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第五部

キッズルーム誕生

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派遣霊の仕事が無事終了したので、

向井が死神課でサインしていると、

休憩室で妖鬼達が何やら空間を広げて作業をしていた。

何をしてるんだろうと見ながら歩いていると、

早紀がチビ達を連れて、

向井の方へやってきた。

「どうしたの? 

休憩室をリフォームでもしてるんですか? 」

向井が聞くと、

「今ね~お部屋作ってるの」

三鬼が向井を見上げて話した。

「部屋? 」

向井が早紀を見る。

「ほら、この子たちが来てから、

おもちゃがあちこちに散らばってるじゃん。

教育上よくないし、

おもちゃの片付けもさせないといけない、

という事になったわけ」

「はぁ」

「で、大人の目の届くところで遊ばせようと、

休憩室を大きくして、

今キッズルームを作っているのよ」

「あぁ、そういう事ですか」

「わらわとこんは、

三倉にこの子のお洋服を作ってもらう」

「お人形さんを見せてって言われたんだよね」

早紀が笑いながら言う。

「でね~妖鬼にタンスも作ってもらうの」

「それは皆さんの仕事が増えて大変ですね」

向井が笑った。

「あとね~滑り台も作ってもらった」

三鬼が嬉しそうに笑った。

「よかったね~

妖鬼さん、倒れなきゃいいけど」

向井は笑いながら早紀を見た。

「一応、私と弥生ちゃんで意見は出したんだけど、

向井君にも話が聞きたいって言うから、

時間があるなら休憩室覗いてみて」

「分かりました」

向井はそういうと、工房に向かう早紀達を見送ってから、

休憩室に顔を出した。

「あっ、ちょうどよかった」

妖鬼がやってきた。

「へえ~カラフルでいいですね。

もう出来上がってるじゃないですか」

向井は大きなキッズルームを見て驚いた。

「チビが一人増えただけで、

何でこんなにおもちゃが増えるのか、

分かんないよね」

妖鬼がため息まじりに笑った。

「俺もそうだけど、

妖怪って長生きでしょう。

つまりガキの時間も長いから、

それだけ成長に時間がかかるわけ。

虎獅狼達見ても分かるだろう。

あんなに長生きしてても、あれだから。

だからチビ達も、

当分あの状態だという事を、

覚悟しておいてね」

妖鬼が向井を見た。

「それは大変だ」

向井もため息まじりに笑った。

「それにしても随分広く作ったんですね」

「それはさ。冥王がチビと一緒に、

塗り絵したり、パズルしたりしてるだろう。

あそこは冥王のルームでもあるわけさ。

それにあいつらは遊んだまま寝ちゃうから、

安全面からもマットレスとクッションにした」

「そういえば、三鬼が滑り台を喜んでましたよ」

「ああ、あれね」

妖鬼が指を刺した。
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