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続編2 黒地の戦い
異なる道徳
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「………」
黙る日本人を見て、今度は外国人を振り返った。
「あんた達だって差別されて辛いんだろう? 」
「………」
日本語の通じるものも何人かいるようだ。
このクラスの人間は恐らくスパイ活動もしてるのだろう。
「別にドローンだって飛んでるし、いつもと変わらないじゃん。
カメラは俺の方で用意して、
三ヶ月この近辺一体に設置してライブ配信する。どう?
金にもなるよ」
「プライバシーの侵害だ! 」
「お前も結局レイシストってことだな」
彼らが反対に安田に不満を言いだした。
「なんでだよ。だってあんたらの思いは同じで、
日本は差別国家で、
日本人はそれを応援している立場の人間。
体験してみれば住民がレイシストだって分かるでしょ。
暴行事件につながる背景も立証できるよ」
安田が双方を見ながら言ったが、
誰もが口をつぐんで忌々しい顔つきでいた。
「それとも何か政治的裏取引でもしてるのか? 」
安田は腕組みして考え込むと、
「ここは中央の都第三区か?
知事は………森田だったよね。
あっ、山口の先生の派閥ということは、
ここから国政狙ってるのか………」
その一言に険悪な空気が広がった。
「面白い提案だね」
ディッセが笑いながら集団の様子を見る。
「この国は各省庁で法の在り方が違うので、
昔から揉め事は多いんですよ。
かなり法整備は出来たはずなんですけど、
議員の数が増えたことで、
天下りも増えたでしょう。
だから省庁も多くなり結果こんな状態なんです」
向井は小さくため息をつくと、
「五十年前に老人は死ねと言ったものがいて、
馬鹿な老人のせいで日本が変われないと、
SNSで拡散された出来事があったって、
冥王から聞かされました。
そこから日本人の道徳がおかしくなって、
その道徳を基準に姥捨て山、老害法が作られ、
今があるそうです」
と説明した。
「だから自分以外の誰かを叩いていないと、
生きられないのか………はぁ~」
ディッセも上を向いて大きく息を吐いた。
「黒地はそんな回遊魚の人間で溢れています。
現状を分からないまま、
人口減少だの労働力不足だのと、
外国受け入れの台本を読んでいる議員も多いです。
安田はそれを分かったうえで………
出来ないことをあえて話したんでしょう。
彼はこの国を変える救世主になれるかもしれません」
向井は膨れ上がる悪霊に空を見上げた。
「あ………」
ティンたちも上を見上げて唇を突き出す。
「これ以上怒らせると本気でまずいかな」
向井は怒りをあらわにする者達を見て、
「あの者達にも少し恐怖の体験をしてもらいますか? 」
とディッセに顔を向けた。
「さてと、結界張るよ~みんな準備して~」
大きく集団を囲むように結界を張った。
黙る日本人を見て、今度は外国人を振り返った。
「あんた達だって差別されて辛いんだろう? 」
「………」
日本語の通じるものも何人かいるようだ。
このクラスの人間は恐らくスパイ活動もしてるのだろう。
「別にドローンだって飛んでるし、いつもと変わらないじゃん。
カメラは俺の方で用意して、
三ヶ月この近辺一体に設置してライブ配信する。どう?
金にもなるよ」
「プライバシーの侵害だ! 」
「お前も結局レイシストってことだな」
彼らが反対に安田に不満を言いだした。
「なんでだよ。だってあんたらの思いは同じで、
日本は差別国家で、
日本人はそれを応援している立場の人間。
体験してみれば住民がレイシストだって分かるでしょ。
暴行事件につながる背景も立証できるよ」
安田が双方を見ながら言ったが、
誰もが口をつぐんで忌々しい顔つきでいた。
「それとも何か政治的裏取引でもしてるのか? 」
安田は腕組みして考え込むと、
「ここは中央の都第三区か?
知事は………森田だったよね。
あっ、山口の先生の派閥ということは、
ここから国政狙ってるのか………」
その一言に険悪な空気が広がった。
「面白い提案だね」
ディッセが笑いながら集団の様子を見る。
「この国は各省庁で法の在り方が違うので、
昔から揉め事は多いんですよ。
かなり法整備は出来たはずなんですけど、
議員の数が増えたことで、
天下りも増えたでしょう。
だから省庁も多くなり結果こんな状態なんです」
向井は小さくため息をつくと、
「五十年前に老人は死ねと言ったものがいて、
馬鹿な老人のせいで日本が変われないと、
SNSで拡散された出来事があったって、
冥王から聞かされました。
そこから日本人の道徳がおかしくなって、
その道徳を基準に姥捨て山、老害法が作られ、
今があるそうです」
と説明した。
「だから自分以外の誰かを叩いていないと、
生きられないのか………はぁ~」
ディッセも上を向いて大きく息を吐いた。
「黒地はそんな回遊魚の人間で溢れています。
現状を分からないまま、
人口減少だの労働力不足だのと、
外国受け入れの台本を読んでいる議員も多いです。
安田はそれを分かったうえで………
出来ないことをあえて話したんでしょう。
彼はこの国を変える救世主になれるかもしれません」
向井は膨れ上がる悪霊に空を見上げた。
「あ………」
ティンたちも上を見上げて唇を突き出す。
「これ以上怒らせると本気でまずいかな」
向井は怒りをあらわにする者達を見て、
「あの者達にも少し恐怖の体験をしてもらいますか? 」
とディッセに顔を向けた。
「さてと、結界張るよ~みんな準備して~」
大きく集団を囲むように結界を張った。
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