『アンダーワールド・続編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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続編 黒地のあがき

弥生とドライブ

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そして納車の日。

向井達は夜中に喫茶店に集合し、

嬉しそうな黒谷と一緒に出発した。

源じいの姿に、

「あれ? 一緒に来るの? 」

黒谷が聞くと、

「ボンから話を聞いて乗ってみたくなりました。

運転もできますけど年ですから、

私の場合は旅行を楽しませてもらいますよ」

楽しそうな源じいに向井達も笑った。

「これ、優香ちゃんがサンドイッチ用意してくれた。

食べながら行こう」

ディッセはそういうと、

「行きは向井さんが運転で俺が助手席に座るから、

四人は最初の休憩所までのんびりしてていいよ。

源じいも寝るなら奥のベッドでね」

ディッセはそういうと助手席に乗り込んだ。

捨て地は使用道路が限られている。

それは黒地の陣地が広いからだ。

その為移動時間が長くなるのも仕方がない。

ただ、おかげで休憩所の数が増え、

ドライバーには評判がいい。

物流も黒地と違い、

ドライバーも時間に追われることもなく丁寧だ。

後ろを向くと四人で何やら休憩所の画像を見ながら、

楽しそうに話していた。

ディッセは笑うとサンドイッチを食べた。


休憩所に着くと、

弥生達が夜中なのに営業しているお店に驚いていた。

トラックやキャンピングカー、一般車まで、

人が移動していた。

「休憩所も二十四時間営業している場所も増えてるんです。

捨て地は移動が車でしょう。

鉄道を黒地から封じられていますから、

出来る範囲で捨て地民が暮らしやすい国づくりをしてるんですよ」

向井が説明した。

「夜でも安全な国というのはいいですね」

源じいが言う横で、

「黒地は昼も夜も危ないけどね」

黒谷が腕を組んでいった。

「さて、温泉入ろう~」

ディッセが言った。

「私も温泉なんて久しぶりです」

嬉しそうな源じいと黒谷も一緒に歩いて行った。

「私達も入って温まろう~」

真紀子は弥生と顔を見合わせ笑う。

向井はそんな彼らを見ながらゆっくり歩き出した。



温泉から出てくるとディッセと黒谷は、

「ホルモン~」

嬉しそうにドライバーと話しながら、

うどんを注文していた。

「私達はこれにしよう。

源じいと向井君はどうする? 」

真紀子がゆず茶とゆずケーキのセットを見て、

弥生と食べる~と笑顔でいた。

「では私もそうしよう」

源じいも頷いた。

「そうですね。俺もあの二人と違って、

サンドイッチを食べて来てるので、

デザートの方がいいかな」

向井が言うのを聞いてから、

「じゃあ注文してくるね~」

弥生と真紀子がカウンターに歩いて行った。

それと入れ違いにホルモンうどんを持って、

ディッセと黒谷が戻ってきた。

「あれ? 向井さん達は食べないの? 」

黒谷が聞く。

「今、ゆず茶のケーキセットを、

弥生ちゃん達が注文しにいってるんです」

「さすがにうどんは食べられないです」

向井と源じいは美味しそうに食べる二人を見て言った。

「そう? 起きてるとお腹すくよ」

「なっ? 」

黒谷とディッセは顔を見合わせ笑った。

「はい。お待たせ~」

弥生と真紀子がトレイに乗せて運んできた。

「いい香りですね~」

源じいの顔がほころんだ。

「ホントいい香り~」

ディッセも言うとケーキを見た。

「ゆず尽くしなんですって。

ジャムもゆずなのよ」

真紀子が席に着くと香りを嗅いで目を閉じた。

「ではいただきましょう」

向井も笑顔になるとフォークをケーキに入れた。

「そうだ。フェムトンから今回の税金の申告はうちでやるってさ」

「えっ? 」

黒谷が驚いてディッセを見た。

「ほら、キャンピングカーの事もあるでしょ。

一応黒谷君の所有になるし、車も処分したし。

喫茶店に今年はイベントでも儲けが大きく出てるから、

まとめてやるってさ」

「わ~助かる~

多分、ガボッと持っていかれるんだよね。

黒地の捨て地税は昔の年貢の取り立てみたいでしょ。

区役所に相談する人も増えてて、

それが捨て地で一番の問題かもね」

「家康は『年貢は百姓が死なぬよう生きぬように取れ』

と言ったそうですよ。

今の時代がまさにそれですね」

向井がお茶を飲みながら話した。

「あの時代は餓死する者も多かったそうですからね。

この先は黒地からの取り立てと戦っていかないといけませんね」

源じいも客の姿を眺めた。

「最低限の暮らしの中で小さなご褒美の贅沢を楽しみ、

黒地から犯罪者扱いされ、捨て地税も高く、

それでもここで生きる選択した強い人たちです。

黒谷君もそうでしょう。

今回は神様からのクリスマスプレゼントだと思ってください」

微笑む向井に、

「嬉しいなぁ~」

黒谷は笑顔で皆の顔を見た。
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