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5章 天下統一
汝南前哨戦(起)
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満寵が豫州を守るにあたって、選んだのは汝南である。
満寵「殿の先見の明には脱帽するよ。本当に攻めてくるとはね」
汝南兵「満寵様、如何なさいますか?」
満寵「慌てずに敵の出方を見極めて、撃破するだけさ」
???「確かに我らの役目はあくまで防衛ですからな」
満寵「そういうことだよ蔣済殿」
蔣済「であれば、警戒すべきは攻城兵器ですかな」
満寵「その対策は既にしているさ。外に伏兵を仕込んでいる。もう間も無く、燃やされるだろう」
蔣済「抜かり無しと流石ですな」
揚州北部より汝南に攻め込む袁燿。
呂姫「本気なの袁燿!?」
袁燿「うん。連れてく攻城兵器は全て見せかけに使う。本命は、ここ」
公孫続「ここは。森?」
袁燿「うん。見せかけの攻城兵器を燃やしてくれている間にね」
羅憲「ですが、乗ってくるでしょうか?」
袁燿「防衛側が1番気にすることはなんだと思う?」
羅憲「それは城が落とされることでしょうか?」
袁燿「そうだね。でも、1番の心配は兵糧なんだよ」
呂姫「兵糧の心配をするのは攻撃側じゃなくて?」
袁燿「攻撃側よりもね防衛側の方が兵糧を気にするんだよ。攻撃側は尽きたら逃げれば良いけど防衛側はそういうわけにはいかないからね。だから最重要は兵糧を抑えてしまうことなんだ。だから、この森、伏兵にピッタリだと思わない?」
公孫続「成程。そこで羅憲の出番と」
袁燿「うん。頼まれてくれるかい?」
羅憲「通る輸送隊を襲えば良いのか」
袁燿「うん。できれば物資は全て奪ってね。再利用を考えてるから」
羅憲「これが先生の一期生か」
袁燿「何か言ったかい?」
羅憲「いえ、兄弟子の指示に従います」
袁燿「それと呂姫には、危険なことを頼むけど」
呂姫「分かってるわ。総大将の貴方の妻である私が攻城部隊を率いていれば、相手もまさか見せかけとは思わないものね」
袁燿「そういうこと。無理せず逃げてね。君を失いたくないから」
呂姫「分かってるわ」
袁燿の指示通りの場所で呂姫は休んでいた。
呂姫「(結構な数が潜んでるわね。狙うならここだろうって。その通りだから備えはできてるんだけど。燃やされないといけないからね)皆んな、今日はここに隠れて野営をするわよ」
攻城部隊A「待ってましたぜ呂姫の姐さん」
攻城部隊B「ふいー疲れた疲れた。にしても曹操軍の奴らもこれで終わりだな」
攻城部隊C「おぅ。なんたって、この攻城兵器の量だぜ。あんな城、ものの数分でドカンだぜ」
攻城部隊D「お前、それは話盛りすぎだっての」
攻城部隊C「んなことねぇぜ」
攻城部隊たち「ギャハハハ」
攻城部隊E「だ、誰かすぐに来てくれ!攻城兵器に火が!火が!」
攻城兵器A「嘘だろ。一体どこに?」
汝南兵A「油断したな劉備軍!お前たちの攻城兵器が隠れて進軍することなど満寵様にはお見通しだ。燃えろ燃えろ」
攻城部隊B「アイツらよくも。逃すな。捕まえるんだ」
汝南兵B「おっと。こんなところで死ねば満寵様に怒られてしまう。失礼する」
逃げる汝南兵。
追う揚州攻城兵。
消化を試みる呂姫兵。
大量にあった攻城兵器のほとんどが燃えてしまった。
その報告を受ける満寵。
汝南兵A「攻城兵器を燃やされて怒り心頭で追いかけてくるアイツらの顔と言ったら。傑作でしたよ」
満寵「よくやってくれました。あれだけ多くの攻城兵器を燃やされては、向こうも撤退を考えるでしょう」
蔣済「それはめでたいことだが、今日の輸送隊は遅いな」
満寵「確かに言われてみれば」
その頃、輸送隊を奇襲する羅憲。
羅憲「確かにこの森は木に登れば視界も確保できて、見通しも良い。伏兵に向いてる場所と言える。むっ!アレは。間違いない輸送隊だな」
曹操軍輸送隊A「あーだりぃ。輸送なんて地味な仕事じゃなくてよ。俺も戦いたいぜ。そうすれば、蜀漢の奴らなんてケチョンケチョンにしてやるってによ」
曹操軍輸送隊B「口がすぎるぞ。輸送も大事な仕事だ。この兵糧が届くか届かないかで防衛部隊の士気に関わるんだからな」
曹操軍輸送隊C「流石、輸送しかさせてもらえない先輩の言葉は違いますわ」
曹操軍輸送隊B「お前、それ褒めて無いよな?」
曹操軍輸送隊A「違いねぇ。カハッ」
突然首から血を噴き出し倒れる曹操軍輸送隊A。
その後ろには、小さい短剣を手にする羅憲。
曹操軍輸送隊C「て、敵ひゅう。カハッ」
曹操軍輸送隊B「貴様、何者だ!」
羅憲「蜀漢で将軍をしている1人、羅憲と申す」
曹操軍輸送隊B「迅速の羅憲!?」
羅憲「その呼び名を知っているとは。流石、輸送をつまらないものだと言う馬鹿と違い、できる男のようだ」
曹操軍輸送隊B「ぐっ。(新人はやられてしまったがなんとか時間を稼げば、騒ぎに気付いて応援が来るはず)何故、ここを通ると?」
羅憲「時間稼ぎをしようとしてるなら無駄だ」
曹操軍輸送隊B「な、何!?カハッ」
羅憲「俺の任務は輸送物資の確保。及び」
そういうと羅憲は輸送部隊の服を剥ぎ取り、司隷出身の部下に着せる。
羅憲「先程の言葉は覚えたな?」
羅憲兵A「勿論。変装と声帯模写は、俺の最も得意とするところ。怪しまれずに少量の兵糧を届けます」
羅憲「頼んだ」
羅憲兵B「我らはこのままここで伏兵をし続けることで良いのですか隊長?」
羅憲「あぁ。怪しんだ向こうからの使者を捕まえ、変装と声帯模写をさせ、内部を混乱に陥れるのが兄弟子から頼まれた任務だからな」
そう。
袁燿の作戦はこうだ。
いきなり輸送部隊から兵糧が届かなかったら何かあったと勘繰られる。
そこで、兵糧の数を少しずつ減らして届ける。
勿論、理由を付け加えてだ。
その間に、怪しむものが使者を出しても、袁燿の指し示した森であれば、ある程度見通せることで、未然に防げると踏んだ。
そして、これは多種多様な人材を部下に持つ羅憲にしか頼めないことだったのだ。
満寵「殿の先見の明には脱帽するよ。本当に攻めてくるとはね」
汝南兵「満寵様、如何なさいますか?」
満寵「慌てずに敵の出方を見極めて、撃破するだけさ」
???「確かに我らの役目はあくまで防衛ですからな」
満寵「そういうことだよ蔣済殿」
蔣済「であれば、警戒すべきは攻城兵器ですかな」
満寵「その対策は既にしているさ。外に伏兵を仕込んでいる。もう間も無く、燃やされるだろう」
蔣済「抜かり無しと流石ですな」
揚州北部より汝南に攻め込む袁燿。
呂姫「本気なの袁燿!?」
袁燿「うん。連れてく攻城兵器は全て見せかけに使う。本命は、ここ」
公孫続「ここは。森?」
袁燿「うん。見せかけの攻城兵器を燃やしてくれている間にね」
羅憲「ですが、乗ってくるでしょうか?」
袁燿「防衛側が1番気にすることはなんだと思う?」
羅憲「それは城が落とされることでしょうか?」
袁燿「そうだね。でも、1番の心配は兵糧なんだよ」
呂姫「兵糧の心配をするのは攻撃側じゃなくて?」
袁燿「攻撃側よりもね防衛側の方が兵糧を気にするんだよ。攻撃側は尽きたら逃げれば良いけど防衛側はそういうわけにはいかないからね。だから最重要は兵糧を抑えてしまうことなんだ。だから、この森、伏兵にピッタリだと思わない?」
公孫続「成程。そこで羅憲の出番と」
袁燿「うん。頼まれてくれるかい?」
羅憲「通る輸送隊を襲えば良いのか」
袁燿「うん。できれば物資は全て奪ってね。再利用を考えてるから」
羅憲「これが先生の一期生か」
袁燿「何か言ったかい?」
羅憲「いえ、兄弟子の指示に従います」
袁燿「それと呂姫には、危険なことを頼むけど」
呂姫「分かってるわ。総大将の貴方の妻である私が攻城部隊を率いていれば、相手もまさか見せかけとは思わないものね」
