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第四部

冥界もハロウィン準備

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冥界に戻ると、

工房からこんと呉葉が、

色違いでお揃いのドレスを着て走ってきた。

「おっ、可愛いね~」

ヴァンが言うと、

「三倉に作ってもらった」

呉葉は嬉しそうに向井達の前でターンをした。

三倉はこの秋に派遣霊になった、

元アパレルメーカーの縫製作家だ。

冥王も特注でマントを作ってもらい、

冥界で自慢して歩いていた。

「お揃いなの」

こんも嬉しそうにドレスの裾を広げると、

呉葉と『ね~』と嬉しそうに笑った。

「ほら、今から着てたら汚れちゃうよ」

弥生が出てきて二人を捕まえた。

「なに? 発表会用? 」

エハが聞くと、

「それもそうなんだけど、

そろそろハロウィンでしょ。

冥王が子供も増えたし、

ハロウィンパーティーしようって」

「フェスも発表会もあるのに、

パーティーもするんですか? 」

向井があきれたように笑った。

「今回は牧野君も休暇中だし、

悪霊も減ってるじゃない。

エハさんとヴァン君がいるから、

パーティーしてもいいんじゃないかって」

「えっ? じゃあ、

俺達はパーティーに参加できないの? 」

ヴァンが不満そうに言うと、

「………う~ん、悪霊の大きさ次第かな? 

小さいものは放っておこうって、

冥王が言ってたから」

弥生が言った。

「要するに、自分がやってみたいんでしょう。

この前、

子供達と『ジャック・オ・ランタン』の絵本を見てて、

思いついたんだと思うな」

エハは言うと、

「悪霊が大きくならないことを祈ろう」

ヴァンの肩を叩くと、

トレーニングルームに向かった。

「あとね~魔法のステッキも、

弥生ちゃんに作ってもらった」

二人がハートと星のきらきらの杖を、

向井達の前で振って見せてくれた。

「可愛いね~

弥生ちゃんはこういうのも作れるの? 」

向井が驚いてステッキを見た。

「これくらいならね。

冥王がフェスに出す材料を買うついでに、

真紀子さんと手芸屋さんに行ってきたの。

その時に魔法少女の材料見つけたから」

「これで変身する」

二人の楽しそうな姿に、

「でもさ~今それで変身したら、

発表会で見せるものなくなっちゃうよ」

ヴァンの言葉に二人はハッとすると、

慌てて工房に駆け出して行った。

「お見事」

弥生は笑うと、二人の後を追っていった。

「冥界が賑やかだと、戻ってきた時にホッとする」

ヴァンは笑うと、

「俺もメンテしてこよう~」

トレーニングルームに歩いて行った。
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