235 / 664
続編 混沌とした下界
捨て地のスパイ
しおりを挟む
「この辺りは昔から龍神池もあって、
神様に守られている土地なんですよ。
なのでよからぬ悪事を働くと神の天罰が下るそうです」
「あぁ。古い方は龍神様のお話をよくされていますものね」
女性は思い出すように話した。
「ここは神様を大事にされている方が多いので、
祠も綺麗にされているでしょう。
そういう土地なので消えた方は、
神の怒りに触れたのかもしれませんね」
「………確かにそうかも。
私の両親も花を植えたり、
私達も掃除をして神様への感謝を忘れないようにしてますから」
女性が笑顔で話しながら頷いた。
「その気持ちがある方はこの土地で守ってもらえるんですよ」
「では、消えた方というのは問題があるという事ですか? 」
「そうなりますね」
ディッセは話しながら女性を見た。
すると何かがきらりと光った。
視線をやるとお散歩バッグに付けられているチャームが輝いていた。
女性もバッグチャームを見る。
「これ、可愛いでしょう?
お友達がイベントで買ったって、
プレゼントでくれたんです。
これを付けてからいいことも多くて」
彼女がチャームを持ち上げて見せると笑顔で説明した。
神様のシェイカーがそこで輝いていた。
それを見て、
「これね。この人たちが販売してるんですよ。
俺もこんな世の中でしょ。
魔除けで持ってるんです」
黒谷が笑顔で向井達を指さす。
「えっ? そうなんですか? 」
女性の顔が驚きから笑顔に変わった。
「じゃあもしかして来月にある、
白の捨て地のイベントって出られます? 」
「はい。出ますよ」
ディッセが笑顔で言った。
「そうなんですね。
捨て地はイベントが娯楽の一つじゃないですか。
来月私も友人と行こうかって話してたんです。
両親もこれが欲しいって言っているので、
ブースの方にお邪魔しますね」
「有難うございます。
そういっていただけると嬉しいです。
新しいカラーも出ますのでお待ちしてますね」
向井も笑顔で礼を言った。
彼女が去った後、
ディッセは難しい顔をしながら土を触った。
「なんか感じる? 」
ティンも隣に来るとしゃがんだ。
「結界を切り裂いたような熱を感じるね………」
その言葉に向井も土に触れた。
ディッセは立ち上がると消えた空間をじっと見た。
その時、
「向井さん? 大丈夫? 」
隣で一緒に腰をかがめていた坂下が声をかけた。
向井は顔を顰めると、一瞬苦しそうに体を地面で支えた。
ティンと黒谷も向井に近寄る。
「どうしたの? 平気? 」
「大丈夫です。捨て地なんで少し油断しました」
向井は小さく息をつくと安心させるように微笑んだ。
体内に神と妖怪を入れているので反応したようだ。
「ここにも辛い過去がしみ込んでいるのを忘れていました」
向井は笑うと立ち上がった。
黒谷は向井から離れると、
心配そうに見ているディッセに近づいた。
「向井さんのオーラは日によって変化するよね」
その言葉にディッセが黒谷を見た。
「優しい白から虹色になったり、
赤い炎が見えたら静かな水が広がったり」
「黒谷君から見て向井さんはどう見える。
辛そう? 」
「ん~それはないかな。穏やかだよ。
ただ、今みたいにちょっとした変化にオーラが騒ぎ出す感じ? 」
「そうか」
ディッセの考え込む姿に、
「向井さんも何かあるの? 安達君もそうだけど、
オーラの色が皆と少し違うからさ」
「大丈夫だよ」
安心させるように黒谷の肩を叩いた。
神様に守られている土地なんですよ。
なのでよからぬ悪事を働くと神の天罰が下るそうです」
「あぁ。古い方は龍神様のお話をよくされていますものね」
女性は思い出すように話した。
「ここは神様を大事にされている方が多いので、
祠も綺麗にされているでしょう。
そういう土地なので消えた方は、
神の怒りに触れたのかもしれませんね」
「………確かにそうかも。
私の両親も花を植えたり、
私達も掃除をして神様への感謝を忘れないようにしてますから」
女性が笑顔で話しながら頷いた。
「その気持ちがある方はこの土地で守ってもらえるんですよ」
「では、消えた方というのは問題があるという事ですか? 」
「そうなりますね」
ディッセは話しながら女性を見た。
すると何かがきらりと光った。
視線をやるとお散歩バッグに付けられているチャームが輝いていた。
女性もバッグチャームを見る。
「これ、可愛いでしょう?
