『アンダーワールド・続編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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続編 黒地のあがき

休憩所でのイベント

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向井達が休憩所の建物に入ると、

広い店内の中央で手作りイベントが行われていた。

「わぁ~こういう場所でも、

ハンドメイドマルシェってあるのね」

弥生の表情が興味を持ったように笑顔になった。

よく見ると真紀子が作家と楽しそうに話す姿があった。

黒谷はそこから少し先の店で買い物をしていた。

向井とディッセは黒谷の所へ、

弥生は真紀子と源じいのいる店へと近づいて行った。

「見て~これ素敵でしょう。

一つ買っちゃった」

真紀子がブローチを見せた。

「これ和紙? 綺麗~」

弥生も作品を見ると、

「私もこのピアスを一つ買おう。

これは椿ですか? 」

と作家を見た。

「はい。幾重にもコーティングして作っていますので、

多少水にぬれても問題ないです。

金具はステンレスです」

「じゃあこれと………ミモザも可愛いから、

ゴールドをお願いします」

「有難うございます」

弥生を見て作家が笑顔で礼を言った。

包んでいる間、

源じいが感心するように織り鶴や紙風船、

兜などの折り紙アクセサリーを見ていた。

「こんなに細かいものがアクセサリーになるんですね~」

「折り紙は外国の方にも喜ばれるので、

人気なんですよ」

と説明しながら源じいの胸元を見た。

「そのループタイ。素敵ですね」

「えっ? あぁ、これですか。

息子に買ってもらったんですよ」

「いいですね~」

「孫たちと北の3DZOOに行って、

その時にね」

源じいが嬉しそうに話すのを弥生達も笑顔で聞いていた。

その話に作家が話し始めた。

「3DZOOに行かれたんですか? 

私も息子にせがまれて、

距離があるので来年のお休みに主人と連れて行こうかって、

話してるんですよ。

動物がリアルに動くそうですね」

「そうなんですよ。私も驚きました。

動物に見られているようで、

目の前で動くので大人も楽しめますよ」

「わぁ………

聞いたら私も気になってきました」

作家は笑顔になった。


向井達は黒谷のいる店に近づくと声をかけた。

「あっ、それが金目鯛のお弁当? 

だったらあと二個追加して」

「えっ? 」

黒谷は驚くと店主に二個増やしてもらった。

「今さ。アートンとシェデムも来たんだよ」

「そうなの? 」

黒谷は驚いたまま料金を払うとお弁当を受け取った。

店主に礼を言ってその場を去ると、前から源じい達が歩いてきた。

「それがお弁当? 」

弥生が袋を見て聞いた。

「そう。金目鯛の照り焼きなんだってさ」

黒谷が楽しそうに話す。

向井とディッセは黒谷の後を歩きながら、

室内の雰囲気を眺めた。

「休憩所でもマルシェが盛んなんですね」

観光客も含め、人の出入りも多い。

マルシェブースに人が流れる様子を見て、

「そうだね」

ディッセは考え込むと、

近くにあったフライヤーを一枚手に取った。

「ここは区の観光課主催なんだ。

一度広報に連絡を取ってみるか」

「イベントに休憩所も入れるんですか? 」

向井も紙をのぞきながら言った。

「ん~うちは今、

月二でマルシェに参加してるだろ。

更にポップアップストア、喫茶店。

この先移動しながら仕事となると、

こういう場所で様子を見てもいいのかなと思ってさ」

「………」

向井も少し考え込むと、

「そうですね。

だったらスタンプカードを作ってもいいかも」

「スタンプカード? 」

ディッセが聞き返した。

「知りません? 例えばうちで買ってくれたお客様に、

一点ごとにスタンプ一個を押すんです。

うちの系列商品。つまり黒谷君のキャラグッズもお弁当も、

喫茶店で購入してくれた方にもスタンプが押されます。

そのカードに十個たまるごとに特典をつけるんです」

「はぁ~なるほどね」

「アプリでもいいんですけど、

今はネットも通信問題が多いので、

昔ながらの方がいいかなと思って」

「それいいね。特典はどんなものがいい? 」

ディッセが向井を見た。

「ん………幾つか選べてもいいのでは? 」

「選べる? 」

「例えば喫茶店のクッキー無料券、ガチャ一回無料、

購入割引券などでしょうか」

「そうか。幾つか用意してその中から一つ選べると」

ディッセがフムフムと頷く。

「うちのガチャは人気でしょう。

イベントでもイチオシになってますし」

「そうだよね。新しい客の獲得にもいいな。

あとで黒谷君も交えて話し合おう」

そんな話をしてるところに、

仕事を終えてシェデムとアートンがやってきた。

「いたいた~」

「結構賑わっているね。

外の大観覧車? 驚いちゃったわよ」

二人は室内で売られている商品を見ながら話した。

「住民の確認が済んだから、

区役所の方に連絡入れておいた。

見た所、住居の移動の心配はないけど、

職場が消えたものもいるから、

これから話を聞いていくって」

「うちからも何人か記憶操作して、

役所に入り込むから」

「そうですか。助かりました」

向井が安心した様子で言った。

「あれ? シェデムさん達も来たの? 

問題が大きくなってる? 」

真紀子が話し込む向井達を見て近づいてきた。

「大丈夫。捨て地の土地が広いから、

役所との連携がね」

「そうよね」

あとから近づいてきた弥生も頷くとアートンを見た。

「それよりお腹空いちゃって」

シェデムが店を見てると、

「車で食べようと思ってお弁当買ったよ」

黒谷が袋を見せた。

「嬉しい~」

シェデムの笑顔に皆で車に戻った。
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