信じていました…

クロユキ

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信じていた人の裏切り⑩

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「奥様、スープとパンのお食事でいいのですか?」
「ええ、ありがとう…食べたくなくても少しは食べないと…」
「奥様…」
ベッドの上で足を伸ばしたまま座った私は、小さなテーブルを座る私の側に置き久しぶりの食事を取った。
「…旦那様に連絡はしてくれた?」
「はい」
「ありがとう」
コンコン
メイドのマーガレッタが扉を開けると夫が立っていた。
「……食事をしていたのか?」
「ええ…」
食事が少ないのを見たクリストフはマーガレッタに声を上げた。
「スープとパンだけではないか!?…少なすぎだぞ、もう少し間ともな食事を持っ事が出来ないのか?」
「も、申し訳御座いません…いまからでも」
「私がスープとパンでいいと言いました。マーガレッタに叱るのはお止めください」
ローラの声にクリストフはビクッと驚いた。
「食欲が無くても食べなくてはとスープとパンにしたのです」
「……そうか…悪かった…」
メイドのマーガレッタは、ローラとクリストフのいつもと違う光景を見て涙が出るのを我慢していた…
「食べ終わりますまでソファーに座ってください」
「えっ、あ、ああ…」
戸惑うクリストフはソファーに座りローラの顔を見る事が出来なかった。
食事を終えたローラは、食器とテーブルをマーガレッタに頼みマーガレッタは、ローラの部屋を出た。
「……足の怪我はどうだ?」
「痛いです。」
「そ、そうだな……今は…足を治すように安静にしてくれ…」
「そうします。お姉様は?」
「えっ!?」
「お姉様を呼んで貰えますか?」
「…な、何故アリーヌを呼ぶだ?」
「私の姉ですから…旦那様のお義父様とお義母様も屋敷へ呼んでください」
「両親を!?」
「お姉様を旦那様のお義父様方に会わせたいのです」
クリストフは何故両親をアリーヌに会わせなくてはならないのかローラに戸惑うばかりだった。
「何故アリーヌに両親を会わせなくてはならないんだ?」
「私が、旦那様の妻では無くなるからです」
「!!ロ……」
クリストフは真っ青な顔でベッドの上に座るローラを見ていた。



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