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夫の裏切り②
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夫のカインが妻の私ではなく別の女性を愛していたと知り私は自分の部屋でぼんやりと窓を見ていた。
「……」
部屋の窓から見えていたのは、夫が彼女を馬車に乗せ見送る姿を私は部屋の窓から見ていた…見送った夫は、私の部屋の方を見上げ私と目が合ったけれど私は夫から顔を逸らし窓から離れソファーに座った。
夫が私と別れ話しをするのを知り私は夫が部屋に来るのを待っていた。
コンコン
「……どうぞ」
私は部屋の扉が開き夫が部屋に入るのをじっと見ていた。
相変わらずの真顔の夫をじっと見ていた。
ソファーに座るまで私は夫を見ていた…私を裏切った夫の姿を見ていた。
「……君には申し訳ないと思っている……」
私の顔を見る事が出来ない夫は今まで話しをしていたのが本当なんだと思った…心の奥では私に冗談を話していたのだと思っていた…でもこの人が冗談で私に話しをした事は一度もなかった。
いいえ…この人と結婚をして屋敷へ帰って来たのは数えるくらいの回数で…私はいつも一人だった。
巡回の仕事は、忙しいのは知っていた。
屋敷へ帰って来ても私と挨拶をするだけで自分の部屋へと行ってしまう…休みの日には屋敷にいる事もなく帰って来た時には夜になって…私達の夫婦の会話も無く一緒に庭園でお茶を楽しむ事も無く一緒に出掛ける事も無く私は、今日この人から離婚を言われた……私は、一度も夫に愛される事もなく離婚の話しを夫から聞かされた。
「……どうして私と結婚をしたの?」
「……」
「両親が同級生だから無理矢理私との結婚を進められたから結婚をしたの?」
「……」
夫は、黙ったまま何も言わず私と顔を向けようともしなかった。
彼女が隣に座っていた時は、気遣うように彼女の方を何度も見ていたのに……
「……フローレン様とは?」
「えっ…」
「…フローレン様とは一度だけなの?」
「……」
顔を上げていた夫が目を逸らすのを見て私は残念な人だと思ってしまった。
「彼女を抱いた時に私の事は何も思わなかったの?」
「……」
「……だから貴方は屋敷へ帰る事が出来なかったのね…私を裏切ったから」
「っ……」
「……分かりました…貴方と離婚を致します」
「!」
今まで下を向いていた夫は顔を上げ私を見ていた。
「離婚の書類は私の方から用意をします…慰謝料は弁護士と話しをしまして連絡をしますから…」
「…っ……すまない…君には何もしてあげる事が出来なかった…」
「私を避けていたのですから何も出来ないでしょう?」
「っ……」
「二、三日に屋敷を出ていきます」
「えっ!?」
夫が驚いて顔を私に見せていた。
「何を驚いているのですか?」
「あ…いや、君が屋敷を出ると話したから……」
「貴方の屋敷に居ても仕方がないでしょう?彼女と一緒に住む屋敷ですから」
「……すまない……」
「離婚の話しは今日中に貴方の両親と私の家族に話しをしてください」
「えっ!?き、今日中に!?」
夫は驚いた顔で私を見ていた。
「……」
部屋の窓から見えていたのは、夫が彼女を馬車に乗せ見送る姿を私は部屋の窓から見ていた…見送った夫は、私の部屋の方を見上げ私と目が合ったけれど私は夫から顔を逸らし窓から離れソファーに座った。
夫が私と別れ話しをするのを知り私は夫が部屋に来るのを待っていた。
コンコン
「……どうぞ」
私は部屋の扉が開き夫が部屋に入るのをじっと見ていた。
相変わらずの真顔の夫をじっと見ていた。
ソファーに座るまで私は夫を見ていた…私を裏切った夫の姿を見ていた。
「……君には申し訳ないと思っている……」
私の顔を見る事が出来ない夫は今まで話しをしていたのが本当なんだと思った…心の奥では私に冗談を話していたのだと思っていた…でもこの人が冗談で私に話しをした事は一度もなかった。
いいえ…この人と結婚をして屋敷へ帰って来たのは数えるくらいの回数で…私はいつも一人だった。
巡回の仕事は、忙しいのは知っていた。
屋敷へ帰って来ても私と挨拶をするだけで自分の部屋へと行ってしまう…休みの日には屋敷にいる事もなく帰って来た時には夜になって…私達の夫婦の会話も無く一緒に庭園でお茶を楽しむ事も無く一緒に出掛ける事も無く私は、今日この人から離婚を言われた……私は、一度も夫に愛される事もなく離婚の話しを夫から聞かされた。
「……どうして私と結婚をしたの?」
「……」
「両親が同級生だから無理矢理私との結婚を進められたから結婚をしたの?」
「……」
夫は、黙ったまま何も言わず私と顔を向けようともしなかった。
彼女が隣に座っていた時は、気遣うように彼女の方を何度も見ていたのに……
「……フローレン様とは?」
「えっ…」
「…フローレン様とは一度だけなの?」
「……」
顔を上げていた夫が目を逸らすのを見て私は残念な人だと思ってしまった。
「彼女を抱いた時に私の事は何も思わなかったの?」
「……」
「……だから貴方は屋敷へ帰る事が出来なかったのね…私を裏切ったから」
「っ……」
「……分かりました…貴方と離婚を致します」
「!」
今まで下を向いていた夫は顔を上げ私を見ていた。
「離婚の書類は私の方から用意をします…慰謝料は弁護士と話しをしまして連絡をしますから…」
「…っ……すまない…君には何もしてあげる事が出来なかった…」
「私を避けていたのですから何も出来ないでしょう?」
「っ……」
「二、三日に屋敷を出ていきます」
「えっ!?」
夫が驚いて顔を私に見せていた。
「何を驚いているのですか?」
「あ…いや、君が屋敷を出ると話したから……」
「貴方の屋敷に居ても仕方がないでしょう?彼女と一緒に住む屋敷ですから」
「……すまない……」
「離婚の話しは今日中に貴方の両親と私の家族に話しをしてください」
「えっ!?き、今日中に!?」
夫は驚いた顔で私を見ていた。
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