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5章 天下統一
費禕の報告
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郭脩と黄元を霊帝と劉備の御前で、罰した後、張嶷に連れられて費禕は劉備と会談していた。
劉備「だいぶ待たせてしまったな。費禕よ」
費禕「いえいえ、構いませんよ。それにしても大変なことに巻き込まれたものです」
張嶷「相変わらずの方向音痴っぷりでしたがここまでどうやって?」
費禕「陶商殿に運んでもらって居たのですが入り口まで行ければ大丈夫だと過信してしまいました。アッハッハッハ」
張嶷「笑い事ではない気が。一向に会えなければどうするつもりだったのか?」
費禕「それは、考えてませんでしたね。まぁ、何とかなるかと。結果、こうして何とかなりましたし」
張嶷「行き当たりばったり過ぎかと」
費禕「人生は楽しむものです。まぁ、今夏は災難に巻き込まれましたが。それにしてもあの郭脩とかいう男、こんなものまで隠し持っているとは思いませんでしたよ」
費禕が取り出したのは、ナイフが射出される暗器だ。
劉備「費禕よ。それは何だ?」
費禕「短剣が飛び出す精巧に作られた道具のようです」
張嶷「それで、張翼が取り押さえていた男の喉元にいきなり短剣が飛んできたのか」
劉備「郭脩を連れてきた時の報告の件か」
張嶷「はい。郭脩が殺したのは、状況から判断するに確かなのですがその証拠がわかりませんでした」
費禕「まぁ、こんなもの隠し持ってるなんて、普通は思いませんからね。張嶷殿でも迷うのは、当たり前ですよ」
張嶷「ちょっと待て、費禕殿はどうしてこれを?」
費禕「それは勿論、堂々と使われたので、捕らえられる前にちょいと拝借をね」
張嶷「それを証拠隠滅と言うのですが。やれやれ、費禕殿」
劉備「まぁ、警ら隊の者らに被害がなかったのなら未然に防いだとして多めに見てやるが良い張嶷よ」
張嶷「それは当然です」
費禕「それにしてもこのような兵器を作る人間がいるとは、彼は一体どこの人間なんでしょうね。興味が尽きませんよ」
張嶷「牢屋には、近付かないでください。まだ何か隠し持っている可能性も」
費禕「そんなことしませんよ。どうやら私は誰か居ないと迷子になる癖が治って居ませんでしたからね。アッハッハッハ」
劉備「笑い事ではない気がするのだが。だがそうなると案内役が必要だろう。お前はまだ若い、良い子は居るのか?」
費禕「私のような両親を早くに亡くした身分の低い者に嫁ぎたい者などおりませんよ」
劉備「では、我が娘はどうだ?」
費禕「正気ですか?」
劉備「私が何も知らないとでも思ったか?お前の大叔父に当たる人間の姑が劉璋の母であった事は既に調べて知っている」
費禕「これは参りました。劉備様には知られたく無かったのですが」
劉備「私を侮らない事だ。そして、劉璋の外戚だからとお前を遠ざけることもない。私が目指す世とは、徳によって国を治める王道だ。ゆえにお前も家族に迎え入れたいのだ」
費禕「そこまで言われては断りきれませんね。お受けしましょう」
劉備「受けてくれるか。では、鈴と蘭華を」
費禕「2人もですか?」
劉備「いや、男女の仲には相性というものがあるらしい。それゆえに政略結婚には反対だと丁の奴に言われてな」
費禕「本当に不思議な方です。彼のお人は。かつて劉循様にも便宜を図ってくださいました」
劉備「私が迷わず進めるのは丁のお陰だ。ゆえにその意見はもっともだと思ってな。勿論、娘が気に入らないのなら断ってくれても構わん。適齢期だと言うのに2人とも誰に似たのか聡明でじゃじゃ馬だ」