袁燿「そういうこと。無理せず逃げてね。君を失いたくないから」
呂姫「分かってるわ」
袁燿の指示通りの場所で呂姫は休んでいた。
呂姫「(結構な数が潜んでるわね。狙うならここだろうって。その通りだから備えはできてるんだけど。燃やされないといけないからね)皆んな、今日はここに隠れて野営をするわよ」
攻城部隊A「待ってましたぜ呂姫の姐さん」
攻城部隊B「ふいー疲れた疲れた。にしても曹操軍の奴らもこれで終わりだな」
攻城部隊C「おぅ。なんたって、この攻城兵器の量だぜ。あんな城、ものの数分でドカンだぜ」
攻城部隊D「お前、それは話盛りすぎだっての」
攻城部隊C「んなことねぇぜ」
攻城部隊たち「ギャハハハ」
攻城部隊E「だ、誰かすぐに来てくれ!攻城兵器に火が!火が!」
攻城兵器A「嘘だろ。一体どこに?」
汝南兵A「油断したな劉備軍!お前たちの攻城兵器が隠れて進軍することなど満寵様にはお見通しだ。燃えろ燃えろ」
攻城部隊B「アイツらよくも。逃すな。捕まえるんだ」
汝南兵B「おっと。こんなところで死ねば満寵様に怒られてしまう。失礼する」
逃げる汝南兵。
追う揚州攻城兵。
消化を試みる呂姫兵。
大量にあった攻城兵器のほとんどが燃えてしまった。
その報告を受ける満寵。
汝南兵A「攻城兵器を燃やされて怒り心頭で追いかけてくるアイツらの顔と言ったら。傑作でしたよ」
満寵「よくやってくれました。あれだけ多くの攻城兵器を燃やされては、向こうも撤退を考えるでしょう」
蔣済「それはめでたいことだが、今日の輸送隊は遅いな」
満寵「確かに言われてみれば」
その頃、輸送隊を奇襲する羅憲。
羅憲「確かにこの森は木に登れば視界も確保できて、見通しも良い。伏兵に向いてる場所と言える。むっ!アレは。間違いない輸送隊だな」
曹操軍輸送隊A「あーだりぃ。輸送なんて地味な仕事じゃなくてよ。俺も戦いたいぜ。そうすれば、蜀漢の奴らなんてケチョンケチョンにしてやるってによ」
曹操軍輸送隊B「口がすぎるぞ。輸送も大事な仕事だ。この兵糧が届くか届かないかで防衛部隊の士気に関わるんだからな」
曹操軍輸送隊C「流石、輸送しかさせてもらえない先輩の言葉は違いますわ」
曹操軍輸送隊B「お前、それ褒めて無いよな?」
曹操軍輸送隊A「違いねぇ。カハッ」
突然首から血を噴き出し倒れる曹操軍輸送隊A。
その後ろには、小さい短剣を手にする羅憲。
曹操軍輸送隊C「て、敵ひゅう。カハッ」
曹操軍輸送隊B「貴様、何者だ!」
羅憲「蜀漢で将軍をしている1人、羅憲と申す」
曹操軍輸送隊B「迅速の羅憲!?」
羅憲「その呼び名を知っているとは。流石、輸送をつまらないものだと言う馬鹿と違い、できる男のようだ」
曹操軍輸送隊B「ぐっ。(新人はやられてしまったがなんとか時間を稼げば、騒ぎに気付いて応援が来るはず)何故、ここを通ると?」
羅憲「時間稼ぎをしようとしてるなら無駄だ」
曹操軍輸送隊B「な、何!?カハッ」
羅憲「俺の任務は輸送物資の確保。及び」
そういうと羅憲は輸送部隊の服を剥ぎ取り、司隷出身の部下に着せる。
羅憲「先程の言葉は覚えたな?」
羅憲兵A「勿論。変装と声帯模写は、俺の最も得意とするところ。怪しまれずに少量の兵糧を届けます」
羅憲「頼んだ」
羅憲兵B「我らはこのままここで伏兵をし続けることで良いのですか隊長?」
羅憲「あぁ。怪しんだ向こうからの使者を捕まえ、変装と声帯模写をさせ、内部を混乱に陥れるのが兄弟子から頼まれた任務だからな」
そう。
袁燿の作戦はこうだ。
いきなり輸送部隊から兵糧が届かなかったら何かあったと勘繰られる。
そこで、兵糧の数を少しずつ減らして届ける。
勿論、理由を付け加えてだ。
その間に、怪しむものが使者を出しても、袁燿の指し示した森であれば、ある程度見通せることで、未然に防げると踏んだ。
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