えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。

揚惇命

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5章 天下統一

羅憲隊の統率力の高さ

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 劉循の指揮下に入る羅憲隊だが実質独立友軍的立ち位置であった。
 南蛮軍によって、包囲に穴が生まれ、その隙を容赦なく突き、撃破していく羅憲隊に、厳顔だけでなく張任も感心していた。

 厳顔「あんな若者がこの益州に昔居たとはのぉ」

 張任「優秀なものから逃げていく。改めて思う。劉璋様のことを盲目に信じていたあの頃の自分もまた同罪なのだなと」

 鮑礼「だが、貴方は最期には主君の介錯を務められた。立派な御仁と思うが」

 鮑義「しかし、これだけの数が武装蜂起するとは、精卵教とは、ここまでの勢力であっただろうか」

 フラフラと歩いてきて、狂ったように言葉を発する精卵教の男。

 信者A「不埒なものどもに業火の炎を」

 張任「アイツ、まさか火を!」

 信者A「燃えろ。燃えろ。燃え尽きてしまえ!ギャァ」

 羅憲「間に合わなかったか。皆様、申し訳ありません。お前たち、半数は直ぐに消化活動に当たれ。戦況が不利となればこうして強硬手段に及ぶものたちも現れる。今以上に気を引き締めて、制圧に当たるのだ!」

 隊員A「羅憲隊長。火消しは、我らにお任せください」

 羅憲兵A「適材適所ですな。制圧の方は我らに任せてもらいましょう」

 羅憲は、都にいた時に消化活動を専門とする組織に居た。
 この組織の設立にも義賢が関わっていて、木造住宅のは多いこの当時において、一度火事が起これば全て焼き払われるのは当たり前だった。
 そのことを危惧した義賢により、作られた組織が火消しである。
 火を消すことだけを専門とする組織。
 そして、この火消しの初代隊長が羅憲であり、その頃からの仲間たちは隊員として、羅憲に付き従っているものが多かった。
 それゆえ、被害も最小限に火を消し止めることに成功。
 この迅速な行動指針の決め方が他の益州兵が全くついていけないところでもあった。

 益州兵A「一人一人の判断が速すぎて、やろうとした時には既に終わっている」

 羅憲兵A「すまない。羅憲様は行動の全てを我らに任せてくださり、我らが失敗した時、責任を取られる御方だ。それゆえ、我らもこのように動く癖が付いてしまった。動きづらくさせたのなら謝ろう」

 益州兵A「いえ、あなたがたのお陰で、燃え広がることもなく消化でき、こうして、危ない動きをしている者たちも捕えることができました。益州に住む者として、本当に感謝しています」

 羅憲兵A「ありがとう。その言葉が1番嬉しい。では、引き続き共に警戒にあたることにしよう」

 益州兵A「はい!」

 次々と報告を受ける羅憲。

 羅憲兵B「羅憲様の読み通り、松明を持ち暗躍していた者を数名捕えることに成功。引き続き警戒にアルファ隊が当たっております」

 羅憲「未然に防ぐことができて良かった。ベータ隊は、そのまま北上して、南蛮軍を援護。制圧を続けてください」

 羅憲兵B「かしこまりました」

 隊員B「羅憲隊長。燃え広がる前に火を消し止めることに成功しました。被害は最小限に食い止められたかと」

 羅憲「御苦労様。引き続き、火種が他にないか調べるように」

 隊員B「承知」

 羅憲「取り敢えず。最悪の事態は乗り切れましたね」

 張任「兵たちが自発的に迅速に動くとは、ここまで統率された部隊を見たことがない」

 厳顔「それどころか指示も簡単なものばかりときた。それだけで、独自に動くなど。殿が指揮下ではなく独立友軍として扱ったのも納得よな」

 羅憲「いえいえ。これも益州の皆様の尽力あってこそです。それに劉循様が信頼して任せてくださったからこそですよ」

 鮑礼「あそこにいるのは、三娘か!?何者かと対峙しているのか?あの三娘が一進一退の攻防を繰り広げるなど」

 鮑礼の見つめる先には。

 鮑三娘「賊の癖に中々やるじゃない」

 王桃「そちらも使い手を選ぶと聞く円月輪をここまで使いこなすとは、なかなかやる」

 王悦「姉様、楽しんでないで。賊ということを否定してくださいませ」

 鮑凱「その身なりで賊ではないと聞いても納得などできようものか!」

 王悦「キャッ」

 吹き飛ばされた王悦を受け止める関索。

 関索「大丈夫かい御嬢さん」

 初めて、女性扱いされたことに胸がキュンとする王悦。

 王悦「あ、ありがとう」

 関索「君みたいに美しい人が賊だなんて信じられないよ。僕の妻にならないかい?」

 王悦「えっ?えーっと。本気なのですか?」

 関索「勿論、僕はいつだって本気さ」

 関索の言葉を聞いた鮑三娘と妹を守りたい王桃がすっ飛んでくる。
 しかし両人とも何故か武器は置いている。

 鮑三娘「この浮気者!」

 王桃「妹から手を離せ獣が!」

 左右から鮑三娘と王桃にぶん殴られた関索はその場に崩れ落ちる。

 王桃「この獣が!悦、お前も脇が甘いぞ。不埒な輩には気を付けろと言っているだろう」

 鮑三娘「あら、うちの弟子が不埒ですって?賊如きが言ってくれるじゃないの」

 王桃「フッ。続きと行くか」

 鮑三娘「えぇ、望むところよ」

 王悦は2人に殴られて、気絶している関索に膝枕し、看病していた。

 関索「心まで綺麗だなんて。あぁ、君はとても美しいよ。僕の妻に」

 王悦「はい。その、姉様とあの御方の喧嘩を止めてくださいますのならですけど」

 関索「本当かい?これは俄然やる気が出てきたよ。待っててね。直ぐに鮑三娘と君のお姉様の喧嘩を止めて見せるから」

 王悦「姉様の渾身の一撃を喰らいましたのに、凄く元気な御方ですのね。クスクス。でも、面白い人ですわ」

 王悦が見つめる先では、関索が鮑三娘と王桃の間に立ち罵声を浴びせられているのだった。
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