えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。

揚惇命

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5章 天下統一

曹植の協力

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 曹植と崔華美は、当然キスをするだけではおさまらずそのまま。

 監視の兵「曹植、お前に新たな面会希望者だ。扉を開けるぞ」

 曹植「まっへ」

 その言葉を聞かずに後ろを向き扉に手をかけた監視の兵の首筋に鋭い手刀が当てられる。

 監視の兵「ガハッ。まさか!?曹操、の、手、の、者」

 それを最後に気絶して一歩も動けなくなる。

 曹彰「俺だ入るぞ。植!」

 曹植「その声は、曹彰兄さんかい?」

 曹彰「おぅ。入るぞってお前」

 扉を開け放ち、曹植が崔華美に覆い被さっている光景を見て、曹彰はニタァと笑みを浮かべる。

 曹彰「監視されてる身で随分と宜しくやってるじゃねぇの」

 曹植「こ、これは違うんだ」

 崔華美「違うんですか?」

 曹植「違わない。違わないけど違うんだ」

 崔華美「どっちなんです?」

 曹植「華美としたくなったのは、事実だ。だが場所を選ばなかったのは、悪かった」

 崔華美「私もしたいので構いませんよ」

 曹彰「いやいや、俺のこと忘れてんのかーい。俺も帰って、孫杏子ソンアンズの奴と」

 ここで孫杏子という人物について少し解説したいと思う。
 孫策の勢いが凄まじかった頃、曹操が曹仁の娘を孫匡の妻に孫賁ソンホンの娘を曹彰の妻にする事で、双方不干渉の約定を結んだ。
 その孫賁の娘が孫杏子である。
 では、本編の続きをどうぞ。
 曹彰の言葉を聞いて、曹植が崔華美に耳打ちすると合図の言葉を発する。

 曹植「せぇーの」

 曹植・崔華美「どうぞ。どうぞ」

 蔡文姫・羊祜「どうぞ。どうぞ」

 釣られて、蔡文姫と羊祜にも言われる。

 曹彰「じゃねぇよ!もう乗せられねぇからな」

 曹植「その言い方だと、曹彰兄さん。相変わらず誰かに乗せられたわけだ」

 曹彰「いや、俺の意思。俺の意思に決まってんだろ」

 曹植「えっホントかなぁ。曹丕兄上を恐れてお隠れになった曹彰兄さんが出てきたってことは、曹丕兄上に何かあったんでしょ?ひょっとして、司馬懿と仲違いして殺された?」

 曹彰「仲違いしたのは事実だがよ。ってお前平然としすぎだろ。いくら嫌いでも顔に出すんじゃねえよ。まぁ、なんだ。その後、親父と対するために何食わぬ顔で、司馬懿と仲直り、事に当たろうとしたところで民衆反乱、捕えられて裸で吊るされて、見世物にされてらぁ」

 曹植「ここ鄴で曹丕兄上が裸で吊るされている?この目で見ないと信じられないような話だね。で、それがホントならざまぁって感じだな」

 曹彰「おぅおぅ。なら見に行くか。ってお前なぁ。仮にも同じ母から産まれてるわけなんだからよ。そう邪険に扱ってやんなよな。それは、ともかくとしてだ。ちょっと協力してもらいたい事があって、ここに来たんだからよ」

 曹植「曹丕兄上のせいで、この国が混乱したんだから。これぐらい言わせてもらわないと。で、曹彰兄さんが曹丕兄上に取って代わるから補佐しろって事なら断るよ。父上が来てるなら父上に任せるのが1番良いと思うからね」

 曹彰「俺が頭の器かよ。兄貴ほど馬鹿じゃねぇよ。俺だって親父に任せるのが1番だと思うしな」

 曹植「へぇ。そこは考えてんだ。意外。だって、知恵比べしたら曹彰兄さんは曹丕兄上に遠く及ばない馬鹿だよ」

 曹彰「うっせぇ。うっせぇ。うっせぇわ!お前は一言余計です!」

 曹植「です。ほら育ちの良さが出ちゃってるよ曹彰兄さん。で、曹彰兄さんを揶揄うのは楽しいんだけど。さっき、僕に乗ってくれた後ろの2人をそろそろ紹介してもらっても良いかな?」

 曹彰「いや、本題に入らなかったのは、ほぼお前のせいなんだわ!はぁ。ったくよ。疲れるぜ。こっちの2人は、蔡文姫と羊祜、つってよ。協力者だ。イテテテテ。蔡文姫お姉様と羊祜坊ちゃんです」

 蔡文姫「全く、弟の前で格好付けたいのはわかりますが、全然なってませんよ。素直が1番だと教えたはずです」

 羊祜「坊ちゃん呼びはやめて欲しいかな。アハハ」

 曹彰「はい。蔡文姫お姉様!」

 蔡文姫「返事だけは一丁前ね。初めまして、匈奴で女軍師をしています蔡文姫と申します。こちらは、私の甥で」

 羊祜「羊祜と言います。蔡文姫叔母様、共々宜しくお願い致します」

 蔡文姫「ほら見なさい。羊祜はきちんと挨拶できるのよ。それをそもそも何をしに来たのかも忘れるほど話し合うとか何を考えてるのかしら。昔の話に花を咲かせたいなら2人の時にするものよ」

 曹彰「申し訳ございません蔡文姫お姉様!」

 曹植「匈奴のそれで曹彰兄さんがこんなに。ねぇ」

 曹彰「こっちを見ないでくれ。蔡文姫お姉様は本当に恐ろしいんだ。それでいて、野蛮な蛮族の当主に嫁いでるだけあって、胆力も半端じゃない」

 蔡文姫「聞こえてるわよ~曹彰」

 曹彰「ひぃっ。蛮族と蔑まれながらも由緒正しき漢室の人間で在らせられる劉豹様に嫁がれた素晴らしい女性なのだ」

 蔡文姫「あら~きちんと訂正できて偉いわね~とでも言うと思ったのかしら?うちの主人のことを蛮族呼びした落とし前はどう付けるのかしら?」

 曹彰「曹植と喜んで、この華北を代理で治めますからどうか心にもない言葉が出てきたことはお許しください蔡文姫お姉様!」

 曹植「なんで、僕も」

 曹彰「頼む。今ので、わかっただろ怒らせると本当に怖い鬼女なんだ」

 蔡文姫「鬼女ねぇ?」

 曹彰「こ、これは例えでありまして、その他意は、他意は。あべし!」

 曹植「曹彰兄さんが一撃で」

 曹植は一瞬で理解した。
 この人は怒らせてはならない。
 そして、逆らってはダメだ。

 蔡文姫「あら、ごめんなさいね。目の前に蝿が居たものだから。オホホホホ」

 曹植「喜んで、協力させていただきます蔡文姫お姉様!」

 蔡文姫「あら、そう。もっと、手こずると聞いていたのだけど」

 曹植「とんでもありません!わざわざ、訪ねていただいて、解放までしてくださったのです。喜んで協力させていただきます!」

 蔡文姫「あら、ホント。嬉しいわ。じゃあ、いきましょうか」

 蔡文姫は仰向けで、悶絶している曹彰を踏みつけながら、曹植らとその場を後にする。

 曹彰「なんで、なんで、俺ばっかりお笑い枠なんだよ~~~~」

 そんな悲痛な叫び声を上げる曹彰であった。
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