私の事は忘れてどうかあなたが好きになった人と幸せになってください

クロユキ

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また会う約束を

ガタンと馬車が止まった。
手綱を持っていた使用人の男が馬車から降りて馬車の扉を開けた。
「アラン様、着きました」
スヤスヤとアランとキャサリンはお互いの体を寄り添い眠る姿を使用人の男はイラッとした。
「こっちは寝ずに馬を走らせているのによ…こいつらは……」
独り言の声を出しても二人は目を開けなかった。
「アラン様、起きて下さい!着きましたよ!!」
「ん……煩いな……」
「は!?」
不機嫌な声を出して目を開けないアランに使用人はイラッとしたが深呼吸をして気分を落ち着かせた。
「……アランの旦那……奥様に迎えに来て貰いますか?」
「な!?」
バッと傾いていた頭を起こしたアランは一気に目が覚め、それを見た使用人の男は声に出して笑いたいのを我慢してニャけていた口元を手で隠していた。
「んんっ~……どうしたの?……」
アランが体を動かして気付いたキャサリンが眠たい顔で体を起こし隣に座るアランを見上げていた。
「……っ、馬車は何処で止めた?」
アランは、一気に目が覚め使用人に聞いていた。
「……屋敷の中まで入る事が出来ないと思いまして門の前に止めました」
「そうか…ありがとう、この事は内密に頼む」
「…分かりました……」
アランは側に置いていた騎士服と宝石が入った袋を手に持ち馬車から降りると使用人に金貨一枚を渡していた。
「アラン、帰るの?馬車の中でまだ居ても良いじゃない…」
キャサリンがアランに帰るのを惜しみ、馬車の中で居るようにと話しをするのを聞いた使用人は、眉間にシワを寄せて不機嫌な顔でキャサリンを見た。
「帰らないと屋敷の窓から灯りが見える…使用人がまだ起きているんだ…」
「はぁ、分かったわ…私の誕生日祝ってくれてありがとう、次に会う時に貴方からのプレゼントを付けるわ」
「ああ」
アランは、キャサリンに宝石の首飾りを贈った。
キャサリンは、馬車から降りてアランにキスをした。
それを見た使用人は首を横に振り手綱を置いた椅子に座った。
「私達いつの間にか馬車の中で眠っていたのね、久しぶりだったから私も疲れて眠ってしまったわ」
キャサリンはアランと過ごした事を話しクスッと笑みを見せた。
「暫くは会えない…夜中に帰るとはセルビアには言っていないんだ…」
「だから宝石を買ったじゃない、貴方からのプレゼントを貰ったら夜遅くに帰っても何も言えないわよ」
「そうだな…」
キャサリンはアランを抱き締めアランもまたキャサリンを抱き締めていた。
「明後日会わない?」
「暫くは会えないと言っただろう」
「じゃあ、今日貴方の練習試合を見に行くなら良いでしょう?」
「練習試合か…はぁ、仕方ないな…」
「仕方ないわね、ふふっ」
口付けを交わしたアランとキャサリンは、別れを惜しむかのように抱き締める姿を使用人はチラッと見てため息を吐いた。
「……怖いもの知らずとは言ったものだ……どうなっても知らねえ……」
ボソッと使用人の男は呟き、キャサリンは馬車に乗って帰りアランは屋敷を見て止めていた足を歩き屋敷へと暗い道を歩いた。






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