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終章 この世界の守護者
デモン、トラウマに倒れる
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「レーンにクネクネよ。大義である」
「「ははぁ」」
開口一番、復活した大魔王は、そばに控えていたアラクネの魔族であるクネクネとセイレーンの魔族であるレーンを褒め称えた。
「しかし、四天王の姿が見えぬが。よもや勇者でも復活したか?」
「いえ、勇者は女神を使って闇に染め上げたのですが、テイマーという訳のわからない存在が居て、四天王は全て、その訳のわからない奴に降りました」
レーンは、簡潔に大魔王に告げる。
「ふむ。古に存在したという魔をも制する者、テイマーがこの世に復活しているとはな。やれやれ、拐かされたのなら、取り返してやらねばなるまい」
「大魔王様のおっしゃる通りです。この世の全ての魔族を従えるのは大魔王様、ただお一人なのですから」
クネクネは大魔王の言葉に同意する。
「して、ハーウィットは何をしておる?」
「それが。デモンのクソガキに忠誠を尽くし、あろうことか魔王城を占拠しております」
レーンの言葉に大魔王は額に青筋をピキキッと走らせるがすぐに冷静さを取り戻す。
「成程。兄を支えるのが弟の仕事などと気味の良い言葉を言っていたが所詮は愚鈍な我が息子を上に添えて権力を握ったか。ならば、余が復活したことを大々的に教えてやらねばならんな。先ずは、魔王城を奪還する」
「「はっ」」
レーンとクネクネが大魔王の言葉に同意し、魔王城を目指す。
同じ頃、魔王城では。
「うぐっうぐぐっ。ハァ。ハァ。ハァ。ハァ」
「どうしたのデモンちゃん!?」
「デモン、どうした!?」
突然、苦しみ出したデモンを心配したデモンの妻アリシアとデモンの叔父ハーウィットが駆け寄る。
デモンは、ガタガタと震え、痙攣を起こしていたのだが、ゆっくりと一言だけ呟く。
「ち、ち、う、え、が、こ、こ、に、く、る」
「そんな。そんなはずがないわ!あのクソッタレのクズは、この私が確実に心臓を貫いてあげたのよ!しっかりして、デモンちゃん!もう、アイツは居ないのよ!」
「いや、勇者と何度も雌雄を決する度に蘇ってきた兄上のことだ。心臓をたくさん持っていたか。あるいは、欠損しても時をかければ蘇るのか。兎に角、今はデモンの容態を安定させることが大事だ。トモ殿に助けを求め聖女ステラ殿の助力を仰ぐのが良いだろう」
「えぇ。えぇ、そうね。ハーウィット殿のお陰で落ち着いたわ。ありがとう。誰か!直ぐにトモ殿にこのことを報告するのです!」
「それなら義兄弟である俺たちが伝えに行く」
こうして、リザードマンのガイルとゴブリンのリードがトモカズの元を訪ねてくるのだが。
「お許し下さい御奉行様」
「良いではないか。良いではないか」
「あ~れ~」
ちょうどこのようにすっかり仲直りしたナイアに着物とやらを着せて、トモカズはお奉行様に成り、帯回しの最中であった。
「おい、何やってんだ大兄者?」
「また、随分とお楽しみのところだったようですな兄者」
2人に気付いたトモカズとナイアはドキリとした。
「はっ!?ガイルにリード?何で?」
「違うんです!これは、その。私が今まで御主人様に冷たくしていた罰にやりたかったことに付き合って欲しいと言われて、御恥ずかしいところをお見せして申し訳ありません」
驚き戸惑うトモカズと言い訳をするナイア。
「まぁ気にすんな。大兄者が戸惑ってる姿も見れたしよ。って、そんな場合じゃねぇんだよ大兄者。デモン様が倒れたんだ」
「デモンが倒れた?一体な、何があったんだよ!」
リードの突然の報告にさらに驚くトモカズ。
「どうやら、大魔王様が復活されたそうだ。デモン様は、大魔王様に虐げられていた。おそらくは、トラウマ的な何かを呼び覚まされ、お倒れになったのかと」
「大魔王って、確かデモンの親父だったよな?でも、そいつはアリシアが心臓に剣を刺して仕留めたんじゃなかったっけ?」
リードの後を継いだガイルの説明を受け、トモカズは疑問に思ったことをぶつけた。
「あぁ。そうなんだがよ。ハーウィット様が言うにはよ。大魔王様のことだから心臓を複数所持してたか、欠損しても時間をかければ治るんじゃねぇかってよ」
「はっ?チートじゃねぇか!」
「チート?って言葉はわからねぇが大兄者が戸惑うのも無理はねぇな」
再びリードがトモカズの疑問に答える。
「まぁ、それは良い。すまなかった俺も戸惑った。で、デモンの状態はかなり危険ってことだよな?」
「兄者の推察通りだ。過呼吸を起こして危険な状態だ。直ぐにステラ様のお力を借りたいと」
「わかった」
トモカズはガイルの言葉に返事をするとステラを連れて、デモンとアリシアの寝室を訪れる。
「ハァ。ハァ。ハァ。ハァ」
「デモンちゃん、しっかりして!大丈夫よまた私が殺してあげるから!何度だってデモンちゃんのために殺してあげるから!」
「うぅ。こ、わ、い」
「これは、一刻を争う状況ですね。心意的ストレスというのは、人の心を壊します。直ぐに心を安定させる魔法を使います」
ステラが何かを唱えるとデモンの容態はさっきまでのが嘘だったかのように穏やかな寝息を立て始めた。
「ありがとう。ありがとう。聖女様。許さない。私のデモンちゃんにこんなことを。あのクソッタレは、私がもう一度殺す!」
「待ってくれ。心臓を刺し殺しても死なない相手に君が危険晒してどうする」君は、デモンの側に付いておくべきだろう」
「でも!」
「そうだぜ。ハーウィット殿の言う通りだ。大魔王のことは、俺が何とかしてやるからよ」
「何で、貴方がそこまで?」
「既にこの若き魔王様は俺の良き友人だからな。助けてやるのは当然だ。暫く、この服とコレ借りても良いか?」
「トモ殿、デモンの服と魔王の証である指輪をどうするつもりだ?」
「ことが済んだらきちんと返すさ」
そう言って、トモカズは大魔王が来るという魔王城の玉座の前に進み、周りに四天王たちと魔族のみを侍らせたのだった。
「「ははぁ」」
開口一番、復活した大魔王は、そばに控えていたアラクネの魔族であるクネクネとセイレーンの魔族であるレーンを褒め称えた。
「しかし、四天王の姿が見えぬが。よもや勇者でも復活したか?」
「いえ、勇者は女神を使って闇に染め上げたのですが、テイマーという訳のわからない存在が居て、四天王は全て、その訳のわからない奴に降りました」
レーンは、簡潔に大魔王に告げる。
「ふむ。古に存在したという魔をも制する者、テイマーがこの世に復活しているとはな。やれやれ、拐かされたのなら、取り返してやらねばなるまい」
「大魔王様のおっしゃる通りです。この世の全ての魔族を従えるのは大魔王様、ただお一人なのですから」
クネクネは大魔王の言葉に同意する。
「して、ハーウィットは何をしておる?」
「それが。デモンのクソガキに忠誠を尽くし、あろうことか魔王城を占拠しております」
レーンの言葉に大魔王は額に青筋をピキキッと走らせるがすぐに冷静さを取り戻す。
「成程。兄を支えるのが弟の仕事などと気味の良い言葉を言っていたが所詮は愚鈍な我が息子を上に添えて権力を握ったか。ならば、余が復活したことを大々的に教えてやらねばならんな。先ずは、魔王城を奪還する」
「「はっ」」
レーンとクネクネが大魔王の言葉に同意し、魔王城を目指す。
同じ頃、魔王城では。
「うぐっうぐぐっ。ハァ。ハァ。ハァ。ハァ」
「どうしたのデモンちゃん!?」
「デモン、どうした!?」
突然、苦しみ出したデモンを心配したデモンの妻アリシアとデモンの叔父ハーウィットが駆け寄る。
デモンは、ガタガタと震え、痙攣を起こしていたのだが、ゆっくりと一言だけ呟く。
「ち、ち、う、え、が、こ、こ、に、く、る」
「そんな。そんなはずがないわ!あのクソッタレのクズは、この私が確実に心臓を貫いてあげたのよ!しっかりして、デモンちゃん!もう、アイツは居ないのよ!」
「いや、勇者と何度も雌雄を決する度に蘇ってきた兄上のことだ。心臓をたくさん持っていたか。あるいは、欠損しても時をかければ蘇るのか。兎に角、今はデモンの容態を安定させることが大事だ。トモ殿に助けを求め聖女ステラ殿の助力を仰ぐのが良いだろう」
「えぇ。えぇ、そうね。ハーウィット殿のお陰で落ち着いたわ。ありがとう。誰か!直ぐにトモ殿にこのことを報告するのです!」
「それなら義兄弟である俺たちが伝えに行く」
こうして、リザードマンのガイルとゴブリンのリードがトモカズの元を訪ねてくるのだが。
「お許し下さい御奉行様」
「良いではないか。良いではないか」
「あ~れ~」
ちょうどこのようにすっかり仲直りしたナイアに着物とやらを着せて、トモカズはお奉行様に成り、帯回しの最中であった。
「おい、何やってんだ大兄者?」
「また、随分とお楽しみのところだったようですな兄者」
2人に気付いたトモカズとナイアはドキリとした。
「はっ!?ガイルにリード?何で?」
「違うんです!これは、その。私が今まで御主人様に冷たくしていた罰にやりたかったことに付き合って欲しいと言われて、御恥ずかしいところをお見せして申し訳ありません」
驚き戸惑うトモカズと言い訳をするナイア。
「まぁ気にすんな。大兄者が戸惑ってる姿も見れたしよ。って、そんな場合じゃねぇんだよ大兄者。デモン様が倒れたんだ」
「デモンが倒れた?一体な、何があったんだよ!」
リードの突然の報告にさらに驚くトモカズ。
「どうやら、大魔王様が復活されたそうだ。デモン様は、大魔王様に虐げられていた。おそらくは、トラウマ的な何かを呼び覚まされ、お倒れになったのかと」
「大魔王って、確かデモンの親父だったよな?でも、そいつはアリシアが心臓に剣を刺して仕留めたんじゃなかったっけ?」
リードの後を継いだガイルの説明を受け、トモカズは疑問に思ったことをぶつけた。
「あぁ。そうなんだがよ。ハーウィット様が言うにはよ。大魔王様のことだから心臓を複数所持してたか、欠損しても時間をかければ治るんじゃねぇかってよ」
「はっ?チートじゃねぇか!」
「チート?って言葉はわからねぇが大兄者が戸惑うのも無理はねぇな」
再びリードがトモカズの疑問に答える。
「まぁ、それは良い。すまなかった俺も戸惑った。で、デモンの状態はかなり危険ってことだよな?」
「兄者の推察通りだ。過呼吸を起こして危険な状態だ。直ぐにステラ様のお力を借りたいと」
「わかった」
トモカズはガイルの言葉に返事をするとステラを連れて、デモンとアリシアの寝室を訪れる。
「ハァ。ハァ。ハァ。ハァ」
「デモンちゃん、しっかりして!大丈夫よまた私が殺してあげるから!何度だってデモンちゃんのために殺してあげるから!」
「うぅ。こ、わ、い」
「これは、一刻を争う状況ですね。心意的ストレスというのは、人の心を壊します。直ぐに心を安定させる魔法を使います」
ステラが何かを唱えるとデモンの容態はさっきまでのが嘘だったかのように穏やかな寝息を立て始めた。
「ありがとう。ありがとう。聖女様。許さない。私のデモンちゃんにこんなことを。あのクソッタレは、私がもう一度殺す!」
「待ってくれ。心臓を刺し殺しても死なない相手に君が危険晒してどうする」君は、デモンの側に付いておくべきだろう」
「でも!」
「そうだぜ。ハーウィット殿の言う通りだ。大魔王のことは、俺が何とかしてやるからよ」
「何で、貴方がそこまで?」
「既にこの若き魔王様は俺の良き友人だからな。助けてやるのは当然だ。暫く、この服とコレ借りても良いか?」
「トモ殿、デモンの服と魔王の証である指輪をどうするつもりだ?」
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