費禕「わかりました。きちんと判断します。それでは。あ!そうでした!肝心なご報告のことをすっかり忘れておりました。南蛮王から良いお返事を頂きまして、蜀漢に従属ではなく加わりたいと。つきましては、南蛮王の娘と劉備様の義兄弟の関羽殿の御子息の婚姻をお願いしたいと」
劉備「私の息子ではなく雲長の?」
費禕「はい。南蛮王は兎に角武名が轟いてる御方が好ましいそうで、軍神と名高い関羽殿の御子息なら申し分ないと」
劉備「雲長より俺の方が強いのだが。はぁ。やはり前線を離れるのはつまらない」
内政的なものだったのが外務も絡むこととなったので、隣で黙ってこの話を聞いていた霊帝もこの話に加わる。
霊帝「劉備よ。それが上に立つ者の責務ということだ」
劉備「放棄されたことのある霊帝様の言葉では、説得力が」
霊帝「ムムム。劉備よ。それは言うでない。ゴホン。費禕よ。南蛮王に伝えよ。それをお受けするには、やはり双方、一度会う機会を設けたいと」
費禕「霊帝様も劉丁殿を立てると?」
霊帝「彼奴は、ワシの可愛い孫婿ゆえなと言えば説得力は無かろうな。ワシもこう考えておる。結婚するのならお互い好ましい相手が良いとな」
費禕「わかりました。そのようにお伝えします。劉循様がその場のノリで余計なことをしていないことを祈りますが」
劉備「それも彼奴の良いところであろう。誰とでも仲良くなれる優秀な」
費禕「振り回されるこちらはたまった者ではありませんよ。まぁ、でも私もそれに巻き込まれた側ですが。それでは、失礼します」
劉備「うむ。張嶷よ。費禕を我が娘たちのところへ案内せよ」
張嶷「はっ。かしこまりました」
2人が去ると霊帝の後ろから諸葛亮が出てきた。
諸葛亮「どうです玄徳殿。私の言った通り、聡明な人物でしょう?」
劉備「うむ。我が娘の旦那に相応しかろう。だが、あのじゃじゃ馬どもが気にいるかどうか。納得しない婚姻などさせようものなら丁の奴に何を言われるか」
諸葛亮「劉丁殿もきっとわかってくださいますよ」
劉備「最終的には納得しよう。だが、それが本心か。いや、やめておこう」
こうして、南蛮の併合が進む中、牢屋ではまた問題が起ころうとしていた。
劉備「だいぶ待たせてしまったな。費禕よ」
費禕「いえいえ、構いませんよ。それにしても大変なことに巻き込まれたものです」
張嶷「相変わらずの方向音痴っぷりでしたがここまでどうやって?」
費禕「陶商殿に運んでもらって居たのですが入り口まで行ければ大丈夫だと過信してしまいました。アッハッハッハ」
張嶷「笑い事ではない気が。一向に会えなければどうするつもりだったのか?」
費禕「それは、考えてませんでしたね。まぁ、何とかなるかと。結果、こうして何とかなりましたし」
張嶷「行き当たりばったり過ぎかと」
費禕「人生は楽しむものです。まぁ、今夏は災難に巻き込まれましたが。それにしてもあの郭脩とかいう男、こんなものまで隠し持っているとは思いませんでしたよ」
費禕が取り出したのは、ナイフが射出される暗器だ。
劉備「費禕よ。それは何だ?」
費禕「短剣が飛び出す精巧に作られた道具のようです」
張嶷「それで、張翼が取り押さえていた男の喉元にいきなり短剣が飛んできたのか」
劉備「郭脩を連れてきた時の報告の件か」
張嶷「はい。郭脩が殺したのは、状況から判断するに確かなのですがその証拠がわかりませんでした」
費禕「まぁ、こんなもの隠し持ってるなんて、普通は思いませんからね。張嶷殿でも迷うのは、当たり前ですよ」
張嶷「ちょっと待て、費禕殿はどうしてこれを?」
費禕「それは勿論、堂々と使われたので、捕らえられる前にちょいと拝借をね」
張嶷「それを証拠隠滅と言うのですが。やれやれ、費禕殿」
劉備「まぁ、警ら隊の者らに被害がなかったのなら未然に防いだとして多めに見てやるが良い張嶷よ」
張嶷「それは当然です」
費禕「それにしてもこのような兵器を作る人間がいるとは、彼は一体どこの人間なんでしょうね。興味が尽きませんよ」
張嶷「牢屋には、近付かないでください。まだ何か隠し持っている可能性も」
費禕「そんなことしませんよ。どうやら私は誰か居ないと迷子になる癖が治って居ませんでしたからね。アッハッハッハ」
劉備「笑い事ではない気がするのだが。だがそうなると案内役が必要だろう。お前はまだ若い、良い子は居るのか?」
費禕「私のような両親を早くに亡くした身分の低い者に嫁ぎたい者などおりませんよ」
劉備「では、我が娘はどうだ?」
費禕「正気ですか?」
劉備「私が何も知らないとでも思ったか?お前の大叔父に当たる人間の姑が劉璋の母であった事は既に調べて知っている」
費禕「これは参りました。劉備様には知られたく無かったのですが」
劉備「私を侮らない事だ。そして、劉璋の外戚だからとお前を遠ざけることもない。私が目指す世とは、徳によって国を治める王道だ。ゆえにお前も家族に迎え入れたいのだ」
費禕「そこまで言われては断りきれませんね。お受けしましょう」
劉備「受けてくれるか。では、鈴と蘭華を」
費禕「2人もですか?」
劉備「いや、男女の仲には相性というものがあるらしい。それゆえに政略結婚には反対だと丁の奴に言われてな」
費禕「本当に不思議な方です。彼のお人は。かつて劉循様にも便宜を図ってくださいました」
劉備「私が迷わず進めるのは丁のお陰だ。ゆえにその意見はもっともだと思ってな。勿論、娘が気に入らないのなら断ってくれても構わん。適齢期だと言うのに2人とも誰に似たのか聡明でじゃじゃ馬だ」
費禕「わかりました。きちんと判断します。それでは。あ!そうでした!肝心なご報告のことをすっかり忘れておりました。南蛮王から良いお返事を頂きまして、蜀漢に従属ではなく加わりたいと。つきましては、南蛮王の娘と劉備様の義兄弟の関羽殿の御子息の婚姻をお願いしたいと」
劉備「私の息子ではなく雲長の?」
費禕「はい。南蛮王は兎に角武名が轟いてる御方が好ましいそうで、軍神と名高い関羽殿の御子息なら申し分ないと」
劉備「雲長より俺の方が強いのだが。はぁ。やはり前線を離れるのはつまらない」
内政的なものだったのが外務も絡むこととなったので、隣で黙ってこの話を聞いていた霊帝もこの話に加わる。
霊帝「劉備よ。それが上に立つ者の責務ということだ」
劉備「放棄されたことのある霊帝様の言葉では、説得力が」
霊帝「ムムム。劉備よ。それは言うでない。ゴホン。費禕よ。南蛮王に伝えよ。それをお受けするには、やはり双方、一度会う機会を設けたいと」
費禕「霊帝様も劉丁殿を立てると?」
霊帝「彼奴は、ワシの可愛い孫婿ゆえなと言えば説得力は無かろうな。ワシもこう考えておる。結婚するのならお互い好ましい相手が良いとな」
費禕「わかりました。そのようにお伝えします。劉循様がその場のノリで余計なことをしていないことを祈りますが」
劉備「それも彼奴の良いところであろう。誰とでも仲良くなれる優秀な」
費禕「振り回されるこちらはたまった者ではありませんよ。まぁ、でも私もそれに巻き込まれた側ですが。それでは、失礼します」
劉備「うむ。張嶷よ。費禕を我が娘たちのところへ案内せよ」
張嶷「はっ。かしこまりました」
2人が去ると霊帝の後ろから諸葛亮が出てきた。
諸葛亮「どうです玄徳殿。私の言った通り、聡明な人物でしょう?」
劉備「うむ。我が娘の旦那に相応しかろう。だが、あのじゃじゃ馬どもが気にいるかどうか。納得しない婚姻などさせようものなら丁の奴に何を言われるか」
諸葛亮「劉丁殿もきっとわかってくださいますよ」
劉備「最終的には納得しよう。だが、それが本心か。いや、やめておこう」
こうして、南蛮の併合が進む中、牢屋ではまた問題が起ころうとしていた。
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