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続編 新年の呪い
冥界アスレチック?
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「ターザンロープ知らないの? 」
早紀が笑った。
「少し小高い場所にロープが張られてて、
そこから滑車に垂らされたロープを掴んで下りてくるのよ」
「危なくないのか? 」
ディッセが眉間にシワを寄せるのを見て、
「大丈夫ですよ。そんなに距離もないですし、
子供には風も感じられて楽しいと思いますよ。
まぁ、ハクとクロウにはまだ無理ですけど、
呉葉達ならいいアスレチックですね」
向井が笑顔で説明した。
「喫茶店の近くに公園があるだろ。
チビ達もよく遊んでるんだけど、
ここでも遊びたいらしくて。
下界の公園は人間の子が多いと遊ばせられないからさ」
妖鬼が言い、
「だからシーソーも、
サーキットのある子供広場に設置したんだよ。
あそこもすでにアスレチックになってるよ」
と笑った。
「公園でも順番待って、
ターザンロープで遊んでるんだけどね。
まぁ、うちにアスレチックが出来て、
公園に行かなくてもいいし、
でも一番喜んでるのは牧野ね。
雲梯とか丸太つり橋とかチビと一緒に遊んでるじゃない」
早紀が笑い、
「そうそう。玄関横にお砂場が出来てて驚いた。
いつ作ったの? 」
と妖鬼達を見た。
「あぁ、あれね。
チビが砂遊びが楽しいって冥王に話したから、
自分も遊びたいって言うんで、
天上界から砂を運んで柵を作って危なくないようにしたの。
太陽と同じような光も作って大変だったよ」
「あ………それで出入り口に水洗い場が出来たんですね。
牧野君が便利になったって喜んでました」
向井も納得したように妖鬼を見た。
そんな話で笑っていると、
シェデムが入り口から顔をのぞかせた。
「ディッセいた~
大貫さん達が探してたわよ」
その声に、
「そうだった。妖鬼達を連れてくるって言ったんだよ」
ディッセは笑うと、
「大貫さん達はサロンにいるの。
ほら、ピッコロも出来たから工房が満杯だろ。
で、企画はとりあえずサロンでって事になって。
奥にパーティションを作ったんだよ」
「………」
ディッセの話に妖鬼達が不満そうにじ~~っと顔を見た。
「仕方がないだろう。
これ以上は広くできないんだからさ。
三途の川の河原ですら開発されて狭くなってんだよ」
「………はぁ~次から次にやるのはいいけど、
俺達が楽に暮らせるように儲けを出してよ」
鬼道もため息をつくと、三人は工房を出て行った。
「じゃあ私も頑張らなきゃね」
早紀もそういうと部屋に戻っていった。
「向井さんは今日はお休み? 」
シェデムが歩いてくると言った。
「いえ、待機中です。
田口達が動いて今朝も地震があったでしょう」
「虎獅狼が地震が来るって予言したら、
本当に今朝中央に大きな揺れがあって驚いた」
ディッセが二人の顔を見た。
「昨夜からぞわぞわするって言ってたので、
みんな用心してたら的中だったでしょう。
他のチビは落ち着いたんですけど、
こんがね」
「あぁ、それで向井さんは待機か」
ディッセが腰に手を当てため息をついた。
その時、
「ほら、いたでしょう」
フンフがこんの手を引いて工房に入ってきた。
「パパいた」
こんは泣きべそをかいて歩いてきた。
「どうしたんですか? みんなと遊んでいるんじゃないの」
向井は笑顔を見せると抱き上げた。
「ん~………みんなきえちゃうもん」
「えっ? 消えませんよ」
向井達は驚くと安心させるように言った。
「ここがくしゃくしゃする………
みんなきえちゃう」
こんが胸に手を当ててこすった。
「そうか。怖い事を思い出しちゃうんですね。
でもね。大丈夫です。
ほら見てごらん。皆いるでしょう」
向井が笑顔で室内で作業する作家たちを見た。
「ゆりちゃんいる………あさみちゃんもいた」
こんが手を振る作家を見て自分も手を振る。
「ほら、皆いるじゃない」
シェデムも笑うとこんの頬を優しく突いた。
「もし、ここにいる人達がいなくなっても、
それは消えるのではなくて、卒業なんですよ」
「そつぎょう? 」
「こんにはまだ難しいかもしれませんけど、
時間が来るとみんな次に進むために卒業するんです」
首をかしげるこんを見て、
「皆こんを置いて消えるんじゃなくて、
卒業していくんです。
ここにいなくてもちゃんと違う場所にいるんですよ。
それとね。
ここにいる人と下に下りた時に出会う人は少し違うんです」
「ん………翔太ちゃんも? 」
こんが考えるように首を傾げた。
「そうです。だから黒谷ちゃんはここには来られないんです」
「いつくる? 」
「ずっと先です。だからこんが黒谷ちゃんに会いに行くと、
喜んでくれるでしょう? 」
こんがうんうんと頷く。
「パパもそつぎょーする? 」
「難しい質問ですね」
向井は笑うと、
「こんがパパを必要としている間は卒業しません」
「ほんと? 」
「本当です」
こんが笑顔になった。
