師「俺も同じことを考えていた」
曹丕「本当に本意ではないが父に対するために和解してやる」
司馬懿「こちらも本意ではないが曹操に対するために仕方なく和解してやろう」
曹丕「父が挙兵した兵はせいぜい10万。こちらは華北の兵100万と兗州の兵30万の合わせて130万。負けるわけがない」
司馬懿「そう言う意味では、お互い睨み合いをしていて、兵を失わなかったのは良かったかもしれませんな。持久戦を仕掛けた俺の先見の明に感謝してもらいたいものだ」
曹丕「一思いに潰せるのに、持久戦に付き合った我らを褒めるべきだろう」
司馬懿「攻める有効な手が無くて、ビクビクと城で震えてたの間違いではありませんかな」
曹丕「戦を仕掛けたは良いが、あんなに兵がいるなんて聞いてないよ~暫く様子見してやり過ごそうなんて臆病風に吹かれた人間の言う言葉は、やっぱり違うな」
司馬懿「そんなわけなかろう!」
曹丕「キャンキャン、喚くなよ。さては図星か?」
司馬懿「そんなわけなかろう。計画的戦略だ」
曹丕「そう言うことにしておいてやろう」
司馬懿「130万対10万ならここで確実に曹操を葬るべきであろうな。幸い、蜀漢はワシと取引している以上、手出しはできん」
曹丕「相変わらず裏工作の得意なことだ。だが、今回ばかりは褒めてやるぞ」
司馬懿「貴様と戦っている間に背後を突かれたくなかっただけのこと。裏工作などと到底呼べるものではない」
鍾会「ちょっと待つっすよ。曹丕様、鄧艾の奴はどうしてるっす?」
曹丕「鄧艾?あぁ、アイツなら牢屋の門番をさせているが」
鍾会「何してるっすか!こんな状況、鄧艾が放っておくはずないっす。急いで、行動を制限しないと最悪の事態が起こるっすよ!」
曹丕「何だと!?」
司馬懿「またやらかすとはな」
急いで牢屋に向かった曹丕たちであったが牢屋に囚われていた司馬昭・夏侯玄・賈詡の姿はなく、気絶している逢紀・審配・郭図の姿があるのみだった。
曹丕は、司馬懿との和解を邪魔する賈詡・夏侯玄だけでなく、逢紀・審配・郭図までも牢に繋ぎ、司馬懿と和解交渉を行う。
曹丕「フン。物資がなさそうな割には元気そうだな仲達」
司馬懿「しっかりと兵糧攻めしないと抜け道はいくらでもありますからな」
曹丕「まぁ、そんなことは今はどうでも良い。父が挙兵した件で、お互い同じ意見なのが気に食わんが。和解したいということで良いのだな?」
司馬懿「それは、こちらも同じこと。全ての責任を押し付け、俺を悪者にしたお前と再び轡を並べることになるとはな」
曹丕「お前が父を殺し損ねたのが原因であろうが」
司馬懿「それを言うなら貴様が献帝を蜀漢に奪われ大義を失ったのが原因であろう!」
鍾会「ちょっとちょっとお2人さん。今、責任の押し付け合いをしてる場合っすか?」
曹丕「そうだったな。父の暗殺もまともにできなかった暗殺者気取り」
鍾会「それは否定できないっすけど。暗殺者気取りは聞き捨てならないっす。暗殺者気取りじゃなくて、俺っちはそもそも暗殺者じゃないっすよ」
曹丕「そうかそうか。これは失礼した。暗殺者じゃないなら仲達の買ってる番犬であったな」
鍾会「言葉には気をつけた方が良いっすよ?」
秦慶童「そちらも暗殺者なら殺気は隠すべきだと思うが」
鍾会「チッ、厄介な相手が居るのを忘れてたっすよ」
秦慶童「司馬懿殿、貴殿は本当に我が君と和解をしにきたのか?口を開けば喧嘩腰、形だけでも頭を下げるのが礼儀ではないか?」
司馬懿「生憎、馬鹿に下げる頭など持ち合わせていないのでな」
曹丕「馬鹿に馬鹿と言われるとは心外だな」
