元婚約者だったお兄様が後悔したと私に言ってくるのですが…

クロユキ

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幼い婚約者

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ソワソワと貴族の男性は書斎の部屋の中を歩き回っていた。
「あなた、少しは落ち着いてください」
「これが落ち着かずに要られるか…十年…十年待ったのだ」
今日は、学生時代からの親友の妻が出産を迎える事になった。
「ジルベールさんも言っていたではありませんか…フローラ様のお子様がいつになるのか分からないからと他の令嬢と婚約をしてはと言って下さったのよ」
「俺達は小学の頃からの親友なんだ…親友との約束を破る訳にはいかない」
「…もし、男児が生まれましたらどうするの?」
「えっ!?だ、男児!?」
「はぁ…まさか、考えていませんでしたの?」
「……もし、男児なら…ジョルジュには他の令嬢との婚約を考えなくては成らない…」
男性は肩を落とし歩く足を止め書斎の椅子に座った。
「何も落ち込む事はありませんわ…男児が生まれましてもわたくし達の親友には変わりはありませんわ」
「そうだな…ジョルジュには弟が出来たと思えば…」
カッカッと靴の急ぎ足が聞こえ書斎の部屋に執事が入って来た。
「旦那様、ジルベール様のお子様がお生まれに成りましたと今使いの者が知らせに参りました」
「う、生まれたか!男か、女か」
ガタンと座っていた椅子から立ち上がった男性は執事に聞いた。
「女のお子様で御座います」
「!!そ、そうか、女か…ハハハハ……」
「おめでとうございます。旦那様」
「ああ、こうしてはいられないジョルジュは何処だ?今からジルベールの屋敷へ行くぞ」
親友に女の赤ちゃんが生まれたと聞いた家族は、息子のジョルジュを連れて屋敷へと馬車を走らせた。
「父様、何処へ行くのですか?」
「ああ、私の親友が子供が生まれた。お前の婚約者になる」
「えっ!?僕の婚約者?」
「あなた、急に婚約者と言われてジョルジュも驚きますよ」
「何を言う、ジョルジュには何度も婚約者の話しはしていた…今からお前の婚約者に会いに行くんだ」
「……僕の婚約者……」
十歳になるジョルジュには今日生まれたばかりの婚約者に会いに行く不思議な気分だった。



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