「子供との約束だから守らないとね」
シェデムが向井を見るとディッセと一緒に笑った。
早紀が笑った。
「少し小高い場所にロープが張られてて、
そこから滑車に垂らされたロープを掴んで下りてくるのよ」
「危なくないのか? 」
ディッセが眉間にシワを寄せるのを見て、
「大丈夫ですよ。そんなに距離もないですし、
子供には風も感じられて楽しいと思いますよ。
まぁ、ハクとクロウにはまだ無理ですけど、
呉葉達ならいいアスレチックですね」
向井が笑顔で説明した。
「喫茶店の近くに公園があるだろ。
チビ達もよく遊んでるんだけど、
ここでも遊びたいらしくて。
下界の公園は人間の子が多いと遊ばせられないからさ」
妖鬼が言い、
「だからシーソーも、
サーキットのある子供広場に設置したんだよ。
あそこもすでにアスレチックになってるよ」
と笑った。
「公園でも順番待って、
ターザンロープで遊んでるんだけどね。
まぁ、うちにアスレチックが出来て、
公園に行かなくてもいいし、
でも一番喜んでるのは牧野ね。
雲梯とか丸太つり橋とかチビと一緒に遊んでるじゃない」
早紀が笑い、
「そうそう。玄関横にお砂場が出来てて驚いた。
いつ作ったの? 」
と妖鬼達を見た。
「あぁ、あれね。
チビが砂遊びが楽しいって冥王に話したから、
自分も遊びたいって言うんで、
天上界から砂を運んで柵を作って危なくないようにしたの。
太陽と同じような光も作って大変だったよ」
「あ………それで出入り口に水洗い場が出来たんですね。
牧野君が便利になったって喜んでました」
向井も納得したように妖鬼を見た。
そんな話で笑っていると、
シェデムが入り口から顔をのぞかせた。
「ディッセいた~
大貫さん達が探してたわよ」
その声に、
「そうだった。妖鬼達を連れてくるって言ったんだよ」
ディッセは笑うと、
「大貫さん達はサロンにいるの。
ほら、ピッコロも出来たから工房が満杯だろ。
で、企画はとりあえずサロンでって事になって。
奥にパーティションを作ったんだよ」
「………」
ディッセの話に妖鬼達が不満そうにじ~~っと顔を見た。
「仕方がないだろう。
これ以上は広くできないんだからさ。
三途の川の河原ですら開発されて狭くなってんだよ」
「………はぁ~次から次にやるのはいいけど、
俺達が楽に暮らせるように儲けを出してよ」
鬼道もため息をつくと、三人は工房を出て行った。
「じゃあ私も頑張らなきゃね」
早紀もそういうと部屋に戻っていった。
「向井さんは今日はお休み? 」
シェデムが歩いてくると言った。
「いえ、待機中です。
田口達が動いて今朝も地震があったでしょう」
「虎獅狼が地震が来るって予言したら、
本当に今朝中央に大きな揺れがあって驚いた」
ディッセが二人の顔を見た。
「昨夜からぞわぞわするって言ってたので、
みんな用心してたら的中だったでしょう。
他のチビは落ち着いたんですけど、
こんがね」
「あぁ、それで向井さんは待機か」
ディッセが腰に手を当てため息をついた。
その時、
「ほら、いたでしょう」
フンフがこんの手を引いて工房に入ってきた。
「パパいた」
こんは泣きべそをかいて歩いてきた。
「どうしたんですか? みんなと遊んでいるんじゃないの」
向井は笑顔を見せると抱き上げた。
「ん~………みんなきえちゃうもん」
「えっ? 消えませんよ」
向井達は驚くと安心させるように言った。
「ここがくしゃくしゃする………
みんなきえちゃう」
こんが胸に手を当ててこすった。
「そうか。怖い事を思い出しちゃうんですね。
でもね。大丈夫です。
ほら見てごらん。皆いるでしょう」
向井が笑顔で室内で作業する作家たちを見た。
「ゆりちゃんいる………あさみちゃんもいた」
こんが手を振る作家を見て自分も手を振る。
「ほら、皆いるじゃない」
シェデムも笑うとこんの頬を優しく突いた。
「もし、ここにいる人達がいなくなっても、
それは消えるのではなくて、卒業なんですよ」
「そつぎょう? 」
「こんにはまだ難しいかもしれませんけど、
時間が来るとみんな次に進むために卒業するんです」
首をかしげるこんを見て、
「皆こんを置いて消えるんじゃなくて、
卒業していくんです。
ここにいなくてもちゃんと違う場所にいるんですよ。
それとね。
ここにいる人と下に下りた時に出会う人は少し違うんです」
「ん………翔太ちゃんも? 」
こんが考えるように首を傾げた。
「そうです。だから黒谷ちゃんはここには来られないんです」
「いつくる? 」
「ずっと先です。だからこんが黒谷ちゃんに会いに行くと、
喜んでくれるでしょう? 」
こんがうんうんと頷く。
「パパもそつぎょーする? 」
「難しい質問ですね」
向井は笑うと、
「こんがパパを必要としている間は卒業しません」
「ほんと? 」
「本当です」
こんが笑顔になった。
「子供との約束だから守らないとね」
シェデムが向井を見るとディッセと一緒に笑った。
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