司馬師「父よ。少しは、歩み寄る姿勢を見せるべきだ。父が失礼した。先ずは確認ですが曹丕様の元にも曹操挙兵の報が届いているのは、間違いありませんか?」
曹丕「仲達と違って、できた奴のようだな。あぁ。それに関しては、間違いない。許昌で行方をくらませたと聞いて、死んだと思っていたのだがな。よりにもよって、暗殺すらまともにできん馬鹿だったとは」
司馬懿「霊帝の存在が明るみとなった今、献帝の価値すら見極められぬ馬鹿に言われたくはないが」
司馬師「曹丕様、父に対して恨み言を言いたい気持ちはわかりますが、ここは双方の和解の場であり、共に曹操に当たるための場。話が先に進みませんので、余計な発言は慎まれますよう」
曹丕「いいだろう。お前の顔を立ててやる。できた息子に感謝するんだな仲達」
司馬懿「はいはい。托卵された子を実の子として馬鹿正直に育てた挙句、奪われた人の言う言葉は重みがありますな」
曹丕「仲達、言ってくれたものだ。証拠が無い以上、曹叡は、俺の子だ」
司馬師「父よ。そんな調子で本当に和解する気があるのか?」
司馬懿「俺は、責任を押し付けた恨みを忘れん。できることなら和解などしたくも無い。仕方がないだけのことだ」
曹丕「それは俺とて同じだ。できることなら貴様となど和解したくもない。だが、相手が父となれば話は別だ。共通の敵を前に仕方がないと割り切っただけのこと」
鍾会が司馬師に小声で耳打ちする。
鍾会「あの2人って実は似たもの同士なんじゃないっすか?こんなことにならなければ、親友同士になるぐらいに仲が良く見えるっすよ」
司馬師「俺も同じことを考えていた」
曹丕「本当に本意ではないが父に対するために和解してやる」
司馬懿「こちらも本意ではないが曹操に対するために仕方なく和解してやろう」
曹丕「父が挙兵した兵はせいぜい10万。こちらは華北の兵100万と兗州の兵30万の合わせて130万。負けるわけがない」
司馬懿「そう言う意味では、お互い睨み合いをしていて、兵を失わなかったのは良かったかもしれませんな。持久戦を仕掛けた俺の先見の明に感謝してもらいたいものだ」
曹丕「一思いに潰せるのに、持久戦に付き合った我らを褒めるべきだろう」
司馬懿「攻める有効な手が無くて、ビクビクと城で震えてたの間違いではありませんかな」
曹丕「戦を仕掛けたは良いが、あんなに兵がいるなんて聞いてないよ~暫く様子見してやり過ごそうなんて臆病風に吹かれた人間の言う言葉は、やっぱり違うな」
司馬懿「そんなわけなかろう!」
曹丕「キャンキャン、喚くなよ。さては図星か?」
司馬懿「そんなわけなかろう。計画的戦略だ」
曹丕「そう言うことにしておいてやろう」
司馬懿「130万対10万ならここで確実に曹操を葬るべきであろうな。幸い、蜀漢はワシと取引している以上、手出しはできん」
曹丕「相変わらず裏工作の得意なことだ。だが、今回ばかりは褒めてやるぞ」
司馬懿「貴様と戦っている間に背後を突かれたくなかっただけのこと。裏工作などと到底呼べるものではない」
鍾会「ちょっと待つっすよ。曹丕様、鄧艾の奴はどうしてるっす?」
曹丕「鄧艾?あぁ、アイツなら牢屋の門番をさせているが」
鍾会「何してるっすか!こんな状況、鄧艾が放っておくはずないっす。急いで、行動を制限しないと最悪の事態が起こるっすよ!」
曹丕「何だと!?」
司馬懿「またやらかすとはな」
急いで牢屋に向かった曹丕たちであったが牢屋に囚われていた司馬昭・夏侯玄・賈詡の姿はなく、気絶している逢紀・審配・郭図の姿があるのみだった。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる