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5章 天下統一
5年の月日が経過する(青州編)
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ここ青州を治めるのは、劉義賢である。
義賢「ふわぁ。久々に良く寝たなぁ」
義賢の隣には愛しい妻の一糸纏わぬ姿。
董白「病で寝込んでいたとは思えない程、元気なこと」
義賢「まぁ、俺の可愛い嫁の董白としたからなぁ」
董白「はいはい(か、可愛いだなんて。もうすぐ40を超える年増なのに、嬉しい。キュンとしたらお腹の中の義賢の子種が垂れてきちゃった)」
牝愛「パパ。ママ。朝だよ~」
扉を開けて入ってきたのは、可愛い娘である。
12歳になる。
長男の劉白が24歳なので、ちょうど12違いである。
こんなに間隔が空くのは、劉義賢の入っているこの身体に理由がある。
現代で言うと種の動きが活発ではないのだ。
本来なら自然妊娠は難しいだろう。
だが、それでも2人産んでいるのは董白との相性がよっぽど良いのかも知れない。
義賢「可愛い天使ちゃん、こちらにおいで」
董白「馬鹿義賢!裸で呼ぶなっての!そこで待っててね牝愛」
牝愛「うん。ママ、お腹すいた!」
董白「わかったからすぐに作るから」
義賢「作るか。この状況だと俺にはイヤラしく聞こえるなぁ。ここに俺の種が着床してると良いな」
董白「馬鹿!何言ってんのよ!盛るな猿!(私もそうだったら嬉しいけど高齢出産は危険だって聞くし、董瑶様にお話を聞きに行こうかしら)」
義賢「イテッ。照れてる董白も可愛いなぁ」
董白「照れてないから!(可愛いって連呼しないで、義兄のようにたくさん女性を囲って良いのに、私だけにしてくれるだけで、十分過ぎるほど幸せなんだから)」
そこに士仁の声が聞こえる。
士仁「姫様、此方におられましたか。あまりウロウロなされると、麗殿が困っておりますぞ」
牝愛「だって、麗おばさん、ずっとお金の計算問題ばっかりなんだもん!頭、痛くなっちゃうよ~」
牝愛の言う麗おばさんというのは、簡雍の妻であり、この度、新しく赴任してきた夫の簡雍に付き従って、共に来たのである。
そして、牝愛の家庭教師を買って出て、ほぼ1日中、付きっきりで計算問題ばかりやらせてるのだ。
義賢「麗には、俺からも言っといてやるからそうへそを曲げるな俺の可愛い天使ちゃん」
牝愛「パパ、大好き~」
男親は娘には甘くなると聞いたが自分が娘を持って、それが良くわかる。
何たって、マジで誰よりも可愛いからなうちの娘は。
絶対に嫁には出さないぞ。
それまで、生きていられないだろうが。
おっと、しんみりしてしまったな。
俺には時間がない。
いや、正確には時間は俺の中に宿った山神のお陰で、何とかなってる。
でも、それもとある不老不死となった化け物を討つまでの間だ。
その前に兄上の天下の実現をこの目で見届けられるのは、幸いかも知れない。
いや、油断してはいけないな。
相手は、兄上と並ぶもう1人の英雄、曹孟徳。
その手足を結構もいだとは言え、一筋縄では行かないよな。
でも、今はこの手の中にある娘の温もりを感じていたい。
董白「義賢。アンタ、裸で牝愛を抱っこするなっての!」
義賢「ホゲッ」
牝愛「ママ、パパのこと叩いちゃダメ~」
董白「良いの!牝愛は、麗さんのところに行ってきなさい。また、怒られるわよ?」
牝愛「ママ、怖い。す、すぐ行くもん」
ある程度の簡易拠点ができた頃、金勘定に強い人材と兵の鍛錬に優れている人材が欲しいと思い、兄上にその旨を書いた手紙を送ったところ、送られてきたのは、俺にとって、馴染み深い2人だった。
1人は簡雍、兄上と黄巾の乱を結成した時からの付き合いだが、その付き合いは子供の頃からだ。
そう、今の俺はこの身体の本来の持ち主である劉丁義賢の記憶をも取り戻している。
そして、もう1人は、田豫、こちらも黄巾の乱を立ち上げた頃からの付き合いだ。
俺の中身がおかしい事に気付きながらも友人として接してくれた。
さて、俺も2人のところに要望を伝えに行かないとな。
義賢「董白、少し出てくるよ。朝ごはんまでには戻る。というか、お客さん分を追加だ」
董白「はいはい」
こうして、俺は簡雍と田豫を青州の新居に招いたのだ。
田豫「流石に女性に雑魚寝させるのは申し訳からと家族がいるものの家から随時作らせたとはな。後、若い女性たちが兵士らに襲われる危険性を」
簡雍「そんなことする人間を選んでいると思うかい。国譲は、相変わらず硬いねぇ。大方、野党対策だろうて」
義賢「まぁな。一応、国譲の言ったことも一理あるんだよ。一つ屋根の下、何が起こるかわからないだろう?予防しておくに越したことはないからな」
田豫「ほら見ろ憲和。義賢の方がよっぽど考えてる」
簡雍「はいはい。悪かったよ国譲」
義賢「俺が兄上に求めた人材で、まさか2人が送られてくるとは」
簡雍「アッシは、妻の付き添いってところさ」
麗「あらあら、劉備様に自分が行きますと珍しく積極的だったくせに」
簡雍「そういうことを言うのは野暮ってもんさ」
牝愛「ねぇ麗おばさん、ご飯の時も計算しないとダメ?」
麗「ご飯ができるまでに解けなければ、食べられません」
牝愛「そ、そんなぁ。酷いよ~」
麗「娘だからと両親が甘やかせるからです!」
董白「あら、私はそんなに甘やかせてないわよ。ね、義賢?どこに行こうとしてるの?」
義賢「ちょいとトイレに」
麗「逃げるのですか?」
義賢「ヒィ。す、すみませんでした」
牝愛「パパが麗おばさんに負けるなんて、こんなの横暴だよぉぉぉぉ」
これは簡雍と田豫が青州に来てくれた歓迎会の日の話である。
寧ろ、彼らさえ揃えば人材はもう大丈夫と言えた。
そして、今眼前に広がるのは、兄上の嫁の1人で現代のオーバーテクノロジーを片手に琥珀姫が設計し、史実で陳倉の守り手として諸葛亮を跳ね返した郝昭が手を加えた最強の城、平原新城と20万を超える兵である。
これが5年で用意できた全てであった。
思いの外、少なかった。
やはり、原っぱにいたから物を作るのに5年は短すぎたか。
鮑信、恐るべしかな。
義賢「ふわぁ。久々に良く寝たなぁ」
義賢の隣には愛しい妻の一糸纏わぬ姿。
董白「病で寝込んでいたとは思えない程、元気なこと」
義賢「まぁ、俺の可愛い嫁の董白としたからなぁ」
董白「はいはい(か、可愛いだなんて。もうすぐ40を超える年増なのに、嬉しい。キュンとしたらお腹の中の義賢の子種が垂れてきちゃった)」
牝愛「パパ。ママ。朝だよ~」
扉を開けて入ってきたのは、可愛い娘である。
12歳になる。
長男の劉白が24歳なので、ちょうど12違いである。
こんなに間隔が空くのは、劉義賢の入っているこの身体に理由がある。
現代で言うと種の動きが活発ではないのだ。
本来なら自然妊娠は難しいだろう。
だが、それでも2人産んでいるのは董白との相性がよっぽど良いのかも知れない。
義賢「可愛い天使ちゃん、こちらにおいで」
董白「馬鹿義賢!裸で呼ぶなっての!そこで待っててね牝愛」
牝愛「うん。ママ、お腹すいた!」
董白「わかったからすぐに作るから」
義賢「作るか。この状況だと俺にはイヤラしく聞こえるなぁ。ここに俺の種が着床してると良いな」
董白「馬鹿!何言ってんのよ!盛るな猿!(私もそうだったら嬉しいけど高齢出産は危険だって聞くし、董瑶様にお話を聞きに行こうかしら)」
義賢「イテッ。照れてる董白も可愛いなぁ」
董白「照れてないから!(可愛いって連呼しないで、義兄のようにたくさん女性を囲って良いのに、私だけにしてくれるだけで、十分過ぎるほど幸せなんだから)」
そこに士仁の声が聞こえる。
士仁「姫様、此方におられましたか。あまりウロウロなされると、麗殿が困っておりますぞ」
牝愛「だって、麗おばさん、ずっとお金の計算問題ばっかりなんだもん!頭、痛くなっちゃうよ~」
牝愛の言う麗おばさんというのは、簡雍の妻であり、この度、新しく赴任してきた夫の簡雍に付き従って、共に来たのである。
そして、牝愛の家庭教師を買って出て、ほぼ1日中、付きっきりで計算問題ばかりやらせてるのだ。
義賢「麗には、俺からも言っといてやるからそうへそを曲げるな俺の可愛い天使ちゃん」
牝愛「パパ、大好き~」
男親は娘には甘くなると聞いたが自分が娘を持って、それが良くわかる。
何たって、マジで誰よりも可愛いからなうちの娘は。
絶対に嫁には出さないぞ。
それまで、生きていられないだろうが。
おっと、しんみりしてしまったな。
俺には時間がない。
いや、正確には時間は俺の中に宿った山神のお陰で、何とかなってる。
でも、それもとある不老不死となった化け物を討つまでの間だ。
その前に兄上の天下の実現をこの目で見届けられるのは、幸いかも知れない。
いや、油断してはいけないな。
相手は、兄上と並ぶもう1人の英雄、曹孟徳。
その手足を結構もいだとは言え、一筋縄では行かないよな。
でも、今はこの手の中にある娘の温もりを感じていたい。
董白「義賢。アンタ、裸で牝愛を抱っこするなっての!」
義賢「ホゲッ」
牝愛「ママ、パパのこと叩いちゃダメ~」
董白「良いの!牝愛は、麗さんのところに行ってきなさい。また、怒られるわよ?」
牝愛「ママ、怖い。す、すぐ行くもん」
ある程度の簡易拠点ができた頃、金勘定に強い人材と兵の鍛錬に優れている人材が欲しいと思い、兄上にその旨を書いた手紙を送ったところ、送られてきたのは、俺にとって、馴染み深い2人だった。
1人は簡雍、兄上と黄巾の乱を結成した時からの付き合いだが、その付き合いは子供の頃からだ。
そう、今の俺はこの身体の本来の持ち主である劉丁義賢の記憶をも取り戻している。
そして、もう1人は、田豫、こちらも黄巾の乱を立ち上げた頃からの付き合いだ。
俺の中身がおかしい事に気付きながらも友人として接してくれた。
さて、俺も2人のところに要望を伝えに行かないとな。
義賢「董白、少し出てくるよ。朝ごはんまでには戻る。というか、お客さん分を追加だ」
董白「はいはい」
こうして、俺は簡雍と田豫を青州の新居に招いたのだ。
田豫「流石に女性に雑魚寝させるのは申し訳からと家族がいるものの家から随時作らせたとはな。後、若い女性たちが兵士らに襲われる危険性を」
簡雍「そんなことする人間を選んでいると思うかい。国譲は、相変わらず硬いねぇ。大方、野党対策だろうて」
義賢「まぁな。一応、国譲の言ったことも一理あるんだよ。一つ屋根の下、何が起こるかわからないだろう?予防しておくに越したことはないからな」
田豫「ほら見ろ憲和。義賢の方がよっぽど考えてる」
簡雍「はいはい。悪かったよ国譲」
義賢「俺が兄上に求めた人材で、まさか2人が送られてくるとは」
簡雍「アッシは、妻の付き添いってところさ」
麗「あらあら、劉備様に自分が行きますと珍しく積極的だったくせに」
簡雍「そういうことを言うのは野暮ってもんさ」
牝愛「ねぇ麗おばさん、ご飯の時も計算しないとダメ?」
麗「ご飯ができるまでに解けなければ、食べられません」
牝愛「そ、そんなぁ。酷いよ~」
麗「娘だからと両親が甘やかせるからです!」
董白「あら、私はそんなに甘やかせてないわよ。ね、義賢?どこに行こうとしてるの?」
義賢「ちょいとトイレに」
麗「逃げるのですか?」
義賢「ヒィ。す、すみませんでした」
牝愛「パパが麗おばさんに負けるなんて、こんなの横暴だよぉぉぉぉ」
これは簡雍と田豫が青州に来てくれた歓迎会の日の話である。
寧ろ、彼らさえ揃えば人材はもう大丈夫と言えた。
そして、今眼前に広がるのは、兄上の嫁の1人で現代のオーバーテクノロジーを片手に琥珀姫が設計し、史実で陳倉の守り手として諸葛亮を跳ね返した郝昭が手を加えた最強の城、平原新城と20万を超える兵である。
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