637 / 821
5章 天下統一
左慈の酷使
しおりを挟む
小生の名前は左慈である。
最近、式としていた火鼠が行方不明になるなどあり得ない出来事が立て続けに起こり、そして先日の人と妖怪が合体したような異形の怪物との遭遇。
呪術の域を軽く超える現象に小生の身体も悲鳴を上げる始末。
そして、事の発端は、今よりさらに昔、この国が秦と呼ばれていた頃の話である。
小生は勿論米粒ほどの存在、ゴホン。
要は産まれてすらいなかった時代のこと。
天界を滑る黄竜様と人間界の理を破った秦の始皇帝との間で、とてつもない争いが勃発。
この影響で、秦は前漢時代を作った劉邦によって、滅び。
秦の始皇帝の思惑も消えたと思っていた。
しかし、時は着実に秦の始皇帝が黄竜様から受けた傷を癒やし、ある意味不老不死とも言える魂代わりによって、悠久の時を生き、今まさに暗躍を開始したのである。
かつて、受けた傷を倍にして返すかのように。
そう、この世界は秦の始皇帝が不老不死を完成させてしまった世界である。
そして、これは劉義賢がこちらに呼ばれる少し前の話である。
この世界を元に戻すべく劉邦と同じく王道を志す者、劉玄徳に天下を取らせるため天界人となった甘氏が呼んだのが、劉義賢である。
そして、劉玄徳の弟の1人を依代にこの地に魂のみを転生。
本人には、この世界に転生したと偽った。
それは全て、本人の現実世界との繋がりを一時忘れてもらうためであった。
魂の定着、要は。
騙して、この地に魂を縛り付けようとした。
狐らしい策である。
パラレル甘氏「あら、狐らしい策だなんて、言ってくれるじゃない左慈ちゃん」
左慈「これはこれは。お狐様、こちらに来られるとは珍しい。今は、確か隣国にお住まいのはずでは?」
パラレル甘氏「あのね。私は生まれも育ちも隣国よ。こっちにも気になるダメ男が沢山いたから遠征してたってだけで」
左慈「それで、いくつの時代をダメになされたと?」
パラレル甘氏「煩いわね。仕方ないでしょ。偶々、好きになった男性が偶々、私に貢ぐものだから偶々、私が悪者にされちゃっただけじゃないのよ」
左慈「ハァ。それで、こちらに来た理由は?」
パラレル甘氏「えーっと、枝分かれした世界の1つが大変なのよね~」
左慈「さらっととんでもないことをぶっ込みましたな」
パラレル甘氏「だってあの世界ってさ。まだ左慈ちゃんもペーペーじゃない。そこでね。とある人物を召喚しようと思うのよね~」
こんな軽いノリで、召喚された劉義賢には同情もしようものよ。
左慈「召喚ですか?そのようなことをすればどうなるか分かりませんぞ」
パラレル甘氏「大丈夫。大丈夫。あの世界をこれ以上、枝分かれしなければ良い話だし、その全てが終着地点に行き着くように変更しちゃえば良いもの」
左慈「相変わらずとてつもない神通力ですな」
パラレル甘氏「まぁ、これのお陰で、男を沢山たらしこめるからね~」
悪びれすらない小悪魔とは、まさにこの女性のことを言うのだろう。
いや女性ではなく狐か。
パラレル甘氏「あら~女性に決まってるじゃない。狐だなんて、失礼しちゃう」
そうだったこの狐も黄竜様と同じく心を読めるのであった。
迂闊であった。
パラレル甘氏「そんなことより左慈ちゃんには、こっそりその人物の協力者になってもらいたいのよね~。所謂、初めは王道系、要は劉玄徳様のために仲間を集めてもらうわけだけど後半は、そのとんでもない敵と戦ってもらわないと行けないのよ。だからちょくちょく左慈ちゃんには、お助けキャラとして、その少年に不可思議な力を見せつけてほしいのよね~」
また、厄介なことを頼むものだ。
