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第五部

チビとプール

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「ねえ、安達君て? 」

サランダが聞いた。

「うちの特例。そっかお前ら会ったことないか。

ちっちゃくて可愛いよ~」

ディッセが笑顔で言った。

「へえ~」

カランは食堂を見回した。

「うちも食堂欲しいな~」

「ないんですか? 」

向井が聞くと、

「ほら、中央は人数多いでしょ。

でも支部は、二十人位だからね~

一応、休憩室もあるし、

小さいけどトレーニングルームも、

図書室もあるよ」

「そうなんですか」

「向井君も一度遊びにおいでよ。

美味しいもんご馳走するよ。

下界の食べもんは上手いからさ」

そういったところで、

セーズが食事を運んできた。

「スイーツは食後にお持ちしますね」

「有難う」

彼らは礼を言うと食べ始めた。

「美味しい~」

サランダがカツを一口食べて、驚くように言った。

「でしょう」

シェデムも笑う。

「この前のハロウィンは、

うちのスタッフも参加してたんですよ」

サランダがご飯を口に運び話した。

「そうだったんですか? 

みんな仮装してたからな~」

向井も食べながら笑った。

「イベントなんてしたことないから、

うちの連中も支部に戻ってきて、

楽しそうだったもんな」

「中央も前は、

こんなに賑やかじゃなかったんだけど、

向井さん達が来てから、

色々イベントをやるようになって、

みんな喜んでるんだよ」

ディッセが向井を見て笑った。

「うちには牧野君という、

一人いるだけで何人分もの賑やかしがいますからね」

彼らが笑っていると、

当の本人が食堂に入ってきた。

「俺も腹減った~今日は誰も下界に………」

そういったところで、

食事をする向井達に気づき飛んできた。

「この子がもしかしてその牧野君? 」

サランダの問いに、向井達は笑いながら頷いた。

「なに? この人達………誰? 」

牧野はじっと見つめてから首を傾げた。

「失礼ですよ。

この方達はサランダさんとカランさんです」

「新しい死神………? 」

牧野は椅子に座るとドセを呼んで、

「俺にもカツ丼下さい~」

と言った。

「俺達は支部にいるから、

牧野君とは初めましてだね」

「そっか~支部にもいるんだもんね」

牧野は考えるような表情をすると言った。

落ち着いて食べる暇もなく、

今度は呉葉がやってきた。

「あ~いた。マキちゃん~プール、プールに行くぞ~」

「俺はこれからお昼なの。食事が終わったらな」

「なに? プールがあるの? 」

カランが驚きの声を上げた。

「あっ、向井もいた~」

呉葉はそういって駆け寄ると、

向井の膝によじ登った。

「ここは妖怪のチビ達もいるんでさ」

ディッセが説明した。
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