死を経験した侯爵夫人は夫と別れたい~あなた達二人の邪魔はしません~

クロユキ

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娘からの交際相手

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「怪我をしたと聞いた時は、生きた心地がしなかった」
「心配かけてしまってごめんなさい、怪我も良くなって来たのよ」
苦笑いを父親に見せるアメリアは父親に謝った。
「お母様は、一緒ではないの?」
「ああ、怪我の話しを聞いて心配していたが私だけ来る事にしたんだ」
テーブルの椅子に座る父親は、出された紅茶を飲んでいた。
「……アメリア、離婚したと聞いたが本当か?」
「あ…ええ、わたくしから離婚の話しをしたの…」
「…その傷はあの男がしたのか?」
父親のじっと見る目に嘘は言えないとアメリアは全てを話した。
「…あの人が、キャサリン嬢と一緒にいたの…わたくしは、二人を引き離そうとブライアンの腕を握り…振り払われてわたくしは倒れて…この頭の傷はその時に出来たの…」
「…っ…っ…」
アメリアの話しを聞いた父親は、震えが止まらず今すぐにでもブライアンの元へ行く勢いだった。
「…あの男は……何処まで娘を……」
「お父様、怒りを静めて…わたくしが間違っていたの…怪我をしてやっと目が覚めたの…」
「しかし…私の気がすまない…大事な一人娘をあの男は本当に傷を負わせたのだ…」
「傷が治ってわたくしはこの屋敷を出るわ…そして二人で住みたいと思っているの」
「二人?…あの男の事では…」
「もう、違うわ。あの人はキャサリン嬢と結婚するのよ、わたくしは、慰謝料のお金で家を建てたいの」
「慰謝料で家を建てる?ますますわからないが…家を建てずとも帰って来たら良い…」
「ありがとうお父様…あのね、この場所で話したくはなかったけれど…」
アメリアは、後ろで立っているアルベルトに手を伸ばし椅子から立ち上がったアメリアはアルベルトの隣に立ち父親に報告した。
「お父様…わたくしとアルベルトの交際を認めて貰いたいの」
「……え……」
父親は、突然の娘の報告に驚き暫く茫然と二人の姿を見ていた。




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