だが、世界の崩壊は黄竜様とて良しとしないだろう。
仕方がない。
その世界の小生に少し干渉する程度のこと何の問題もない。
パラレル甘氏「ありがとう~引き受けてくれるなんて。流石左慈ちゃん~。男前~」
左慈「ハァ。仕方なくです。その召喚される少年があまりにも不憫ですから」
そして、今に至るわけだが。
隣国の妖怪ガシャドクロと王累の合体から日を置かず、今度は、この国の怪物である合窳と鍾繇の合体とは。
やれやれ、とんでもないことにか巻き込まれて、式を酷使するあまり、小生の負担もだいぶ大きい。
せめて、もう1人式を使いこなせるものが入れば良いのだが。
高望みはできんな。
やれやれ、頑張るとしようか。
合窳鍾繇「ブヒィィィィィィィィ。人間は美味い!美味すぎる!新鮮な肉!悲鳴!全てに心が躍りまちゅねぇ」
醜い豚の典型的な姿じゃ。
哪吒「連戦なんて、僕ツイてる。じっちゃんのことは守るから安心してよ」
左慈「流石に小生もこの歳じゃ。連戦は辛いわい」
哪吒「えー。一応、じっちゃんも神様なんだよね?」
左慈「方士じゃ。悠久の時を生きるという点では神に近いかも知れぬが、あくまで身体は人間ゆえな。殴られれば痛いし、傷付けば回復までに時間はかかる。その間はずっと痛いし、良いことはないのぉ」
哪吒「そうなんだ。じゃ、じっちゃんが傷付かないように僕が守るよ」
左慈「ありがとうよ哪吒」
哪吒「ヘヘン。おやすい御用だい」
この少年は、哪吒と言い、黄竜様から見込みがあると目をかけてもらい少年神となった。
まぁ、新参の神様である。
そして、今回も黄竜様はここに来られないようで、前回使った四神を呼ぶ力もない。
さてさて、どうなることやら。
この醜い豚を相手に哪吒と2人。
どうにか、事を納めねばならないようじゃ。
最近、式としていた火鼠が行方不明になるなどあり得ない出来事が立て続けに起こり、そして先日の人と妖怪が合体したような異形の怪物との遭遇。
呪術の域を軽く超える現象に小生の身体も悲鳴を上げる始末。
そして、事の発端は、今よりさらに昔、この国が秦と呼ばれていた頃の話である。
小生は勿論米粒ほどの存在、ゴホン。
要は産まれてすらいなかった時代のこと。
天界を滑る黄竜様と人間界の理を破った秦の始皇帝との間で、とてつもない争いが勃発。
この影響で、秦は前漢時代を作った劉邦によって、滅び。
秦の始皇帝の思惑も消えたと思っていた。
しかし、時は着実に秦の始皇帝が黄竜様から受けた傷を癒やし、ある意味不老不死とも言える魂代わりによって、悠久の時を生き、今まさに暗躍を開始したのである。
かつて、受けた傷を倍にして返すかのように。
そう、この世界は秦の始皇帝が不老不死を完成させてしまった世界である。
そして、これは劉義賢がこちらに呼ばれる少し前の話である。
この世界を元に戻すべく劉邦と同じく王道を志す者、劉玄徳に天下を取らせるため天界人となった甘氏が呼んだのが、劉義賢である。
そして、劉玄徳の弟の1人を依代にこの地に魂のみを転生。
本人には、この世界に転生したと偽った。
それは全て、本人の現実世界との繋がりを一時忘れてもらうためであった。
魂の定着、要は。
騙して、この地に魂を縛り付けようとした。
狐らしい策である。
パラレル甘氏「あら、狐らしい策だなんて、言ってくれるじゃない左慈ちゃん」
左慈「これはこれは。お狐様、こちらに来られるとは珍しい。今は、確か隣国にお住まいのはずでは?」
パラレル甘氏「あのね。私は生まれも育ちも隣国よ。こっちにも気になるダメ男が沢山いたから遠征してたってだけで」
左慈「それで、いくつの時代をダメになされたと?」
パラレル甘氏「煩いわね。仕方ないでしょ。偶々、好きになった男性が偶々、私に貢ぐものだから偶々、私が悪者にされちゃっただけじゃないのよ」
左慈「ハァ。それで、こちらに来た理由は?」
パラレル甘氏「えーっと、枝分かれした世界の1つが大変なのよね~」
左慈「さらっととんでもないことをぶっ込みましたな」
パラレル甘氏「だってあの世界ってさ。まだ左慈ちゃんもペーペーじゃない。そこでね。とある人物を召喚しようと思うのよね~」
こんな軽いノリで、召喚された劉義賢には同情もしようものよ。
左慈「召喚ですか?そのようなことをすればどうなるか分かりませんぞ」
パラレル甘氏「大丈夫。大丈夫。あの世界をこれ以上、枝分かれしなければ良い話だし、その全てが終着地点に行き着くように変更しちゃえば良いもの」
左慈「相変わらずとてつもない神通力ですな」
パラレル甘氏「まぁ、これのお陰で、男を沢山たらしこめるからね~」
悪びれすらない小悪魔とは、まさにこの女性のことを言うのだろう。
いや女性ではなく狐か。
パラレル甘氏「あら~女性に決まってるじゃない。狐だなんて、失礼しちゃう」
そうだったこの狐も黄竜様と同じく心を読めるのであった。
迂闊であった。
パラレル甘氏「そんなことより左慈ちゃんには、こっそりその人物の協力者になってもらいたいのよね~。所謂、初めは王道系、要は劉玄徳様のために仲間を集めてもらうわけだけど後半は、そのとんでもない敵と戦ってもらわないと行けないのよ。だからちょくちょく左慈ちゃんには、お助けキャラとして、その少年に不可思議な力を見せつけてほしいのよね~」
また、厄介なことを頼むものだ。
だが、世界の崩壊は黄竜様とて良しとしないだろう。
仕方がない。
その世界の小生に少し干渉する程度のこと何の問題もない。
パラレル甘氏「ありがとう~引き受けてくれるなんて。流石左慈ちゃん~。男前~」
左慈「ハァ。仕方なくです。その召喚される少年があまりにも不憫ですから」
そして、今に至るわけだが。
隣国の妖怪ガシャドクロと王累の合体から日を置かず、今度は、この国の怪物である合窳と鍾繇の合体とは。
やれやれ、とんでもないことにか巻き込まれて、式を酷使するあまり、小生の負担もだいぶ大きい。
せめて、もう1人式を使いこなせるものが入れば良いのだが。
高望みはできんな。
やれやれ、頑張るとしようか。
合窳鍾繇「ブヒィィィィィィィィ。人間は美味い!美味すぎる!新鮮な肉!悲鳴!全てに心が躍りまちゅねぇ」
醜い豚の典型的な姿じゃ。
哪吒「連戦なんて、僕ツイてる。じっちゃんのことは守るから安心してよ」
左慈「流石に小生もこの歳じゃ。連戦は辛いわい」
哪吒「えー。一応、じっちゃんも神様なんだよね?」
左慈「方士じゃ。悠久の時を生きるという点では神に近いかも知れぬが、あくまで身体は人間ゆえな。殴られれば痛いし、傷付けば回復までに時間はかかる。その間はずっと痛いし、良いことはないのぉ」
哪吒「そうなんだ。じゃ、じっちゃんが傷付かないように僕が守るよ」
左慈「ありがとうよ哪吒」
哪吒「ヘヘン。おやすい御用だい」
この少年は、哪吒と言い、黄竜様から見込みがあると目をかけてもらい少年神となった。
まぁ、新参の神様である。
そして、今回も黄竜様はここに来られないようで、前回使った四神を呼ぶ力もない。
さてさて、どうなることやら。
この醜い豚を相手に哪吒と2人。
どうにか、事を納めねばならないようじゃ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる