『アンダーワールド・続編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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番外編 北支部へ

冥界のデコブーム

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そんな事を話していると、

冥王がタブレットを手に楽しそうに歩いてきた。

「向井君~私はこのキャラのマグカップと、

アクリルスタンドが欲しいです。

新商品が出てるのを知りませんでしたよ~」

口をすぼめて言う冥王に、

向井達はあきれ顔で笑った。

「あとですね~」

「まだ買うんですか? 」

向井が驚いて冥王を見ると、

「あと一つだけ。

このアニメのトレカが出たんです。

五枚セットだから、

安達君も二セット買うというので、

お互いに欲しいものをトレードしようと思って」

笑顔の冥王に、

「そんなカードを買ってどうするの」

トリアが画面を見ながら聞く。

「フォトケースにデコるんですよ~」

「デコる? 」

シェデムが聞き返す。

「最近工房にデコ作家さんが来たんです。

それでチビと安達君、あと早紀ちゃんも夢中になって、

フォトフレームにデコっているんです」

向井が説明した。

先日新たに派遣登録された村本美紀は、

デコアーティストとして何冊も本を出版している人気作家だ。

工房でストーンやホイップ、レジンを使って作っている様子に、

安達が夢中になり、

死神達も教えてもらっていた。

「今や冥界はデコブームです」

向井が笑った。

「へえ~」

「どういうものなの? 」

二人が興味を持って聞くと、

「これですよ。これ」

と言って、自分の腰に付けている、

手のひらサイズのトレカケースを見せた。

「これは小さいですけど、

お部屋には大きいものも飾っているんです」

冥王が自慢げに見せた。

「あら可愛い」

「これ本当に冥王が作ったの? 」

シェデムとトリアがケースを見た。

「当然です。村本さんにも素質があるって、

褒められたんですから」

「私もやってみようかな。ホント可愛い」

シェデムが笑顔になった。

「だけど、自分の写真を入れて持ち歩く人っているの? 」

冥王の写真が入っているフォトケースに、

あきれ顔でトリアが言った。

「私はカッコイイんですからいいんです」

冥王がツンとした顔で話すのを見て、

「推しってあるでしょう。冥王はあれに憧れてるんです。

誰も冥王を推してくれないから、

自分で自分を推し活中という訳です」

向井が苦笑いしながら話した。

「惨めね」

「大体自分の顔見て楽しい人っているの? 」

「ギリシャ神話のナルキッソスですね」

二人の会話に向井が言った。

「あぁ、ナルシストね」

トリアが笑った。

「君達には私のカッコよさが分からないんです」

「カッコいいですよ」

「………」

向井の誉め言葉に面白くなさそうな顔をした。

「ははは。イイ男に言われても説得力ないもんね」

トリアが腹を抱えて笑う姿に、シェデムもふき出した。

「ねえ~いかないの? 」

「準備できたよ」

こんと呉葉、三鬼がリュックを背負ってやってきた。

ハクは荷物を詰めると、まだ背負うことができないので、

牧野が代わりに肩掛けして手を繋いで近づいてきた。

「そうですね。そろそろ行きますか。

今回のお泊り組は? 」

向井が聞くと、

「私とトリアとティンとオクトと早紀ちゃん………

それと向井さんとチビと大チビね」

シェデムが指を折り曲げながら言った。

「あとエハさんとヴァン君が後から合流するので、

十四名ですね」

向井と手を繋ぐこんと、

足に抱きつく呉葉と三鬼を見ながら話した。

「冥王の事はちゃんと見てるから、

安心して行ってらっしゃい」

真紀子の言葉に向井達は出かけて行った。
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