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第五部

キャラグッズ販売

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同じ頃――――――――

トリアと向井は黒谷の部屋にいた。

今日はキッチンカーがお休みなので、

玲子はお友達とお茶をしに出掛けたらしい。

「同年齢の常連のお客さんがいてね。

その人が同じ団地に住んでるのを知って、

区のコミュニティーで、

フラダンスを習い始めたんだよ。

足腰痛いって言ってたのに楽しいみたい」

黒谷はそういうと笑顔になった。

「好きなことは長生きの秘訣だもん。いい事よ」

トリアも笑った。

「で、キャラクターなんだけど、

これでOK? どこか変えたいところがあれば、

言ってくれればすぐに直すって」

黒谷はちょっと考えてから、

「赤姫さんは金色が好きなんだよね」

「そうなの? 」

トリアが聞く。

「俺が櫛をプレゼントするって言った時に、

お店に行ってパンフレットをもらってきたんだけど、

本べっ甲の金蒔絵ばかり選んでから、

決めたから」

「随分奮発したんですね」

向井が驚いた顔で黒谷を見た。

「まあ、神様だからね~

でも、赤姫さんも一応、

俺の懐は考えてくれたみたいだよ」

黒谷は笑った。

「だからさ。赤姫のキャラには金色を、

少しでいいから入れて欲しいんだ」

「せっかくだから金色の櫛を、

髪に挿そうか」

そういって、

トリアは画像の絵にペンで印をつけると、

金色の櫛と入れた。

「冥王のマントは背中に羽が生えたイメージで、

とに角カッコイイのがいいんだって。

色はアバロンシェル? 

あんな感じに光る奴? そう言ってた」

「あの人は自分が大好きだから。

よく自分の銅像制作させて喜んでるのがいるけど、

それと同じだね」

トリアは冥王のキャラにもペンで文字を入れ、

そういった。

「水神はこのままでいいの? 」

「これはね。もう河伯じいに見せたから。

凄く喜んでた」

「OK。じゃあこれを各十点ずつ、

シャカシャカのキーホルダーにしてみるね。

冥王が張りきって作るって言ってたから」

「えっ? 冥王が作るの? 」

黒谷が驚いて声をあげると、

トリアが笑いながら説明した。

「この前のイベントで売れたのが、

余程嬉しかったみたいで、

シャカシャカは自分が作るって、

張りきってた」

「へえ~」

「とりあえず今回は無料でやってあげるけど、

次からは料金取るからね」

「はいよ。イベントは俺もお手伝いさせていただくし、

無料でお弁当も届けます」

「それはみんな喜びますよ。

黒谷君のお弁当は人気だから」

向井の言葉に黒谷も嬉しそうに照れた。

「でさ、もしこれが評判よかったら、

販売したいって言ったでしょ」

「言ったけど、どうしていいか分かんないんだよね」

「だと思った。

うちはセールスプロモーションも手掛けてるから、

イベントやネットなどの販売に関して、

シェデムとディッセが総合プロデュースするよ。

まかせてくれるなら書類にサインして」

「へえ~そんなこともしてるんだ」

黒谷が驚いていると、

「冥界も年中金欠なのよ。

稼げるところで稼がせてもらわないとね。

向井君達だって安い賃金で、

死んだのにさらに魂削って働かされてるんだから。

あんただってそうやって守ってもらってんのよ」

「そうか~感謝しなきゃね」

「そうそう。神様も金がなきゃ死んじゃうのよ」

そんな二人の会話を向井は笑いながら聞いていた。
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