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続編 捨て地対黒地
楽しそうな二人
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食堂に近づくと牧野と安達の声が、
廊下に聞こえてきた。
「戻ってきたんだ」
トリアは笑うと食堂に入った。
「お土産貰ったよ~」
安達は向井達の姿に気づくと、
嬉しそうに幾つもの箱を見せた。
ケーキやクッキーが沢山入っているようだ。
「試食に行って、お土産までいただいて、
良いお仕事ですね」
向井は笑うとカウンターに近づき、
「皆さんは何飲みますか? 」
と振り返った。
三人が珈琲でいいというので、
セーズに注文すると牧野達がいる席へと戻った。
「どれも美味しかったよ」
「このチーズとキャラメルは俺の一押しかな」
安達と牧野がトリア達に説明していた。
「ディッセさんも疲れたでしょう」
「ハハハ」
向井の言葉に笑った。
今日は二人の付き添いでディッセが一緒だったので、
向井も安心していた。
「なんだよ。俺達だけだって大丈夫だよ。
ガキじゃないんだから」
「ガキじゃないなら、
失礼なことないように気を付けないとね」
「なんだよ」
トリアの注意に牧野がふくれっ面になり、
大人達が笑った。
そこにセーズが珈琲を運んできた。
「ありがとう」
四人は礼を言うと、
「セーズも食べない? 」
と安達がケーキを見せた。
「じゃあ、このチョコにしよう」
そう言って椅子に座ると手に取り口に入れた。
「ん? 美味しいね~」
「でしょう~」
安達も笑顔になる。
「あの辺りはケーキ屋が三店舗あるんで、
少し差別化を図りたいらしくて、
一口サイズのケーキにホロホロのクッキーを、
メインにしたいそうなんだよ」
ディッセが説明した。
「そうだね。アレルギー対応のケーキショップや、
おから専門店もあるから、
いいかもしれないよ」
セーズもうなずくと、
「そうだ。アイスクリームが残ってるから、
アフォガートにして休憩しようと思ってたんだ。
皆も食べる? 」
と聞いた。
「アフォガート? 」
安達が首を傾げた。
「バニラアイスに少し濃いめのエスプレッソなんかをかけて、
珈琲の海を泳ぐアイスを食べるんだよ」
「美味しそうね」
トリアの顔が煌めいた。
「美味しいよ。さっき優香ちゃんとドセも食べて、
喜んでたから。
蜜実のバニラに、
ほらこの前毘沙門天から珈琲豆みたいなのをもらったでしょ。
それで作ったからみんな食べられるんだよ」
「そうか。だったら、クリスマスパーティーの時に、
霊達に配っても喜ばれますね」
向井がセーズを見た。
「あ~そうだよね。今年は新田君の舞台があるから、
劇場に御馳走を用意しようかって、
冥王も言ってたんだよね」
「えっ? 新田君の舞台が見られるの? 」
サランダが驚いて言った。
「サロン霊にも新田君のことがばれてるでしょう。
お芝居が見たいって言うんで、
一時間位の一人芝居をすることになったんだよ」
「へえ~俺も観たいな」
カランが言うのを見て、
「だったらクリスマスはこっちに来たら?
冥王も今年は眷属にお願いするから、
休みにするって言ってたし」
ディッセがクッキーを食べながら言った。
「そうなの? じゃあこよう」
サランダとカランは顔を見合わせた。
「そういや優香とドセいないじゃん」
牧野が食堂を見回した。
「二人は今工房でデコやってるよ。
楽しいみたいで」
セーズの説明に、
「デコって何? 」
サランダが聞いた。
「これだよ。これ~」
そういうと牧野と安達が鞄に付けているフォトケースを見せた。
「あら、可愛い。色々ついて鮮やかね」
サランダが笑った。
「これはね~向井が作ったんだよ」
安達が楽しそうに、
動物やスイーツのシーリングスタンプを差して言った。
「えっ? 」
カランとサランダが向井を見る。
「俺は絵は苦手なんですけど、
こういうのは楽しいのでちょこちょこ作ってるんですよ」
「え~器用だね~」
カランもデコを見て言った。
「時間があるなら工房も寄っていく? 」
トリアの言葉に二人は頷いた。
「じゃあ、アフォガート持ってきますね」
セーズは椅子から立ち上がると厨房に歩いて行った。
廊下に聞こえてきた。
「戻ってきたんだ」
トリアは笑うと食堂に入った。
「お土産貰ったよ~」
安達は向井達の姿に気づくと、
嬉しそうに幾つもの箱を見せた。
ケーキやクッキーが沢山入っているようだ。
「試食に行って、お土産までいただいて、
良いお仕事ですね」
向井は笑うとカウンターに近づき、
「皆さんは何飲みますか? 」
と振り返った。
三人が珈琲でいいというので、
セーズに注文すると牧野達がいる席へと戻った。
「どれも美味しかったよ」
「このチーズとキャラメルは俺の一押しかな」
安達と牧野がトリア達に説明していた。
「ディッセさんも疲れたでしょう」
「ハハハ」
向井の言葉に笑った。
今日は二人の付き添いでディッセが一緒だったので、
向井も安心していた。
「なんだよ。俺達だけだって大丈夫だよ。
ガキじゃないんだから」
「ガキじゃないなら、
失礼なことないように気を付けないとね」
「なんだよ」
トリアの注意に牧野がふくれっ面になり、
大人達が笑った。
そこにセーズが珈琲を運んできた。
「ありがとう」
四人は礼を言うと、
「セーズも食べない? 」
と安達がケーキを見せた。
「じゃあ、このチョコにしよう」
そう言って椅子に座ると手に取り口に入れた。
「ん? 美味しいね~」
「でしょう~」
安達も笑顔になる。
「あの辺りはケーキ屋が三店舗あるんで、
少し差別化を図りたいらしくて、
一口サイズのケーキにホロホロのクッキーを、
メインにしたいそうなんだよ」
ディッセが説明した。
「そうだね。アレルギー対応のケーキショップや、
おから専門店もあるから、
いいかもしれないよ」
セーズもうなずくと、
「そうだ。アイスクリームが残ってるから、
アフォガートにして休憩しようと思ってたんだ。
皆も食べる? 」
と聞いた。
「アフォガート? 」
安達が首を傾げた。
「バニラアイスに少し濃いめのエスプレッソなんかをかけて、
珈琲の海を泳ぐアイスを食べるんだよ」
「美味しそうね」
トリアの顔が煌めいた。
「美味しいよ。さっき優香ちゃんとドセも食べて、
喜んでたから。
蜜実のバニラに、
ほらこの前毘沙門天から珈琲豆みたいなのをもらったでしょ。
それで作ったからみんな食べられるんだよ」
「そうか。だったら、クリスマスパーティーの時に、
霊達に配っても喜ばれますね」
向井がセーズを見た。
「あ~そうだよね。今年は新田君の舞台があるから、
劇場に御馳走を用意しようかって、
冥王も言ってたんだよね」
「えっ? 新田君の舞台が見られるの? 」
サランダが驚いて言った。
「サロン霊にも新田君のことがばれてるでしょう。
お芝居が見たいって言うんで、
一時間位の一人芝居をすることになったんだよ」
「へえ~俺も観たいな」
カランが言うのを見て、
「だったらクリスマスはこっちに来たら?
冥王も今年は眷属にお願いするから、
休みにするって言ってたし」
ディッセがクッキーを食べながら言った。
「そうなの? じゃあこよう」
サランダとカランは顔を見合わせた。
「そういや優香とドセいないじゃん」
牧野が食堂を見回した。
「二人は今工房でデコやってるよ。
楽しいみたいで」
セーズの説明に、
「デコって何? 」
サランダが聞いた。
「これだよ。これ~」
そういうと牧野と安達が鞄に付けているフォトケースを見せた。
「あら、可愛い。色々ついて鮮やかね」
サランダが笑った。
「これはね~向井が作ったんだよ」
安達が楽しそうに、
動物やスイーツのシーリングスタンプを差して言った。
「えっ? 」
カランとサランダが向井を見る。
「俺は絵は苦手なんですけど、
こういうのは楽しいのでちょこちょこ作ってるんですよ」
「え~器用だね~」
カランもデコを見て言った。
「時間があるなら工房も寄っていく? 」
トリアの言葉に二人は頷いた。
「じゃあ、アフォガート持ってきますね」
セーズは椅子から立ち上がると厨房に歩いて行った。
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