私の事は忘れてどうかあなたが好きになった人と幸せになってください

クロユキ

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先へ進むしかないのです

「セ、セルビア!?」
私は旦那様を部屋に残し私は客室を出た。
廊下を歩く私に気付いた執事とメイド達が不安な顔をして私を見ているのが分かった。
「セルビア奥様…屋敷へお戻りでは……」
「ごめんなさい…私、旦那様と別れる事にしたの」
「お!?…」
「えっ…」
執事の驚く声と口に手を当て驚くメイド達の姿を見て『ごめんなさい』と何度も心の中で言った。
「セルビア!」
旦那様が部屋を出て慌てた姿で私に声を掛けて廊下を走るように私の前に居た。
「セルビア、待ってくれ考え直してくれ」
「考える事は何もありません、私の気持ちは変わりません…旦那様明日まで騎士の仕事はお休みして下さい」
「えっ!?何故…」
「旦那様と一緒にキャサリンさんの屋敷へ行きたいのです今後の事を話しに…」
「な!?キャサリンと話しを……!」
「何を驚くのですか?私が別れましたら二人一緒になる事が出来るでしょう?もう、隠れて会う事もありません」
「セルビア」
パシッ!
「!?」
「は!?」
「えっ!?」
私は側に来た旦那様の頬を叩いた。
初めて男の人を…旦那様を…私は初めて叩いた…手の痛みよりも心の傷みに苦しんだ。
使用人の前で主人を叩くなんて…こんな悲しい事はなかった。
「っ……」
「皆がいる前で妻から叩かれた気分はどうですか?皆驚いています…妻から叩かれますのは私だけにして下さいね」
「セ…セルビア……」
私は旦那様を叩いた手を握り締め執事とメイド達の側に立った。
「私の残りの荷物を運んで馬車に乗せてくれる?」
「お、奥様……」
「…ごめんなさい…もうすぐ私はこの屋敷の夫人では無くなるわ…皆と一緒に過ごしたこの半年は私の和みだった……」
私は目に涙を溜めて使用人の皆と一緒に過ごした日を思い出し瞼を拭った。
「奥様…もう少しお考えください…旦那様には奥様の様な方がお側に居なくては……奥様っ」
「奥様!」
「奥様~っ」
私はこんなに慕われていたんだと…私から頬を叩かれた旦那様は下を向いたまま動こうとはしなかった。







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