私の事は忘れてどうかあなたが好きになった人と幸せになってください

クロユキ

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離婚の手続きが始まる

バタバタと廊下を走る音に私は目が覚めた。
キャサリンさんに話しを終えた私は実家に帰っていた。
「…こんなに眠ったの久しぶりだわ……」
今まで夫のアランの事で気が張っていた私は久しぶりに眠った気がした。
「旦那様、今日まで任務が休めるかしら」
今日、離婚届けのサインをする…弁護士も一緒に手続きをする事になっている。
離婚に名前を書けば私は旦那様の妻で無くなる……
私は、ベッドの上でぼんやりと座っていた。
旦那様との思い出は幾つあるのだろう…誕生日に間に合うように鳥の刺繍のハンカチを編み出来た時の喜びでハンカチを広げて見ていた…受け取ってくれた時はどんな顔を見せてくれるかしら…
庭園で誕生日を祝って欲しいと旦那様に私は、メイド達と一緒にテーブルの上にお花を生けお皿にガラスコップにフォークにナイフ小さなスプーンを置いて旦那様が帰るのを待っていた。
私の誕生日の時も同じように祝ってくれたらと私は準備をしながら思い出し笑いの様にクスクスと笑っていた。
でも…私の誕生日が来る前に私は旦那様の妻で無くなる……
「……」
身支度を終えた私は食事の部屋に入った。
「おはようございます。お父様、お母様」
「ああ、おはようセルビア」
「おはよう、今日顔色が良いわね」
「本当に?多分ぐっすりと眠ったから…」
私は、お父様とお母様に笑みを見せた。
「書類の準備は出来ている…」
「ありがとう、お父様…」
「……迷いは無いんだな…」
「ええ…」
「弁護士も今日来る事にした…慰謝料の手続きも今日で終わるだろう」
「うん…」
旦那様から慰謝料を貰うなんて思わなかった。




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