お友達がイベントで買ったって、
プレゼントでくれたんです。
これを付けてからいいことも多くて」
彼女がチャームを持ち上げて見せると笑顔で説明した。
神様のシェイカーがそこで輝いていた。
それを見て、
「これね。この人たちが販売してるんですよ。
俺もこんな世の中でしょ。
魔除けで持ってるんです」
黒谷が笑顔で向井達を指さす。
「えっ? そうなんですか? 」
女性の顔が驚きから笑顔に変わった。
「じゃあもしかして来月にある、
白の捨て地のイベントって出られます? 」
「はい。出ますよ」
ディッセが笑顔で言った。
「そうなんですね。
捨て地はイベントが娯楽の一つじゃないですか。
来月私も友人と行こうかって話してたんです。
両親もこれが欲しいって言っているので、
ブースの方にお邪魔しますね」
「有難うございます。
そういっていただけると嬉しいです。
新しいカラーも出ますのでお待ちしてますね」
向井も笑顔で礼を言った。
彼女が去った後、
ディッセは難しい顔をしながら土を触った。
「なんか感じる? 」
ティンも隣に来るとしゃがんだ。
「結界を切り裂いたような熱を感じるね………」
その言葉に向井も土に触れた。
ディッセは立ち上がると消えた空間をじっと見た。
その時、
「向井さん? 大丈夫? 」
隣で一緒に腰をかがめていた坂下が声をかけた。
向井は顔を顰めると、一瞬苦しそうに体を地面で支えた。
ティンと黒谷も向井に近寄る。
「どうしたの? 平気? 」
「大丈夫です。捨て地なんで少し油断しました」
向井は小さく息をつくと安心させるように微笑んだ。
体内に神と妖怪を入れているので反応したようだ。
「ここにも辛い過去がしみ込んでいるのを忘れていました」
向井は笑うと立ち上がった。
黒谷は向井から離れると、
心配そうに見ているディッセに近づいた。
「向井さんのオーラは日によって変化するよね」
その言葉にディッセが黒谷を見た。
「優しい白から虹色になったり、
赤い炎が見えたら静かな水が広がったり」
「黒谷君から見て向井さんはどう見える。
辛そう? 」
「ん~それはないかな。穏やかだよ。
ただ、今みたいにちょっとした変化にオーラが騒ぎ出す感じ? 」
「そうか」
ディッセの考え込む姿に、
「向井さんも何かあるの? 安達君もそうだけど、
オーラの色が皆と少し違うからさ」
「大丈夫だよ」
安心させるように黒谷の肩を叩いた。
2
あなたにおすすめの小説
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
置き去りにされた聖女様
青の雀
恋愛
置き去り作品第5弾
孤児のミカエルは、教会に下男として雇われているうちに、子供のいない公爵夫妻に引き取られてしまう
公爵がミカエルの美しい姿に心を奪われ、ミカエルなら良き婿殿を迎えることができるかもしれないという一縷の望みを託したからだ
ある日、お屋敷見物をしているとき、公爵夫人と庭師が乳くりあっているところに偶然、通りがかってしまう
ミカエルは、二人に気づかなかったが、二人は違う!見られたと勘違いしてしまい、ミカエルを連れ去り、どこかの廃屋に置き去りにする
最近、体調が悪くて、インフルの予防注射もまだ予約だけで……
それで昔、書いた作品を手直しして、短編を書いています。
王命って何ですか? 虐げられ才女は理不尽な我慢をやめることにした
まるまる⭐️
恋愛
【第18回恋愛小説大賞において優秀賞を頂戴致しました。応援頂いた読者の皆様に心よりの感謝を申し上げます。本当にありがとうございました】
その日、貴族裁判所前には多くの貴族達が傍聴券を求め、所狭しと行列を作っていた。
貴族達にとって注目すべき裁判が開かれるからだ。
現国王の妹王女の嫁ぎ先である建国以来の名門侯爵家が、新興貴族である伯爵家から訴えを起こされたこの裁判。
人々の関心を集めないはずがない。
裁判の冒頭、証言台に立った伯爵家長女は涙ながらに訴えた。
「私には婚約者がいました…。
彼を愛していました。でも、私とその方の婚約は破棄され、私は意に沿わぬ男性の元へと嫁ぎ、侯爵夫人となったのです。
そう…。誰も覆す事の出来ない王命と言う理不尽な制度によって…。
ですが、理不尽な制度には理不尽な扱いが待っていました…」
裁判開始早々、王命を理不尽だと公衆の面前で公言した彼女。裁判での証言でなければ不敬罪に問われても可笑しくはない発言だ。
だが、彼女はそんな事は全て承知の上であえてこの言葉を発した。
彼女はこれより少し前、嫁ぎ先の侯爵家から彼女の有責で離縁されている。原因は彼女の不貞行為だ。彼女はそれを否定し、この裁判に於いて自身の無実を証明しようとしているのだ。
次々に積み重ねられていく証言に次第に追い込まれていく侯爵家。明らかになっていく真実を傍聴席の貴族達は息を飲んで見守る。
裁判の最後、彼女は傍聴席に向かって訴えかけた。
「王命って何ですか?」と。
✳︎不定期更新、設定ゆるゆるです。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる